以下、日本ではまだ放送されていないSupernaturalシーズン6のネタバレが出てきますので、閲覧ご注意ください。
宿敵 Meg と手を組み、いつまでものらりくらりと約束を果たさないCrowleyを追い詰めることに決めた兄弟。
小悪魔といえば、Katie にしても Genevieve にしても、歴代のRubyは、どーうも悪魔としての演技の色気が欠ける、という批評をネット上でよく見かけたものでしたが、
同じ可愛い小悪魔でも、Megを演じる女優さんは、初代のNicki Aycox も、この新しい Rachel Miner も、なんというか、にじみ出てくるような 『悪さ』 と 『色気』 がありますよねー。
そうそう、Nicki Aycoxといえば、少し前に、この日記の中でも触れた「意図してないんだけど、すっごくゲイっぽくなっちゃった映画」として名前が挙がっていた、
『Jeepers Creepers II』
に、結構印象的な役どころで出ているのを見つけて驚きました。
(この日記のどこかに書きましたっけ?)
ちょっとエルム街のフレディにも似た顔つきのカカシの化け物にさらわれて殺されてしまった犠牲者たちの霊にシンクロしてしまう女子高生を演じた彼女は、共演していた他の高校生役の子たちとは格段に演技のレベルが違って、Nickiが画面に出てくるだけで、ホラーの度合いが一段高まったようにも感じました。彼女の演技力はやっぱり凄いですね。
あるジャンル(例えばホラー)でハマリ役というか、強い印象を残してしまうと、その後同じ系統の作品からばかり声がかかるようになっていくというような流れが出来てしまうという傾向はどうしても否めないものなんでしょうかね。
もちろんまさにそれがハマる!という個性派俳優さんもいるでしょうが、
たまたまホラードラマに配役されてしまったイケメン男子である Jared & Jensen の二人としては、今後の俳優人生を考える上で、そんなイメージが定着しすぎない内に、SPNを卒業したいと思っているのかも…。
ホラー映画といえば、私がしつこく慕い続ける John パパこと、JDM は、サム・ライミの関わるホラー映画への出演が決まったというニュースが、少し前うるさいくらい私のところへは飛び込んできていましたっけ。
次から次へと、本当に休む暇もなく仕事が飛び込んでいるように思えるそんなJDMは、さらに、2012年から放送が開始される1960年代のマイアミを舞台にした連続ドラマ
『Magic City』
への主演も決定したということで、本当に、順風満帆に出世街道を突き進んでるという感じですよね。
2012年の放送はまだちょっと先の話だけど、今から楽しみです。
その一方で、もう今回が最終シーズンになるのでは…と、毎年ハラハラさせられどおしのSupernaturalへの最後のはなむけとして、今年こそ、今シーズンこそ、JDM が一度くらいゲスト出演してくれるんじゃないか…と、それこそ毎年、細く淡い期待を胸に待ち焦がれている私ですが、
この調子だと、もう父ちゃんが兄弟の前に一度でも顔を出してくれるなんていう演出は、まさに夢のまた夢という感じになってしまったようで、寂しいところです。
***
と、油断するとすぐ横道にそれてしまいます。
シーズン6第10話の考察の続きを始めるところなのでした。
魂の抜けてるサムの上手い交渉により、急遽手を組んでCrowleyに立ち向かうことになってしまった兄弟とメグ。
「俺たちの縄ほどいていってくれんのか?」 というディーンの問いかけに、
メグは「Please. Don’t pretend you don’t enjoy it.」なんて、またグッとくる台詞をディーンに投げかけ、兄弟の縄を解かずに帰ってしまいましたが、もちろん体力も倍増中の魂が抜けてるサムが、あっさりと自分の縄を引きちぎって兄ちゃんの縄も解いてあげたのでしょうね。
あっさりと「リボンをつけたCrowleyを渡してやる」なんて、メグに安請け合いしてしまったものの、一体どうやってCrowleyを探すのかと思ったら、
一人夜道へと出てきたサムは
「Castiel、俺たち、金色の箱見つけちゃったんだけど。例の、昔ナチが探してたやつだと思うんだ。開けようとしたヤツは顔が溶けちゃったんだってさ…」
と、インディ・ジョーンズの「失われたアーク」を参考に、またまたモーゼのお宝を見つけちゃったという設定で、Cassに呼びかけて見事おびき出し、天国の内戦で忙しいとむげに断ろうとするCassに、
「手伝ってくれないっていうなら、お前をどこまでも追跡して追い詰めて殺してやるからな」
と、とんでもない脅しをかけます。
(このところFandomでも愛しい兄ちゃんに対して当然のように恋人ヅラしているCassに対して、サム、実はよっぽどムカついていたということなのかも…)
