2010年11月22日月曜日

SPN シーズン6エピソード9考察

あははははっ!

Supernaturalシーズン6第9話、面白かったー!

この楽しい気持ちが薄れてしまう前に、少しだけでも感想文を書き始めてみたいと思います。







以下、日本ではまだ放送されていないSupernaturalシーズン6のネタバレが出てきますので、閲覧ご注意ください。












これまでは、魂が抜かれちゃって、他人の男のようになってしまったサムと一緒に行動しなければならないディーンを心配していましたけど…。

逆に、中身は何から何まで教えて面倒を見てあげなきゃならない世話の焼ける赤ん坊のような存在で、でも、見た目は愛する夫そのままなのだ、という目線で状況を捉えると、こんなに楽しいことになってしまうのですね。

今回のエピソードの中でも、何度か比喩的なフレーズとして出てきましたが、

『いつかReal Boyになる!』 という、

ピノキオ坊やと同じ目的を持つことになったSoullessサミー坊やの人間らしい人間になるための教育を(ちっちゃなコオロギおじさんのJiminy Cricketとして…)なんとなく、なし崩しにという感じで、一手に引き受けることにもなってしまったディーン。

この設定、もちろんとても面白いのですが、私の心の片隅をなんとなく小さなトゲのように時々チクッと突くのは、

ディーンが本当の「人間らしい」感情や反応についての心得を「魂無しサム」に教える時、サムがそういったややこしい人間の感情をまがりなりにも理解しようとしたり、覚えようとしたりしているらしき様子が見て取れますよね?

そうすると、空っぽのサムの中に、小さな魂のようなものが芽生えていっているような気がして…、

サムの本物の心は今この場にはなくても、地獄には存在しているのに、本物の魂が戻ってくる前に空き家のサムの中で、別のサミー坊やの新たな魂が育っちゃうようなことになっていいの?

そして、あまり考えたくはないけど、今現在、地獄でサムの魂はどんな扱いを受けてるの?

今後、なんとか地上の体の中に戻してもらったとしても、そんなに長い間地獄にいたサムの魂で、本当に昔のサムに戻れるの?

というような小さな疑問が次々湧いてきてしまうのですが…。

空っぽサミーの中で育つ新しい魂、なんていう考えについては、ま、考えすぎというものなのでしょうね。



***



今回のエピソード。

放送前の情報で、兄弟がFairy(妖精)と対決する、ということは耳にしていて、

エピソードのタイトルも 『Clap your hands if you believe』 という、これはピーターパンの中で、妖精を信じる子供が減ってしまったことで、子供たちの信じる力で生かされている妖精のティンカーベルが死んでしまいそうになったとき、本を読んでいる子供たち(もしくはテレビを見ている子供たち)に向かい、

「妖精を信じるなら手を叩いて!」 と、ピーター(だったっけ?)がお願いする時の言葉でしたよね?

(私はこの言葉に、「信じる!!」と必死に手を叩く子供たちの姿を思い浮かべるたび、いつも、ついうっかりぽろっと涙が出そうになってしまうのです)

とはいえ、予告の映像なんかも見ないままだったので、この妖精のエピソードに関しては、さしたる思い入れも興味も持たないまま、本放送を目にすることになったのですけど、いざ蓋を開けてみると…

冒頭の『本日の事件』からして!

とうもろこし畑の中で、高校生の男の子が目映い光によってどこかへ連れ去られてしまう?

あのショットは(笑)!!!

そして、あのSupernaturalという文字から、ぱちっと瞬きする目のアップの後、

THE TRUTH IS IN THERE.

というフレーズが画面に現れて終わるあの一連の映像で構成されたオープニングクレジット!

あれはまさに、完っ全に、X-Filesのパクリじゃありませんか。

(本家、X-Filesのフレーズは、The truth is out there. ですが、このフレーズも、最終的にLeprechaunであることが判明する、UFO研究の第一人者を自称するおじさんが、Abductされてしまったディーンを見つける手がかりを探しにきたサムに向かって、さらっと口にしていましたよね)

あまりに楽しくて! このオープニングだけでも既に何度リプレイしてしまったかわかりません。

長らくこの日記に遊びに来ていただいている方はもうよくご存知でしょうが、この日記のタイトルをご覧いただいてもお分かりのとおり、

私はそもそも『X-Files』(Slash…)ファン出身で、Supernaturalというドラマを見てみようと思ったきっかけも、このドラマにX-Files出身のスタッフが大勢参加しているから、というのが大きな理由でした。

Supernaturalは、これまでのシリーズでも、時々、X-Filesに関わるような台詞なんかがそこかしこに散りばめられていたりもしたし、

現在は、X-Files当時、まさにFBIの副長官として、X-Files 課および超問題児のモルダー特別捜査官を不運にも受け持たされていた、スキナーさんこと Mitch Pileggiが、Winchester兄弟の母方のおじいちゃんとして、準レギュラー出演していたりもするわけで、

(あー、そう考えると、先々週、兄弟がサミュエルおじいちゃんと一旦決別、という展開になってしまったのが、悔やまれます!
兄弟がいつも父親代わりに頼りにしているボビーおじさんもUFOだとか、Abducteeだとかは専門外だ、とかいって、兄弟の質問に答えられなかったりとかで…、
じゃ、悪魔のCrowleyも認めるくらい狩りの知識に造詣が深いおじいちゃんなら、なにか知ってるかもしれないから電話で質問してみようか…、なんていうシーンが出てきたら!(笑) 最高に面白かったのに!)

キム・マナーズ監督の死後も、X-Filesから受け継いだ「超常現象」(Supernaturalだろうが、Paranormalだろうが…)をベースに、世界中のSlash大好きな腐のつくFangilsの心を虜にして放さない演出は、綿々と受け継がれているということは承知していたつもりでしたが、

まさか「Fairy(妖精)」が主役のエピソードをこんな風に演出してくれるなんて!

シーズン6に入って以来、どうも、私の個人的な好みに沿うよう、エピソードを作ってくれているような気さえして仕方ありません。

シーズン6、ルーツに回帰するっていってた、そのルーツってX-Filesのことだったとか…。

それにしても、ここまでのそのまんまなパクリ演出は、SPNみたいに、X-Filesの親戚筋ではない他のドラマだったら訴えられかねないのじゃないんでしょうか…。



***



今回のエピソード、本当に楽しくて、兄弟の台詞を残らず全部書き出してしまいたいくらいなのですが、そんなことをしたら、きりもなく長くなってしまうので…。

なるべくポイントだけに絞ってやっていきたいと思います。

インディアナ州のとある田舎町で、このほんの数週間の間に4件もの謎の行方不明事件が発生しているということで、

新聞社の記者(WWNでしょうか…)を装って、調査を開始した兄弟。
(ディーンが逮捕されたりする展開上、今回は残念ながらFBIというカバーは使えなかったということなのでしょうかね)

ところが、一番最初の行方不明者の少年(オープニングの事件の子)が消えたという現場へ一人で調査に行ったディーンが、なんと怪しい目映い光によって誘拐されてしまいます。

ディーンの体感時間では、一時間ほど、といっても、そのほとんどはモーテルまで歩いてくるのにかかった時間だから、誘拐されてたのは一瞬で、それでもやっとの思いで戻ってきて、モーテルの部屋の灯りをつけると、そこには驚愕の光景が!

