2011年4月15日金曜日

震災の後

3月の末くらいに、とりあえず少しずつ、日常のどうでもいいこまごまとしたことを、現状報告程度に日記に書き始めようか…、とも思ったのですが、日記を開くと、被災地の避難所で生活されている人たちのことが思い起こされて、タイプする手が止まってしまうということの繰り返しで、ここまで来てしまいました。

震災から早くも一ヶ月が経ちましたが、まだまだ毎日大きな余震を含む地震が続いている一方で、福島の原発の問題もなかなか解決の出口が見えないという状況が続いていますね。

私の暮らす北関東では、建物の倒壊や道路の損壊といった大きな被害がほとんどなかったこともあって、一見すると普通の日常が戻りつつあるようにも見えます。

反面、放射能汚染の関係で、北関東全県に渡るほうれん草やかき菜などの葉物野菜の出荷制限などのニュースも継続中。
(現時点では、出荷制限はほぼ解除されているものの、福島の原発での動向によっては、またすぐに状況は戻ってしまうことになるのだろうなとも思います。)

放射能というのは、目に見えないどころか、(よっぽどの高濃度でないかぎり)人間の五感ではほぼ感知することのできない脅威ということで、赤ちゃんや小さなお子さんをもたれている方たちは、どれほど心配な毎日を送られていることかを思うと胸が痛みます。

我が家の近辺では、家庭菜園で、上記のような葉物野菜を栽培している家庭も多いので、親戚のおばちゃんたちからおすそわけでいただいたりしつつ、(我が家は小さな子供もいない家庭ということもあり)特別 「放射能」 にピリピリすることもなく、所謂 「路地もの」 の野菜を食べて暮らしているという日常です。

チェルノブイリの事故の後、畸形のヤギが生まれたりしている近くで、「ここで暮らすしかないから」と畑を耕しているおばあさんの姿を目にして、やりきれない思いを抱いたことを微かに思い出したりもしますが、

原発からの放射能で野菜が汚染される辺りに暮らす人間が、全員どこかに避難できるわけではないこと、

そして、そもそも日本だけで考えてみても『原発』というものがあるのは福島だけではないという事実に加え、現状の文明社会を成り立たせていく上で、エネルギーの供給を『原発』に頼るしかないような状態になっている現在、

既にもう、ちょっと恐怖を感じるくらいに沢山の『原発』が世界各地に存在しているのだということを鑑みれば、

闇雲に、マスコミや風評に煽られるまま、「水も食べ物も何もかも危ない! 関東脱出! 日本脱出!」と騒いでみたところで、どうにもならない、とも思うのです。

今回のような未曾有の大災害をきっかけにして、利権や癒着などに基づいた『原発の安全神話』に、否応無く冷静で現実的な批判のメスが入ることで、

今後、『原発』そのものについてのあり方が大きく見直されることになっていくのかもしれませんし、

これを契機に、本当に安全で新しいエネルギー開発が本気で着手される流れになっていくことになるのかもしれません。

今はとにかく考えられる技術、方法を全て駆使して、福島の原発の惨状を収束に向かわせて欲しい、そして日本中に点在する、『原発』で同じような事故が起きたりすることのないよう、今のうちから考えつく限りの対策をとって欲しいと強く願いつつ、

とにかく少なくとも関東全域に避難指示が出るような事態になるまでは、静観しつつ、普通に暮らしていくしかないのかな、と思っています。

とはいえ、なんにしても、放射能の心配が解決しないかぎりは、日本自体が世界からの「放射能の恐怖」の風評被害の的になり続けてしまうことになるわけで、

そんな状態では、これから日本国民が全力を傾けて協力していかなければならない、東北および関東の被災地域の復興もままならないということになってしまいます。

復興に向けて、フル出力で頑張るためにも、一日も早く、放射能の封じ込めができることを祈ります。

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