あまりに無謀な脅しにさすがに半笑いになったCastielが、
「Boy、お前が私を殺すって? どうやって?」
と尋ねると、
「まだわからないけど、俺はその方法を見つけるまで探し続けるし、俺は眠らないからな」
と、まっすぐにCassを睨みつけたままきっぱりと言い切る素敵なサム。
そして見事、間男Castielを連れて帰ってきた夫サムに、
「あら、本当に現れたの? サム、あんたにチキン・ディナーを奢ってあげなきゃね。(Cassを呼び出すために)何をやらかしたのよ」
「大したことはないさ、友達同士助け合うのは当たり前だろ」
と、Cassの前での態度とは打って変わった可愛い笑顔のサムをじっと不思議そうに見上げ、ちょっと首をかしげてみせるCastiel。
***
と、こんな調子でやっていくといつになってもおさらいが終わらないので…。
この後の展開を簡単にまとめると、
シーズン5では、超簡単に、ホモ恐怖症のおじさんとキスしてる Crowley を見つけた Castiel だったのですが、さすがに King of Hell となった Crowley は警備も増強したようで、Cass の捜査網にも引っかからなくなっており、
じゃ、手堅いところから攻めていくかってことで、Samuel おじいちゃんの書斎に忍び込んでめぼしい情報を家捜ししているところに、おじいちゃんが現れるということになるわけですよね。
で、ディーンとサムじいちゃんのまず一度目の口喧嘩が勃発します。
なんだけど! この第10話…。
考察しようとして深くエピソードを見返せば、見返すほど、私としては納得のいかないことばかり出てきます。
それというのも、天使と悪魔を活躍させることばっかり考えて脚本を書いてるから、何よりもこのドラマの大切な根っこになっていたはずの『家族』の扱いがずさんになっているのだとしか思えません。
この点に触れないでは、どうにも腹の虫が治まらないので、私の感じた納得のいかない点を項目ごとに書き出してみることにします。
【ディーンとサムじいちゃんの間の確執】
このエピソードの中だけでも、2度大喧嘩して、しまいには絶縁状態にまで!
これって、どういうこと?!
Crowleyの手で生き返らされたサムじいちゃんは、なんらかの理由で、(兄弟よりも先に)Crowleyの下で働いていたわけですけど、その理由はなんと、可愛い娘のMaryを生き返らせて欲しいからだったのです。
だけど…、悪魔と契約してまで二十五年以上も前に死んだ娘を生き返らせようというのは…、
しかも愛する妻だって、自分の体を乗っ取った黄色い目の悪魔の手で殺されてるっていうのにそれは全く無視で?
そう考えると、(じいちゃんの姿の)YEDとMaryの契約の際のキスシーンがどうしても浮かんで来てしまって、あのシーンの時にもきっと視聴者の多くの脳裏に浮かんだはずの Incest 的なニュアンスが不自然に増幅されるようで、
サムおじいちゃんが、おかしな感情で娘に異常執着する変質者のようにさえ見えてきてしまうような気がするのです。
サムじいちゃんとしては、黄色い目の悪魔に体を乗っ取られたあの惨事で Deanna おばあちゃんと共に自分の命も落とした際、Maryはまだティーンエイジャーだったんだっけ?
娘を持つ父親というのは、時に極端なくらいPossessiveで、「絶対嫁になんかやらない!」と言い張ったりしてるお父さんもいるようですけど、
そういった一般的な父親の Possessiveness を
「Supernaturalといえばさ、Wincestっていうくらいに、家族愛が異常な執着にまで突き抜けちゃってるのが売りじゃない、サムじいさんの理由、これでいいよ、これで。まさにSupernaturalらしいじゃん」
的な軽~いノリで、Incestレベルにまで増幅して(私の大好きなスキナーさんが演じる)サムじいちゃんに押し付けたっていう感じで、まず私にとっては納得するわけにはいかない!と憤慨を感じるところ。
で、もちろん、嫁にやることも考えられないくらいの娘を取り戻したいという気持ちだけで精一杯だっていうのに、そんなおじいちゃんの前に突然、三十前後のごっつい成人男子の姿で現れて、
「俺とサムはあんたの孫だぞ!自分の血を分けた孫が可愛くないなんておかしい!」
と、一方的に責められても、そりゃあMaryの方が断然可愛い!って反論したくもなるってものです。
それを真っ向切って非難した上、次にあったら殺してやる、なんて言い出すディーンの理屈がまたおかしいじゃない!そうでしょ?!
悪いことは言わないから、ママを取り戻そうなんていう考えは捨てろ、そもそも生き返ったママに、悪魔と契約して生き返らせたなんて言えるのか?そんなことより、可愛い孫息子の魂を地獄から取り戻すのに手を貸せよ。
???はいっ???