なんと、サムが、(UFO村のようなところで「あんたのお兄さんが誘拐されたのって、子供の頃に起きたこと?」と、明らかにX-Filesマニア的な質問をした)ヒッピー娘と一緒に、裸で、ベッドの中にいるではありませんか。

(余談ですが、サムの裸の胸には、今回も確かに胸毛が生えていましたね!)

ヒッピー娘をとりあえずは穏便に部屋から追い出したものの、ドアに両手をついて気持ちを整理しているディーンに、

Sam: Y-You're upset.
  お、お前、怒ってるのか。

Dean: I was abducted. And you were banging patchouli.
  あたしは、誘拐されてたっていうのに。 そんな時、あんたは、パチョリ臭いヒッピー女なんかとセックスしてたのよ。


註:Patchouli:オリエンタルな香りには欠かせない香料として広く利用されており、ヒッピーたちの愛した香りとして有名ということ。

Sam: I didn't think she smelled that bad.
  俺、そんなに臭いとは思わなかったけどな。

Dean: I was abducted by aliens!
  あたしはエイリアンに誘拐されてたんだって言ってんの!

Sam: I was looking into it!
  だから俺だって、調査してたさ!

Dean: Looking into it?! I was gone for like an hour!
  調査してた!? あたしがいなくなってたのなんて、ほんの一時間くらいじゃないのよ!

Sam: An hour?
  一時間?

Dean: And most of that was walking back to town!
  そうよ、それもそのほとんどは町まで歩いてた時間なんだから!

Sam: Dean, I think your watch is off. You've been gone all night.
  ディーン、お前、時計なくしたんじゃないか。お前、ほとんど丸々一晩いなくなってたんだぞ。

Dean: What are you talking about? No, I haven't. 4:00 a.m.?
  なに言ってんの? あたし、なくしてなんか…(と、そこでサムの差し出した携帯の画面を見て)午前4時?

Sam: Yeah. U.F.O. Time-Slip. That actually falls in line with a lot of abduction stories.
  そうさ。はっ、UFOタイムスリップだ。それって、実際色んなUFOによる誘拐話と合致するじゃないか。

Dean: "Falls in line"?!
  なにが「合致する」よ?!


と、言いつつ、ベッドに腰掛けようとして、それが、サムがヒッピー娘と一緒に寝ていたベッドだと気づき、余計にイラつきながら、隣のベッドの方に移動するディーン。(笑)

Sam: Yeah!
  そうだよ!

Dean: Nothing's falling in line!
  なにも合致なんかしやしないわよ!


ま、これでも飲んで落ち着け、と、お酒をついだグラスを渡され、何があったか話してみろといわれたディーンは、

何って、サム、眩しい白い光が現れたの。

と言って言葉を切ったディーンの膝に、ぽんっと大きな手を乗せ、大丈夫だ、この部屋は安全だよ、と、「昔の俺」の記憶に基づき慰めてみるサム。
(この手と、それに続く血管の浮いたぶっとい腕が、なんか妙にいやらしくて!ついニヤニヤしてしまいます。)

ヒッピー娘なんかに触った手で私に触れないで!という、ディーンの無言の非難を読み取ってサムが手をどけると、ディーンは再び話を続けます。

そしたら、突然あたし、別の場所にいたわけ。で、そこには何かがいて、それはまぶしすぎて見えなかったんだけど。でも、そいつらが、あたしを何かテーブルみたいなものの方へ引っ張っていくのを感じたの…。

Sam: Probing Table!

註: Probing Tableとは、多くのUFO Abducteeたちの経験談に共通して現れる、宇宙船の中らしきところにある診察台のようなもので、主として生殖器なんかを重点的に、複数のエイリアンの手により色々と恥ずかしい検査を実施されてしまうというテーブルのこと。

Dean: God! Don’t say that out loud!
  やだ!そういうことを大きい声で言わないでちょうだい!

とはいえ、パニクッたディーンが常に携帯しているナイフやら銃やらをフル活用して、大暴れを始めたところ、それまでそんな風に反撃するAbducteeはいなかったらしく、謎の存在たちもびっくりして、ディーンを元のところに返してくれた、とのこと。

あたし、未知との遭遇を果たして、そいつらを打ち負かしたってことなのよ。

これまでずっと、Winchester家の家訓としては、UFOやエイリアンは嘘っぱちという主義でやってきたのだったけれども、実際に未知の存在と遭遇を果たしてしまったディーンが、ちょっと興奮ぎみ&得意げな感じなのが、面白いです。

Probing Tableには乗せられずには済んだようなのに、サムから「シャワーを浴びたほうがいい」と言われ、素直に「そうね、あたしシャワー浴びる」とバスルームに入り、その後多分ディーンは仮眠して、翌朝、ダイナーで二人でコーヒーを飲みながら、

妙にまったりと

悪魔だとか天使だとかに加えて、幽霊にスキンウォーカーでしょ。その上よ…、その上もし、本当にエイリアンがいたってことになったら、次はなに?ホビット?マジ?

なんて、まだ夕べの衝撃的体験の余波に浸りつつ、語っているディーンの目の前で、ウェイトレスのおねえちゃんに色目を使っているサムを目撃してしまったディーン。


Dean: You just gave her the silent "how you doin'."
  あんた今、あの娘に無言の「調子はどう?」の合図を送ったわね。

Sam: What?
  なんだって?

Dean: Our reality's collapsing around us, and you're trying to pick up our waitress?!
  あたしたちの常識が今、目の前で崩れ去ろうとしてるっていうのに、あんたはウェイトレスをナンパしようっていうの?!

Sam: Yeah. Okay, look... that brings up a question. So, say you got a soul, and you're on a case, and your brother gets abducted by aliens.
  ああ。わかった、なあ、…それで聞きたいこと思い出した。つまりさ、魂がある人間がさ、狩りをやってる時に、兄貴がエイリアンに誘拐されたとするよな。

Dean: Yeah, then you do everything you can to get him back.
(かなり食いぎみに…)
ええ、そしたらその人間はあらゆる手段を講じて、お兄さんを取り戻す努力をするものよ。

Sam: Right. You do. But what about when there are no more leads for the night? I mean, are you supposed to just sit there in the dark and suffer, even when there's nothing that can be done at that moment?
  そうだ。そうするさ。でもその晩、それ以上の手がかりがなくなっちゃったとしたらどうする、ただ暗がりに座って、苦しんでろっていうのか?その時点では他になにもできることがなくても?

