2008年9月1日月曜日

またもやケラーマン

先日『Obsession』を読んだ後、うっかり本屋に出かけたところ、次の

『Compulsion』

のペーパーバックが既に発売になっているのを見つけて、これまたうっかり…購入して帰ってきてしまいました。(ハードカバーでは次の最新作の『Bones』がもう発売になっています)

前回のラストでの意味ありげな犯人とアレックスのシーンが気になっていたこともあって、家に帰ってすぐそのまま読み始め、昨日の日曜日は、本当に朝から晩までふらふらになりながらもずーーーっと読み続けて、昨晩11時すぎごろには読み終えてしまいました。



以下は、また少々のネタバレを含む感想となりますので、ジョナサン・ケラーマンのアレックスシリーズを日本語翻訳版で追いかけている方は、ご注意ください。






***





マイロの長年の恋人リックの名前が沢山出てきた前作『Obsession』では、ついに久々に顔を合わせたアレックスとリックの間の微妙な緊張感になんだか妙にどきどきわくわくしつつ、にやにやしながら読み進めましたが、

今回の『Compulsion』では、(相も変わらずマイロとアレックスはいつもの通りべったり一緒にいるけれども…)物語の傾向は事件中心のいつものペースに戻りました。

でも前回の終わりで撃たれた傷が回復した後、マイロはなんとかリックと時間をつくって、ハワイに一週間のバカンスに出かけてきたということで、ハワイから帰ってきたばかりの今回のお話の冒頭のマイロは、物凄いセンスのアロハシャツ(アレックスは ugliest aloha shirt I’d ever seen だと…)なんかを着て、海を臨む素敵なレストランでアレックスとランチを食べたりしています。

マイロがハワイからアレックスに一枚だけ送ってきたという、サモア系の相撲レスラーが白い砂の上で取っ組み合ってる絵葉書には

「A(アレックス):

Having a great blah blah blar yawn yawn yawn.
(素晴らしい時を過ごして…ベラベラベラ、あくびあくびあくび)
These are the locals. A few more luaus and there goes my modeling contract.
(絵葉書の写真は地元のやつらだ。もう何回かハワイ式の宴会を堪能したら、俺もモデルとしての契約を結ぶことになるな)

Primitively yours,(根源的に君のものなる)
M(マイロ).」

なんてことが書かれていたり、

その後も、事件の捜査中、ウクレレ模様のネクタイをしていたり(そこに敏感に気付くアレックスも…)、リックとのハワイのバカンスをマイロなりに堪能したらしいことが伺えます。


…で、結局、前作のラスト近くのあのシーンは、最後まで懲りない犯人の悪人ぶりを描写しただけの、なんということもないシーンだったようで、犯人の血を浴びたアレックスがその後病院で検査を受けたなんていう説明すらもでてきませんでした…。私のいつもの「深読みしすぎ」という悪いくせが出ただけ、ということで、まあ結果的には何事もなくてよかった、よかったと胸を撫で下ろした感じでもあります。

今回のお話でも、ドットコム系の会社で随分お金を稼いでいるらしい社長から、4種類の楽器の製作を頼まれたロビンが、どうやらその社長から言い寄られていることを匂わせる、気になる描写が事件の合間合間に出てきて、

「アレックスとロビン、やっと仲直りしたところなのに、また不穏な気配が??」

なんて、微かに心配しましたが、それも「あー、そういうことだったの!」というオチでした。





そして、前作で故スパイクの後を継ぐ形で、生後半年という設定で新たに登場した、

フレンチブルドックの可愛い女の子Blancheちゃん、

今回のお話ではもう一歳になっていましたが、犬好きのファンの期待を裏切ることなくまた可愛いエピソードが出てきました。


掛け持ちしている事件のためLAを離れられないマイロの代わりにNYに出張しているアレックスとロビンの電話での会話から、ちょこっとだけこっそり引用してしまうと:



Robin: “I miss you but the big separation anxiety is Blanche. Not a single smile and she keeps sniffing around your office. Then she insists on going down to the pond, has to sit on the bench exactly where you do.
When that doesn’t work, she hops down and stares at the fish until I feed them. If I don’t toss in enough, she lets out that girlry little bark. I keep telling her Daddy’s coming back soon, but the way she looks at me, she ain’t buying it.”
  あなたがそばにいなくて寂しいわ。でもあなたと会えないことで一番大きな不安を感じているのはブランチね。一度も笑わない(*1)し、あなたのオフィスを嗅ぎまわり続けてるの。それから池のところに降りていくってきかなくて、しかも池のベンチのまさにいつもあなたが座っているところに座らなきゃ駄目なのよ。
それでも気分が楽しくならないと、あの子はベンチから飛び降りて、私が餌をあげるまで鯉(*2)をじっと見つめてるの。私が充分に餌を投げないでいると、例の女の子らしい小さな吠え声をあげるのよ。(*3) 私、パパはすぐに戻ってくるわよって言い続けてるんだけど、あの子が私を見る顔つきからして、どうも信じてないみたい。

Alex: “Tell her I’ll bring back a souvenir.”
  ブランチに、パパがお土産を持って帰るよ、って伝えて。

Robin: “She’s no material girl, but sure.…”
  あの子は物につられるような子じゃないけど、そうね、伝えるわ。…


*1: ブランチが見せる笑顔について、マイロなんかは前作で、ガスでも溜まってるのか?というような疑念も示していましたが、アレックスによると、誰に指摘されても「この子は笑うんだ」と強固に主張してます。かくいう私も犬は笑うと信じている人間の一人。

*2: ロビンはFishと言ってますが、アレックスは庭の池で鯉(2フィートというからかなりの大物)を飼っています。
今回のお話では、その鯉の卵が孵って、(1ダースだったか…、半ダースだったか…、今は探すのが面倒なので…詳細な数は省きます)稚鯉が生まれたというニュースも出てきました。
今回の物語の中で、聞き込みの相手の口から、JapanNigataの庭園をモチーフに…、とかいうような言葉が出てきた時には、アレックスはすかさず、鯉の産地だ、なんて反応していました。(アレックス、っていうか、ケラーマン…よく調べています)

*3: ブランチはアレックスと一緒に庭の池で鯉に餌をあげるのが大好きで、いつもアレックスを引き連れてまっしぐらに池に走っていくと(自分が食べるわけでもない)鯉の餌のペレットが入れてある缶を鼻でつついて、アレックスに鯉に餌をあげるように頼む、という可愛い事実は前作の『Obsession』にも出てきました。


元の飼い主のおばあさんが亡くなってしまった後、脱水症状でふらふらになりながらも自分の足でアレックスの家に辿り着いて、自らアレックスを新しい飼い主に選任した(ブランチの先輩犬)故スパイクは、
命の恩人であるアレックスよりも、美人のロビンのことを猛烈に愛していて、アレックスには大変そっけない態度をとり続けていたものでした。

アレックスは前作『Obsession』では、

ブランチには、まだスパイクのように二人の飼い主を差別するような傾向はみられない…

というような控えめな観察結果を洩らしてはいましたが、
電話でロビンから愛娘ブランチちゃんのこんな可愛い『パパが大好き!』エピソードを伝えられたら、(今回もアレックスは一見、クールを装ってはいたものの)もうきっとめろめろのはず。





次巻、『Bones』がペーパーバックで発売されるのは、いつになるのか…、こんな風にまとめて読んで、勢いがついてしまうと早く続きが読みたくなってしまいます。

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