じいちゃんが、娘の Mary を生き返らせたいという気持ちと、
ディーンが、サムの魂を取り戻したいのと、
どう違うわけ?
どうしてサムの方が、じいちゃんにとっても最優先にならなきゃならないの?
サムじいちゃんに対して、ディーンが言ってる理屈自体は、もちろん至極まともで納得できることなんだけど、
それを、天使と悪魔を含むあらゆる存在から反対されつつも「絶対に、サムの魂を取り戻す」って言い張ってるディーンが(あんなに偉そうな態度で、いかにも自分だけが正しいみたいな顔で)言うのはあきらかにおかしくない?
ディーンのことは、もちろんいつも最高に可愛いと思ってはいるんだけど…、
こんな風に、浅~い考えの脚本家がいかにも SPN 事情通ですみたいな顔してサラサラーっとやっつけ仕事で書いた、浅~い理屈を悲劇のヒロインみたいな態度で力説しつつ、素敵なじいちゃんを責めたりするこの子は、嫌い…です。
きっとじいちゃんの扱いが面倒くさくなったんだろうけれども、こんな惨めな立場に追い込んで、二度と登場できなくさせたりするくらいなら、無理にじいちゃんを生き返らせる必要ななかったのに…と思います。
しかもMaryを生き返らせるって口約束していたCrowleyは、Castielに遺骨を燃やされて、拍子抜けするくらいあっけなく死んじゃったし、じいちゃんがこの先どうなっちゃうのかと思うと、とっても心配です。
【サム、何考えてるの?】
実は、上で「失われたアーク」を餌にCassを呼び出したあたりのシーンもそうなんだけど、サムがいったい何を考えて行動しているのかが、私には全く見えてこないのです。
魂が抜けてるんだから、考えてることがわからなくったって当然だって?それもそうかもしれないんだけども…
じいちゃんが解毒薬の作り方を知っているという事前の知識はあったにしても(それも、その薬が100%効くかは、じいちゃんも確信がなかったわけよね?)、可愛い兄ちゃんを目の前でいやらしい中年ヴァンパイアの毒牙にかけさせたりしたほどの、魂抜けサムなのよ?
天使のCastielどころか、悪魔のメグですら、
「一年以上もの間、フラストレーションが溜まりきったルシファとマイケルと一緒に地獄の檻に閉じ込められていたサムの魂をいまさら取り戻そうなんて、絶対止めといたほういいって!」
と言ってるのを耳にしていて、それでもなお「兄ちゃんが、絶対取り戻したいって言ってるから」という理由だけで、
間男天使のCassを「殺す」と脅してまで、協力させ、
俺たちを殺したがってるように見えたからといいつつ、っていうか、私個人的には、兄ちゃんをいやらしい目でじろじろ見てたから、だとしか思えない理由で、メグの手下のいかついスキンヘッドのおじさん悪魔を殺し、
二人のGhoulに襲い掛かられて、今にも食べられそう(というより、映画「ショーシャンクの空に」のシャワーシーンを再現されそうに、というべきか…)になっていた可愛い兄ちゃんをまさにスーパーヒーローのように際どいところで救い出すために現れたサム。
さすがにラストでは、「俺、魂なんかいらない」と、きっともうしばらく前から胸に抱えていた、本当の本当の本心を吐き出していましたけども、
このエピソードでのサムの行動って、兄ちゃんをヴァンパイアに進んで身売りさせた頃のサムとは明らかに違っていませんか?
以前の日記のどこかにもちらっと書きましたが、愛する本物のサムを取り戻したくてたまらない兄ちゃんの「本当のサムなら、こうするわ!」という熱心な人間教育のおかげで、
Soullessサムの中に、小さな魂のカケラのようなものが生まれてしまったような気がしてならない私なのです。
って…、きっと深く考えてない脚本家の穴のあいたプロットを異常に深読みしてるだけなんだから…、むなしいことです。
***
これだけ文句ばっかりブツブツ書き連ねてきてしまいましたが、衝撃のラストシーンを最初に見た時には、完全にディーンに感情移入していた素直な私です。
Sam: Putting this thing back in would smash me to bits.
魂を戻したら、俺は粉々に砕けちまう。
Dean: We don't know that for sure.
そんなことはっきり決まったわけじゃないわ。
Sam: You know what? When angels and demons agree on something -- call me nuts, I pay attention.
いいか?天使と悪魔が何かについて同じ意見になったとしたら、…俺のことを頭がおかしいと思うんならそう呼べばいいさ。でも俺は、ちゃんとその意見に耳を傾ける。
Dean: You say this now? After we practically died trying to…
それを「今」言うの?あんたの魂を取り戻そうとして、実際にあたしたちが死に掛けた今になって…
Sam: -- Exactly. We almost got ourselves killed! I mean, how many times do we risk our asses for this? Enough's enough.