Dean: Yes!
  そうよ!

Sam: What?
  えっ?

Dean: Yes. You sit in the dark, and you -- You feel the loss.
  そうよ。暗がりに座って、あんたは…喪失感を感じてるべきなの。

Sam: A-Absolutely. But -- But couldn't I just do all that and have sex with the hippie chick?
  も、もちろんそうだろうけどもさ。でも…でもさ、そういうことを全部した上で、ヒッピーの女の子とセックスするっていうのは?

Dean: No!
  駄目!

Sam: It would be in the dark.
  それも暗がりの中でするものだけど。

Dean: No, you couldn't, because you would be suffering. And you can't just turn that off for the night.
  駄目よ、そういうことはできないの、だってあなたは苦しんでる最中なんだもの。で、そういう感情は、夜になったからって、電気を消すみたいには消せないものなの。



そこで、お勘定のレシートを持ってきたウェイトレスにまたもや反射的に色目を使ってしまうサム。


Sam: Why not?
  なんで消せないのさ?

Dean: Because if you had a soul, your soul wouldn't let you.
  だって魂があれば、魂がそうはさせてくれないからよ。

Sam: So, you're saying... having a soul equals suffering.
  じゃ、こういうことか…魂があるということは、イコール苦しむってことだって。

Dean: Yes, that's exactly what I'm saying.
  そう、私が言ってるのはまさにそういうこと。

Sam: Like...the million times you almost called Lisa. So, you're saying suffering is a good thing.
  つまり、…お前が何百万回もリサに電話かけそうになるけどかけない、みたいなもんか。じゃ、苦しむってことは、いいことだっていうんだな。

Dean: I'm saying it's the only game in town.
  私が言ってるのは、他に選択肢はないんだっていうことよ。

Sam: Okay.
  わかった。



何をわかったのかはわからないもののサムが何かを納得したところで、エイリアンの調査をさらに進めることにした二人でしたが、

その場でサムには見えない怪しい赤い帽子のおじさんを目撃してしまったのを契機に、ディーンの身の回りでおかしなことが起こり始めるのでした。


***


それにしてもディーンの台詞、どうやってももう男言葉では日本語をつけられません。

これまでのシーズンで、あらゆるチャンスを捉えて女の子に色目を使う兄ちゃんに、それとなくヤキモチを焼くのはサムの役目でしたが、Soullessサムと、急激にこのところ乙女度を増したディーンでは、完全に立場が逆転してしまいましたよね。

一緒の車にも乗りたくない!気持ち悪いのよ!なんて言ってたものの、サムの見た目は大好きなダーリンのそのままなわけで、そんな愛する彼が、目の前で得体の知れない女とベッドインしてたり、過剰に露出度の高いウェイトレスなんかに色目を使ってるのを目にすると、メラメラとヤキモチの炎が燃え上がってきてしまう、というのは、妻としてはどうにもいたし方のないところ。

それにしても、サムに他の女に手を出させないための防衛手段として、やたらと「魂があれば」という理屈を便利に使っているけれども、ディーンの態度に表れているのは明らかに、とても素直なヤキモチ以外のなにものでもなくて、そんなディーンのヤキモチは、すごくわかりやすくてとっても可愛いです。


***


ということで、ささっと感想文を書きたいのに、兄弟の会話が面白すぎてどんどん長くなってしまうので、残念ですが、一旦ここで投稿ということにしてしまいます。

2010年11月19日金曜日

Supernatural シーズン6エピソード考察 Dean!

あっという間に、一週間は過ぎ去っていくので…ときどき恐ろしくなります。

なんとかシーズン6考察の続きです。








以下、日本ではまだ放送されていないSupernaturalシーズン6のネタバレが出てきますので、閲覧ご注意ください。















『真実の女神』のまん前で、平然と嘘をついたサムを目撃するにいたって、ついに、

「絶対にこの人おかしい、私の愛する夫のフリして、モーテルの一緒の部屋に泊まったりしてるけど…、誰なの?この男…、もうっ、キモいっっ!!!」

という感情が爆発したのか、不気味な見知らぬ男に変貌してしまったサムをとりあえず気が済むまでグーで殴りつけて、眠ってもらい、

たんこぶのできたサムを椅子に縛りつけた上で、

夫サムの浮気で悩んでる時に色々と憂さ晴らしに付き合ってもらったりしていた、はぐれ天使Castielさんを呼び出し、

ちょっと前、お兄ちゃんの仇の悪徳警官たちをやっつけるため、地上で例えれば核兵器に匹敵するとも言われている天国の強力兵器の一つである、モーゼおじさんの武器を自分の魂と引き換えに、ちょっぴり切り売りしてもらっちゃった少年Aaron君を診断した時みたいに

魂に変な署名が書き込まれたりしていないか、ささっと診断してもらうことにしてみたディーン。
(なんでこの方法をもっと早くに思いつかなかったのでしょうね!)

すると、地獄から戻って以来、全く一睡もしていないというとんでもない異常を別にすれば(そしてまあ、たんこぶができているし、鼻も折れている感じがするとのことだけれども…)、身体的には全くの健康体、ということがわかったものの、

肝心のサムのSoul(魂)は、どこかに行っちゃってる、という事実も判明してしまいました。

Casの予想としては、サムの魂はまだ地獄のCageの中、Michael & Luciferと一緒に捕らわれているのではないか、ということ。

「じゃ、引っ張り出してちょうだいよ。あたしのことだって引っ張り出したでしょ」

「君を救出するのにも複数の天使の手を必要としたのだし、しかも君は、それほど厳重に警護されていたわけでもない。サムの魂は、ルシファを閉じ込めている牢獄の中にある。そこには違いがある、大きな違いだ」

なんていう話をしている、妻と間男の会話にうんざりして、

「ねえ、魂がなくったって、僕は僕だよ。僕、(兄ちゃんをいやらしいゲイの中年ヴァンパイアに売り飛ばそうとしたりして)悪かったって、ちゃんと反省してる。だからお兄ちゃん、縄をほどいてったら」

と、たぶんサムの脳みそのハードディスクに残っている記憶に基づいて、兄ちゃんがいつだってイチコロで参ってきた、究極の Puppy Dog 顔で甘えた声を出してみるものの、その中身が愛する夫(弟)ではないことがはっきりとわかってしまった妻(兄)ディーンには全く通用せず、

「No way in hell.」 と、ぷいっとソッポを向かれてしまいます。

すると、「こんな風にはしたくなかったんだけど」と、ため息を一つつき、それはもうめちゃくちゃ頑丈に縛りあげてあったはずのぶっとい縄をあっさりとはずして、椅子から立ち上がったサム。

((笑)!私やっぱり、魂がなくなったり、悪魔の血でハイになったりして、兄ちゃんの理解を超える力をあっさり出すサムを見るの大好き! なんか、こういう時のサムってぞくぞくするくらい素敵です。そんなサムを目にしたディーンの顔がまた!いいですよね)