まさにそれさ。俺たちはほとんど死に掛けたんだぞ!つまり、このために俺たちいったい何回命を危うくした?もう十分だ。
Dean: Sam –
サム…
Sam: I don't think I want it back.
俺は魂を取り戻したいとは思わない。
Dean: You don't even know what you're saying.
あなた、自分で何を言ってるかわかってないのよ。
Sam: No, I'm saying something you don't like. You obviously care a lot. But I think maybe I'm better off without it.
いや、俺はお前が気に入らないことを言ってるだけだ。お前が俺を気にかけてくれてるってことは十分わかってる。だけど、俺は魂なしでやっていく方がいいと思う。
Dean: You're wrong. You don't know how wrong you are.
あなた、間違ってる。自分がどんなに間違ってるか分かってないんだわ。
Sam: I'm not sure about that.
それはどうかな。
そういって、ディーンに背を向けて歩き出してしまうサム。
Dean: Sam, don't walk away. Sam! Sam!!
サム、行かないで。サム!サム!!
離れていくサムの背中に向かって叫ぶディーンの姿に、えっ?どうしよう、また別居?と、単細胞にも素直にハラハラしてしまった私なのでした。
***
ポルノを見るCastielだとか、
MegとCastielのキスシーンだとか、
「簡単にサムの魂を取り戻せる」なんて、やっぱり大嘘だったCrowleyだとか、
そんなCrowleyをあっさり灰にしてしまったCastielだとか、
そういったどさくさにまぎれて、ささっと素早く退場した Meg だとか、
天使&悪魔関係で、視聴者にどう解釈させようとしているのか、単なる天使萌えFangirlsへのサービスだったのか、悩むシーンも沢山あるのですが、天使萎え(悪魔は…ちょっと気になる時もあるんだけど)の私としては、その辺りは(いつかどうしても考察が必要になる時まで)、スルーしておくことにしようと思います。
全然楽しい考察ではなくなってしまいましたし、天使&悪魔以外でも色々大事なところをもらしているような気もしますが、とりあえずこれで、第10話の考察は終わりということにします。
第11話のエピソードに対する考察は…、明日、冬休み明けの新しいエピソードを見る前に…、なんとか投稿できればと思っているのですが、どうなることやら。
2 件のコメント:
藤葉さん、おはようございます。orukaです。
先日は早々に丁寧なお返事ありがとうございました。うれしかったです。
お時間があれば・・・とんでもない。ストーカーのごとく毎日陰から覗いております。あっ 怖がらないでくださいね。(笑)
このエビはMeg Crowley Cass Samuelと癖のあるキャラだらけでなかなか面白かったです。
そして私もDeanとじい様の関係、言い分に???がいっぱいでした。
確かに接していた時間は少なかったでしょうが、目の前に家族がいるのに、この対立。
バンパイアエビの時、ちょっとじい様を見直したのに・・・。
相変わらず見事な考察でした。そして・・
「サム、行かないで。サム!サム!!」
すいません、道に倒れこんで手を差し伸べる妻Deanを想像してしまいました(笑)。
お疲れ様でした。
orukaさん
こちらこそ、ご丁寧なメールをありがとうございました。
ここへ遊びに来られる方というのは、こんなほとんど人通りがないようなブログをどうやって見つけて、覗きに来てみることにしたのかにずっと興味があったので、とても参考になりました。
でも、本当にこの第10話、とても1時間ドラマとは思えないくらいの内容の濃さですよね!
当初はめまぐるしい展開と、胸が痛くなるくらいの感情的で激しいやり取りに、ワクワクドキドキと大変楽しく鑑賞しただけだったのですが、
いざ考察を書き出そうと思いながら、じっくりと見返してみると…、色々と「んん??」という感じになって来てしまって。
ディーン。
この子って、かなり「ファザコン」の気がある上に、本当の父ちゃんに対して思う存分甘えられなかったせいもあるのか、
父親的な存在に対して、過剰に期待を寄せて、かつ依存してしまうところがある気がします。
『ボビーが超忙しかった日』のエピソードでも、大忙しのボビーにあれこれ甘えたことを言い続けて、さすがのボビーから「いい加減にせんか!」と怒られてましたよね。
サムおじいちゃんに対しても、「おじいちゃん」と言えば、父ちゃんよりも上の存在なんだから、孫が可愛くて当然!
という理屈だけで、一方的にじいちゃんを責めてる気がして、(スキナー派の私としては…)だんだんディーンにイラッとして来ちゃった、という感じで…。(笑)
でもそれというのも、夫サムを愛するあまり、完全に周りが見えなくなっちゃってるってことなんですよね!
じいちゃんを責めるディーンにイラついていたはずなのに、必死にサムを呼び止めようとするディーンには感情移入させられてしまう、
ホント、ややこしいドラマです。
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