「俺を閉じ込めておくのは無理だ。ってことは、君は、この魂のない男から離れられないってことなんだから、あきらめて俺と一緒に行動してくれ。一緒に俺の魂をとりもどそう」

と、魂はないけど、やっぱりハンサムで逞しくて素敵なサムに、ディーンはうっかり言いくるめられてしまうことになるのでした。

そして、サムと一緒にこの世に連れ戻された、サミュエルおじいちゃん(←Casの診断の結果、魂は無事)の懐に入って、じいちゃんグループの内側からなんとか秘密を探り出せないかを試してみることにしたディーンとサム。

大勢のハンターを集めての大掛かりなAlphaヴァンパイア狩りに際しても、Deanは(マタマタイトコ?の)Gwenと一緒に、じいちゃんから、今は亡き娘とオーバーラップされて、「ここ(=危なくないところ)で待ってなさい」と、完全に女の子扱いされたりしつつも(ディーンは「俺を信用してないからだ」って言ってるけど、サムじいちゃんは絶対にディーンをMaryママと、さらにひょっとしたらDeannaおばあちゃんとも重ねて見てますよね)、こっそり嗅ぎまわり

じいちゃんが、とにかく色々なモンスターの一番目の大元、つまりAlphaを生け捕りにすることにこだわっていること、そしてその Alpha たちからなんらかの秘密の情報を引き出そうとしていることを探り出します。

そして、じいちゃんが Alpha たちから引き出そうとしている、その秘密の情報とは、モンスターたちが死んだ後に行く場所、HeavenでもHellでもない、

Purgatory(煉獄)

という場所の在り処だったのでした。

で、そもそもじいちゃんがなぜそんなことをしているのかといえば、

なんと、かつてのCrossroad部の部長職から、いまや自称「King of Hell」にまで昇格したらしい悪魔のCrowleyから、先祖代々の知恵+じいちゃん自身の長年の経験に基づいたハンターの腕を見込まれ、リクルートされたというのでした。

(じいちゃんが、何と引き換えに、Crowleyからの仕事の依頼を引き受けることに決めたのか、それはまだ明らかになっていませんが、どうもじいちゃんが悪者でなかったことだけははっきりしたようで、私個人的にはほっとしています)

そして、Crowleyが、Purgatoryを探す理由は、

地獄のやり手な不動産経営者として、事業拡大に余念がないCrowley社長としては、Purgatoryは、とんでもなく広い上に、いまのところ完全なる遊休不動産状態で、(正確な所在地はまだ不明であるにしても)地獄にも隣接してる、ってことで、つまり立地条件が最高

だから、なのだとか。

(でも、そのPurgatoryを手に入れてどうする?っていうディーンの質問にまでは、「それは従業員は知らなくていいこと」と回答拒否されてましたよね)

で、今や地獄の王様となったCrowleyなら、指をパチンと鳴らすだけで、サムの魂を地獄から引っ張り出すことができる、

(うーん、悪魔は、特に Crowley は嘘をつくことで有名ですけど…)

だから、愛しいサムの魂を返して欲しかったら、Crowley社長の言うことをきいて、モンスターのAlphaを捕まえてどんどん連れてきなさい。

すると、1+1=2的な考えで、「Alphaを狩ってくれば、魂を返してもらえる」ってことだろ、と、あっさりCrowleyの言いなりに仕事を引き受けることにしてしまうサム。

そんなサムにいらついて、あれこれぐずってみたものの、不気味な「Soulless Guy」とこの先いつまでも一緒にいることになるのもイヤッ!ってことで、結局、ディーンもAlpha狩りの仕事をいやいや引き受けることにしてしまうのでした。



***



さて、Crowley社長の指示により、魂の抜かれたサムと一緒に取り組まされることになった仕事の一本目は、

「Werewolf?なのかな?」事件

満月でもないのになんらかの動物によって心臓を食いちぎられるという死亡事件が発生したというのです。

とはいえ、モンスターたちが揃っておかしな行動をとるようになった今どきは、ディーンが現役で狩りをしていた2009年度までとは違い、サム自身もサミュエルじいちゃんと一緒に半月の時にWerewolf狩りをしたよ、と証言。

ところが、蓋を開けてみると、今回兄弟が相手にするのは、基本的にWerewolfのイトコくらいの存在となるらしい、

Skinwalker というモンスターだったのでした。

一噛みされて Skinwalker に感染すると、そもそもが本家の Werewolf みたいに「満月の夜だけ」なんて固いことは言わず、いつでもどこでも好きな時に、可愛いワンコに変身できるようになる、という、お手軽なモンスターなのだとのこと。

そして今回の事件の真相としては、

今回事件の起きた街中に派遣され、家庭のペットとして潜伏している何十匹ものSkinwakerたちは、(Alphaまではいかない?)Pack Leader(群れのリーダー)から、指示が行くまでペットのワンコとしておとなしく暮らしていること! と命令されていたのに、

家族として暮らしているシングルママと幼い息子にすっかり情が移ってしまったLuchyというSkinwaker ワンコが、家族を守るため、家族に害を及ぼす人間を次々と殺してしまっていた、

ということだったのでした。

本当に、Luckyもワンコの姿は(SammyのPuppy Dog Faceと一緒で…)演技も超上手だし、すっごく可愛いんだけど!

ペットとして受け入れ、家族の一員として愛情を持って接してきたワンコが、元ホームレスの薄汚い中年男だった、

そして、そんな中年男が化けたワンコに、毎日顔中を嘗め回されたり、シャワーを覗かれたりしていた…なんて思うと、

やだー!!気持ち悪い~っ としか、言いようがありません。

とりあえずは、この街のSkinwalkerを束ねる Pack Leaderを筆頭に、幹部Skinwakerワンコたちを一掃して、この街の事件を終息に導いたディーンとサムではありましたが、

得体の知れない男が、可愛いワンコの皮を被って、愛する家族の一員として一つ屋根の下に暮らしていた、という、ぞっとするような体験をしたシングルママに、痛く共感を覚えてしまったディーン。

脳みそに刻まれた記憶に基づいて、一応サムっぽい行動をしてはいるけれども、今現在ディーンと一緒に行動して、モーテルの部屋でも、狩りの仕事の時も常に一緒にいる、頑丈な縄もあっさりほどいてしまったりする、怪力の大男は、

ディーンにとって、その実まさに得体の知れない不気味な男なわけです。

以下は、この第8話の冒頭で交わされた、ディーンとサムの会話:


Dean: I don't even know who you are. I just...I just need a second to adjust.
  私、あなたが何者かもわからないの。私ただ…、ただとにかく順応する時間が欲しいのよ。

Sam: Look...This is a crap situation. I get it. But, Dean, I am still me --same melon, same memories. I-I still like the same music. I still think about Suzie Heizer.
  なあ…、これって、くそみたいな状況だよな。それはわかる。でもな、ディーン、俺は依然として俺なんだ…おんなじ頭蓋骨におんなじ記憶が入ってる。俺はまだ同じ音楽が好きだし。まだスージー・ヘイザーのことを考えたりもするんだ。

Dean: Biology class Suzie Heizer?
  生物のクラスが一緒だったスージー・ヘイザー?

(ここであえて名前を挙げるくらいの強烈な記憶ってことは、サムが童貞を捨てた相手ってことだったりするんでしょうかね…)

Sam: Can you blame me? Look, I know you don't trust me. And I can't take back what I did. But I'm going to prove it to you. I'm still your brother.
  記憶なんだからしょうがないだろ?なあ、お前が俺を信用できないのは理解できる。それに、俺がやってしまったことは、もう撤回できない。だけど俺はこれからお前に証明していくつもりだ。俺はまだお前の夫(弟)なんだってな。


といった具合に、Soullessサムは「俺が弟であることは変わってないんだ」というフレーズを繰り返しディーンに言い聞かせるという手管を用いて、ディーンの妻としての本能からどうしても沸いてきてしまう拒絶反応をなんとか抑えようと努力するわけですが…、

この第8話のエピソードで、ベッドにうつ伏せで眠り込んでいるディーンの姿が出てきます。

私は、このディーンの寝顔を目にして、ふとシーズン1で同じような体勢で眠っていたディーンを思い出しました。

あの頃のディーンも、不眠症に悩み眠れないサムから、毎晩いやらしい目で色っぽい寝姿を思う存分観察されていたものでした。
(あーはいはい!私の妄想の中ではね!)

もちろん今回のディーンは、あの頃のように、ボクサーショーツ一枚のお尻を無防備にサムに晒したりはしていませんが、

現在ディーンが嫌でも毎日24時間くっついていなければならなくて、

寝姿をじっと観察されたり、

もちろん着替えを見られたり、

ひょっとしたら「歯磨きするから」とか言ってバスルームに一緒に入ってきて、シャワーを覗かれたりすらしているのかもしれないのは、

サムの記憶に基づいて、サムらしい行動をするという意識だけを持って生きているSoullessサムなわけです。

そんなSoullessサムが、自分が変わらずディーンの最愛の弟のサムであることの証明として、童貞を捨てた相手(ま、これも私の勝手な解釈ですけども!)の名前を引き合いに出すような男だとして、

生まれてこのかた、ずっと、母であり、兄であり、親友であり(最終的に、私の妄想の中では、かけがえのない伴侶ともなって)、とにかくサムのこれまでの生涯ずーっと、最高の執着の対象だったディーンは、サムの記憶の中ではどのように分類されていて、

現在、夜一睡もする必要のないサムは、ディーンの可愛い寝顔と、ジーンズに包まれているとはいえ、可愛いお尻の曲線を一晩中観察しながら、何を考えているのでしょう。

シーズン1の頃、深夜の通販番組を見ながら、すぐ脇で眠る美人の兄ちゃんに飛びかかりたい気持ちに負けないよう、必死に理性と戦っていたサム。

脳というハードディスクに焼きついた記憶に基づいて、自分なりに良かれと思うサムらしい行動をしている現在のサムは、夜眠る必要がない上に、プロのおねえさんもお金を要求し忘れるくらいの絶倫さんなわけで…、

果たしてそんな絶倫ターミネーターサムの理性は、きちんと機能しているのでしょうか。

前回のおさらいで触れた、「サムと一緒の車に乗りたくない!」というディーンに、ボビーおじさんが「今すぐ車に乗れ!」と無理強いした時にも、私はたぶん女としての本能からヒヤッとしたのですが、

今までずっとそうしてきたから、とはいえ、現在のところ中身は見知らぬ他人であるサムと、毎晩モーテルの同じ部屋に泊まることになってしまったディーンを見ていると、

夫でもない男と無理やり夫婦として暮らさなければならない、というような、どことなく倒錯的、とでもいうか、ディーンに対する貞操の心配のようなものを感じないわけにはいかない私なのです。

Skinwaker 事件の影響もあり、ディーンのそんな、Soulless サムのことを「気持ち悪い!」と本能的に拒絶する気持ちが抑えきれなくなってきているのをさすがに感じ取って、

第8話のラスト、サムはディーンをとにもかくにも引き止めるため、この際すっぱりと腹を割って話をすることにします。


Sam: So...I was thinking. You were right.
  俺、考えたんだけどさ。君が正しいよ。

Dean: About?
  なにが正しいの?

Sam: I'm not your brother. I'm not Sam.
  俺は君の夫(弟)じゃない。俺はサムじゃない。

Dean: Okay.
  わかったわ。

Sam: All that "blah, blah, blah," about being the old me? Crap. Like Lisa and Ben, right? I've been acting like I care about them. But I don't. I couldn't care less.
  昔の俺がどうとかって、べらべら話したあれ全部さ? たわごとだった。リサとかベンとかさ? 俺、あの二人のことを気に掛けてるようなふりしてたけど、全く気に掛けてなんかいなかった。俺、気に掛けるってことができないんだ。

(Old meだったとしても、リサとベンのことなんか気に掛けないんじゃないの?ともチラッと思っちゃいますけども)

Dean: Is this supposed to make me feel better?
  そんな話を聞いて、私の気持ちが楽になるとでも思ってるの?

Sam: You wanted the real me. This is it. I don't care about them. I don't even really care about you. Except that...I need your help. And you're clearly not gonna stick around for much longer unless I give it to you straight, so...I've done a lot worse than you know. I've killed innocent people in the line of duty. But I'm pretty sure it's not something the old me could've done. And maybe I should feel guilty. But I don't.
  君は本当の俺が何者なのかを知りたいって言った。これが俺だ。俺はリサたちのことなんか、なんとも思わない。君のことすら、本当の意味ではなんとも思ってないんだ。ただ…、俺には君の助けが必要だって以外はさ。そして、俺が君に正直に打ち明けない限り、君はこれ以上、俺のそばにいてはくれないだろうっていうのもはっきりしてる。それで…、俺、君が知っている以上に色々ひどいことをしてきた。狩りの流れで、罪もない人を殺したりもした。でもそれって、昔の俺には出来ないことだったろうってこともはっきり自覚してるんだ。そして、そのことで俺は罪悪感を感じるべきなんだろうってことも。でも俺は何も感じない。

Dean: Sam, get to the punch line.
  サム、単刀直入に言ってくれない?

Sam: Look I don't know if how I am is better or worse. It's different. You get the job done, and nothing really hurts. That's not the worst thing. But I've been thinking. I was that other Sam for a long time. And it was...It was kinda harder. But there are also things about it I remember that I...Let's just say I think I should probably go back to being him.
  なあ、今の俺が前よりいいのか、悪いのかわからない。前とは違うっていうだけなんだ。仕事をやり遂げるけど、何も傷つくことがない。それって、決して悪いことじゃない。でも俺、考えたんだ。俺は、もうずーっと長い間、別のサムだったわけだよな。そして、その今の俺じゃない方のサムでいることは、…ある意味辛いことだったんだ。でもそのサムとして、覚えている色々な記憶もある…、ってことで、俺、たぶん、彼に戻るべきなんだろうと思うってことが言いたいのさ。


Dean: That's very interesting. It's a step.
  それって、確かにとても興味の引かれる話よね。一歩前進ってことじゃない。

Sam: So?
  それで?


Dean: We do what we got to do. And we get my brother back.
  私たち、やることをやって。で、二人で、私の夫(弟)を取り戻すの。




上のサムの演説だけでは、どうして(狩りの腕前という意味では、足手まといにすらなりかねない)ディーンをそばにおいておきたいのか、強烈に辛い思いを味わったりすることになることがわかっていながらも「昔の俺」に戻りたいと思うことにしたのかが、はっきり伝わってきません。

基本的には、Soullessサムも上で言っているように、「昔の俺」の記憶が、「兄ちゃんを手放しちゃ駄目だ!」って強烈に主張してるってことなんだろうと思うのですが、

ルシファを抱えて地獄に落ちる前、「今度こそ俺を蘇らせようとなんかするなよ。リサを探して幸せな普通の暮らしをおくってくれ」と言い残した「昔の俺」の記憶に基づき、

一年間は、物陰からディーンの暮らしを覗くだけに留まっていたサムだったものの、

その「昔の俺」の記憶レジストリの中には、「兄ちゃんをそっとしておくこと」という記憶を上回る、「兄ちゃんにそばにいて欲しい」もしくは「兄ちゃんは、俺だけのものだ」という強い記憶があり、どうにもそれを無視するわけにはいかなくなってきて、

現在の空っぽサムとしては、なんで「兄ちゃん」にこんなに執着しなきゃならないのかもよくわからないまま、とりあえずそばに置いとかないと、という義務感にかられているということなのかもしれません。

とはいえ、CrowleyのPurgatory開発計画の全貌もまだ明らかになってはいないし、

魂が抜けた空っぽのサムは、モンスターからしてみると(Alphaヴァンパイア談)「獣」そのものになれる大変面白い素材のようだし、

なにかしらの意図があって、空っぽのサムという状況が作られているのだとすると、事態はこの先まだまだややこしいことになっていくのかもしれません。

その他、もちろんじいちゃんの事情とか、

Castielが抱える、天国の内戦問題のこともあるし、

今シーズンもやっぱりややこしいじゃないのさっ!!


***


シーズン5のおさらいもちょこっとずつ進めたいのですけど、

日記を書き始めると長くなってしまって…、なかなか思うように進みません。

2010年11月14日日曜日

Supernatural シーズン6エピソード考察 Sam!

ここしばらくレギュラーで追いかけているドラマの他に、『Chuck』が追加されてしまって(現在シーズン2の中ほどを見ています…、面白い!でもこのドラマ、日本でも Super!dramaTV で既に放送が始まっているのですね?)、さらにノロノロと『Desperate Housewives』シーズン3も…観ていて、

その上、『Psych』も長~~~いHiatusが終わってしまって、シリーズ5の続きの放送が再開されてしまうしで、どうにも時間のやりくりがつかないようなことになってしまっている中、

先週7日だったかには、

『Supernatural: The Official Companion Season 5』

も配達されてしまい、いつもなら、一晩でイッキ読みするのが常のところ、まだ最後までじっくり目が通せないまま、枕元文庫(註:ベッド脇で、ほんの少しずつ読まれるのを待機する本たちのこと)に追加されているような状態!

ですが、さすがに色々と頭の中にシーズン6に対しての考察が溜まってきたので、少しだけ吐き出してみることにしたいと思います。







以下、日本ではまだ放送されていないSupernaturalシーズン6のネタバレが出てきますので、閲覧ご注意ください。









私のシーズン6の考察は、たった3話で止まってしまっていましたが、

エピソードは次々放送が続いて、あっという間になんと第8話目にまで到達してしまいました。

当初シーズン6では、もう天国vs.地獄のややこしいプロットはなくなるという触れ込みだったけれども、

天使のCastielと、悪魔のCrowleyという、今や押しも押されぬ二大人気キャラとなった二人が準レギュラーとして継続出演していくのである以上、天国と地獄の動向も無視するわけにはいかないわけで、

結局、今シーズンも天国と地獄、双方の事情がまたややこしくストーリーに入り込みつつあるという現状のため、私にとってはちょっと油断すると、考察の続きを書くのが面倒くさくなってしまう原因ともなっています。

ということで、とりあえずややこしい大きなプロットはおおまかに無視しておいて、

どうしても素直に仲良く幸せな生活を送らせてはもらえない、Winchester夫妻についてだけ、少し考察を書き出してみたいと思います。



***



シーズン6が始まってすぐ、拍子抜けするくらいあっけなくSamがDeanの前にひょっこりと姿を現したものの、

そのSamは、どうも見知らぬ大人の男のようになってしまったようで、とかくDeanの妻目線(あ、いや兄目線)に同調しがちな私たちFangirlsとしては、

「どういうこと?サム、どうしちゃったの?」 という、

どことなく落ち着かないというか、不安をあおられるような状態にしばらく置かれていましたけれども、

なんと!

Samったら!

魂は地獄に置いたままの、抜け殻、だったなんて!

愛しい夫(弟)と思いがけず再会できたものの、女の感で、目の前のサムが以前の夫とはどこか違う…と肌で感じてか、ここしばらくボビーおじさんなんかにも

「サム、どこかおかしいのよ」 なんて、しばしばグチっていたディーン。

ディーンの違和感はまさに正解で、今のサムは、サムであってサムでない、ある意味ディーンにとっては本当に他人の男だったわけです。

さすが!妻の直感はするどいものですね!

それにしても、第5話のヴァンパイアエピソードで、ディーンが、その桁外れの『可愛さ』(まったく幾つになってもホントこの子は美人さんですよね!)に目を付けられ、強引にヴァンパイアイケメン軍団にスカウトされてしまうことになり、

(でもあのリーダーの感じ…、いまどきはやりの骨と皮だけの頼りないヴァンパイア美少年好みの女子向けというより、ある程度ちゃんと大人の体をした可愛い男の子が好きな、ごついゲイ男子向けのオトリとして、目をつけられたような気がしてなりません)

妙にいやらしいヴァンパイアのリーダーから、あのぷっくりとした唇に血をべったりと塗りたくられてしまう、という、

いままでの夫のサムだったら、どんなことがあっても放っておけるはずがない妻のあられもない姿を目の前にして、

いやらしい中年小太りヴァンパイアに飛び掛って、愛しい妻を救うでもなく、

なんだか薄笑いを浮かべる(!)という、シーズン6に入って以来のちょっと得体の知れないセクシーサムを気に入っている私にとってすら、それは行きすぎじゃない?!!と、衝撃を受けるような行動をみせ、

しかもそんな衝撃的事実をヴァンパイアの毒抜きの際の副作用に苦しみつつ、フラッシュバックとして、ディーンが目撃してしまう(思い出してしまう)ことになったわけですよね。

それでも、これまで何があっても、何をおいてもディーンのことを世界で一番愛してくれていた夫サムがそこまで変貌してしまったことを信じたくなかったのか、
(ヴァンパイアになりかけた影響で、Lisaとの関係には深刻なヒビが入ってしまったけども)

「でも、何があったって、お前だけは頼りにできるから…。そうだよな、サミー?」

と、上目遣いで、見知らぬ他人になってしまった夫サムを見上げてたずねるディーン。

「もちろんだよ。ディーン」

と、答えるサムを寂しそうに見つめ、一緒にインパラちゃんに乗り込むディーンの姿を目にして、思わず、女としての率直な感覚としては、「えっ?あんな一面を見てしまった男と一緒の車に乗るの?」という、ぞくっとした感覚が背筋を走らずにはいられなかったのですが、

その翌週、

Dean: I don't even want to ride in the same car with him, much less work a damn case.
  あたし、彼と一緒の車に乗るのすら嫌なくらいなのに、一緒に「狩り」の仕事をするなんてもっと嫌よ。


と、ボビーに電話でグチっているのを聞いて、ディーンもそんな女の素直な感覚をしっかり実感していたことがわかって、「ああ、やっぱり!」と大きくうなずいた私でした。

とはいえ、ボビーおじさんから、「今すぐ車に乗れ!サムがお前のCaseだ!」と電話口で無理強いされ、しぶしぶサムの動向にこっそりと目を光らせつつ、不審な連続自殺発生事件という新しい狩りの調査にとりかかることにしたディーンは、

犠牲者の周囲の人間に残酷な真実を話させて、犠牲者を自殺へと追い込み、その遺体を美味しくいただくという「Pagan Goddess」の呪いを自ら進んで受け、

ボビーおじさんから

お前はわしの一番のお気に入りだからな、ま、狩りの腕はサムの方が上だが、まあ、とにかく(ディーンがほぼ丸一年狩りを休んでいて、その間、サムはおじいちゃんについて色々勉強しながら狩りをしまくっていた後の)今となってはな」

だとか、Lisaから

サムを失った(=サムがLuciferを抱え、Michaelを道連れに地獄へ飛び込んだ)後、毎晩酔いつぶれてやっと眠れるような状態だったということは重々承知の上でディーンを受け入れたLisaだったけれども、

Lisa: But I didn't expect Sam to come back. And I'm glad he's okay. I am. But the minute he walked through that door, I knew. It was over. You two have the most unhealthy, tangled-up, crazy thing I've ever seen. And as long as he's in your life, you're never gonna be happy.
  でもその時には、サムが戻ってくることは予想してなかった。彼が無事でよかったと思ってるわ。本当よ。でも、彼がドアを抜けて歩いてきたあの時、すぐにわかった。私たちは終わりだって。あなたたち二人の間にあるものって、とんでもなく不健康で、こんがらがってて、どうかしてる。そして、彼があなたの人生に関わっているかぎり、あなたは絶対に幸せにはなれない。


という、赤裸々な真実の言葉を投げつけられてしまってショックを受けたりもしつつ、でもこれならさすがにサムの口から真実が聞ける(Lisaにそこ↑まで言われても…、やっぱりサムが一番好きだし、大事なのね、ディーン…)ということで、

サムに対して率直な質問をぶつけてみることにしたディーン。


「ねえ、あたしがヴァンパイアに襲われてた時、なんでただ立って見てたの?」

「そうじゃない。固まってたんだ。ショックでっていうか…」

「戻ってきてからのあなたって、まるでターミネーターみたいだったっていうのに?」

Sam: Believe me. Dean...I can't lie here. Do you really think I would let something like that happen on purpose? You're my brother. H-how could you even --
  信じてくれ。ディーン、こんなことで嘘なんかつけない。お前、俺が本当にわざとお前をヴァンパイアに変えようとさせるなんてことができると思うのか?お前は俺の(愛しい)妻(兄)だ。よくもお前そんなふうに…

Dean: Okay. Okay. Sorry. I...I thought --I thought I saw something. I...I guess I was wrong.
  わかった。わかったわ。ごめんなさい。私、何かを見たと思ったの…。でも見間違いだったみたいね。



絶対に真実しか口にできない呪いの影響下で、サムがなんだかしどろもどろに口にした弁明を信じたディーン。

しかし、そんなディーンに背を向けて階段を下り始めたサムの顔は…。

視聴者の私たちには、この時点でサムが強力な呪いの力にすら打ち勝って、ディーンに嘘をついたことがわかって、さらにぞっとさせられました。

このサムって、何者なの?

とはいえ、サムが真実しか口にできないと信じているディーンは、その後、ちょっとだけサムに心を許して、少し気楽になった様子で、サムに少し笑顔を見せたり、モーテルのベッドに座るサムにかなり体を近づけて座ったりできるようになります。

そして、Veritas(真実の女神)が、地元テレビ局のアンカーウーマンの姿を借りて、町中の人々に過剰な真実をお届けしまくっていたという事実を掴んだ兄弟は、

Veritasを退治するため、そのねぐらへと押しかけるわけですが、その真実の女神自身の口から、彼女の強力な呪いの影響下でさえ、サムは、しゃあしゃあと 「嘘がつける」 ことが暴露されてしまいます。



***



あ、このままだと、とんでもなく長くなってしまう…。

えーっと。

ま、二人とも命があぶないっていう時に、夫婦喧嘩をしている場合でもないので、なんとか人々に過剰な真実を与えてくれる「真実の女神」をとりあえず無事に退治した後、

サムが語るところによれば、

「俺、どこかおかしいんだ。なんにも感じないんだよ。でもこれって最高のハンターになれるってことじゃないか?なんにも恐くないんだぜ、だってなんにも感じないんだからさ。感じるべきだってことは頭でわかるんだけど…」

Sam: I don't know what's wrong with me. I think...I need help.


助けが必要だというサムをかなり手荒く眠らせたディーンは、もうさすがに何かしなくちゃだめだ、ということで、

第7話、サムが必要とする「Help」の手を求めることになります。


***


あと少しなのだけれども、本日も色々邪魔が入って集中力が途切れてしまったので、なるべく来週のエピソードの前に、8話までの「Winchester夫妻に関する」考察の続きを書いてしまえるようにしたいと思います。

それと、シーズン5のオフィシャルコンパニオンも届いてしまったことだし、シーズン5のおさらいの続きもなんとか…。

2010年11月1日月曜日

あれやこれや

Supernatural シーズン6、エピソードは6話目を迎えて、兄弟の関係はどんどん大変なことになっていっていますが、

そんな中、またもや新しいドラマに手をつけてしまいました…。

『Chuck』 です。

このドラマ、もうしばらく前から『面白い』という噂だけは聞いていて、これまでにも、鑑賞を始めることにしようか…、と、何度も誘惑されながらも、なーんとなく手を出せずにいたのですが、

つい最近、またもや、『面白い!』という話が無理やり小耳に入って来てしまって、今度こそ誘惑に打ち勝てず、(現地アメリカでは、既にシーズン4が始まっているところではありますけれども…)シーズン1に手をつけてしまいました。

このドラマ、噂どおり面白いですね!

数年前、とあるSlash小説に、OMC(outside male character)として、

「Chuckっていうドラマに出てくる、その主演のChuckに似ている…」

というキャラクターが出てきた際、

Chuckってどんな人? と、

ドラマのカバー写真とでもいうんでしょうか? 番宣写真とでもいうのか、そういう写真を探したことがあって、その時は、「Office」とちょっとごっちゃになって、勝手に「のん気なコメディドラマ」だと思い込み、

さらにまた、しばらく前(1年くらい?)には「超おもしろい(Slash的)映像見つけた!」ということで、Chuckが、ほぼ裸の男性と体をぴったり密着させて熱心にタンゴを踊っている、というVが紹介されているのを目撃し、

「なにこれ?」(笑)

と、強烈に興味を引かれたものの、それでも今ひとつ「見よう!」という、心の決め手が持てないまま、今日に至っていたわけなのですが、本当にふとしたきっかけで、

ここへ来て、うっかり見始めてみると…、ホント面白いです。

家電量販店のパソコン売り場で働いている「Geek」ではなく、「Nerd」と呼んで欲しいと主張する、どっちにしてもオタクであることは間違いない一人の青年Chuckが、

大学時代(←実は某Sam Winchesterさんも通っていた、Stanfordに通っていました)にちょっとした(いやかなりの)因縁のあった同級生から送られてきた電子メールをうっかり開いてしまったことにより、

国家の安全に直結するようなとんでもない最高機密データを一挙に頭の中にダウンロードされてしまう、というとんでもないことになってしまうわけです。

その事実をかぎつけた CIA と NSA (←まだ調べてないけど、これもスパイ組織?)は、Chuckの頭にダウンロードされた重要機密を引き出すため、および、スパイ組織にとっては何よりも貴重な情報を一身に(というか、脳みその中に)抱えてしまうことになったChuckを守るため、それぞれ最上級のエージェントをChuckの身近にUndercover(覆面捜査官)としてつけることに。

落ち着いて考えると、とにかく無理な設定だらけ!という感じもするのだけど、

オタクなパソコン売り場の店員という日常生活を続けつつ、否応なしにCIAやNSAなんていう物騒な組織が扱う、とんでもなく非日常的な事件に巻き込まれていってしまうChuckが!

とにかく人が良くて、シャイなオタクで、不器用で、家族&友人思いで、たまらなく可愛いのです。

そんなChuckを守るため、Chuckの職場の従業員になるという形でアンダーカバー任務につく、NSAのトップエージェント John Casey を演じているのが、

Adam Baldwin

という俳優さんなんですが、この人、

X-Filesで、無敵兵士なレプリカントとして(少なくとも、私には…)強烈な印象を残した、Knowle Rohrer を演じていた人なのです。

Casey、時に万引き少年を素手で殺しそうになったり、X-Files時代の無敵兵士の気配の名残も髣髴とさせてくれたりもしつつ、

でもあまりに素直で、普通(以下)で、頼りないChuckが、だんだん可愛く思えてきちゃったの?という感じで、時々「スパイジョーク」でChuckにくだらない嘘を信じ込ませてみたり(タンゴを踊れるようにしとけ、とか)

まだシーズン1もやっと5話目くらいを見ているところですが、初登場の時の印象とは既にだいぶ変わってしまいました。

Chuck と Sarah と Casey の三角関係(違うか…)から、しばらく目が話せません。



***



そして、これは数年ぶりに復活という感じで、

『Desperate Housewives』

愛知県に住んでいた頃に、シーズン2までイッキ見した後、当時まだ新作扱いだった「シーズン3」はレンタルが安くなってから…、と、一休みしたまま、すっかり遠のいていたのですけど、

少し前に嫁いで、アパートで「光テレビ」に(視聴がサービスになる3ヶ月だけだったか)加入した下の妹が、最近突然ハマり出して、一気にシーズン5の頭の辺りまで見て

「お姉ちゃん、面白いよ!」

と、やけに熱を込めて語るもので…。

もはや記憶も薄れたシーズン2のラスト3話くらいから復習して、現在、シーズン3を見始めてしまったところ。

こちらは、現地アメリカでは既にシーズン7が放送中なのですよね。

Supernaturalのシーズン5のおさらいも放りっぱなし、シーズン6のエピソード考察も既に4・5・6話とあっという間に3週間分が溜まってしまっているというのに、

この私の移り気ぶりはなんなのか…。

なんとかおさらいの続きも、新シーズンの考察も、(気分的に)手遅れになる前に再開したいと思ってはいます。



***



そして、またもや長編名作『Slash』を読んでしまいました。

『Beholder』

Genre: RPS, J2 AU
Pairing: Jared/Jensen, mentions Jared/Sandy (blink and you miss it)
Words: ~80K
Ratings/Warnings: NC-17 (in parts). Mild violence. Mention of past abuse. M/M sexual situations.
Summary: Jared was passionate about the work he did with the animal shelter. Between that and living with Sandy, life was satisfactory. Until the cold night that the filthy, homeless man hidden in an oversized hoodie was dumped at the shelter and Jared couldn't just turn him out. Even if the man roared and called himself 'Beast.' Because under the hood, Jared was sure he caught a glimpse of a prince in those green eyes.


80K、ということで、またもや、8万語ほどの長編です。

とある実力派 SPN Slash Writer さんが「これは、お奨め!」と、強く推していたのにつられて読み始め、時間も余裕もない中、どんどんどんどん引き込まれて、睡眠時間もかなり削って…読まされてしまいました。

10年間分の記憶を失い、言葉もろくに話せないような状態で、ホームレスとして暮らしていたJensenが、アニマルシェルターで働いているJaredと出会い、それをきっかけに二人の人生が劇的に変わっていく、というお話ですが、

ストーリーは本当によく書けているし、登場人物たちも、特にJ3(JDMもゲスト出演しています)のキャラ設定は抜群に説得力があって、

とにかくJensenが可愛くて、切なくて、たまりません。

でも、この調子で長編Slash読みにどっぷり浸かってしまうと、大変なことになってしまう…。


***


この辺りで、ちょっと落ち着いて、自分の生活のペースを一度見直さなければ、と思います。