2011年10月24日月曜日

Supernatural シーズン7第5話ちょっとだけ感想





























以下、まだ日本では放送されていない Supernatural シーズン7のネタバレが出てくる可能性がありますので、閲覧ご注意ください。





















今回の第5話、ストーリーの中心となった魔法使いの夫婦を演じている二人は、Buffy the Vampire Slayer(邦題:バフィー~恋する十字架~)マニアなファンにとっては垂涎の配役となっていたようですが、



(Supernatural以上にマニアなファンの多いBuffy。
SPNの初期の頃のエピソードでも、Ghost Facersのオタクな二人の初登場のシーンで、あの二人は、「こんな時、Buffyならどうする?」を合言葉に勇気をかきたてていましたよね。)



私が一言で、この第5話をまとめるなら、ずばり



『Winchester夫妻、ひとの振りみて、我が振り直せ』の巻



ってことになるでしょうかね。





小さな浮気をきっかけにして、お互いの心の底の思いを伝える言葉が足りなかったばっかりに、離婚どころか、殺し合いにまで発展しかけた魔法使いの夫婦を見て、



(ほとんど同じ境遇だともいえる…)Winchester 夫妻もかなり胸に響くものがあったようではありますが、



Deanったら、可愛い顔して、結婚暦800年の先輩ご夫婦の仲直りの様子を目の前にしてさえ、愛する夫に対してまだ心が開けないという、とんでもない頑固さを見せてくれます。



とはいえ、Deanが夫のSammyさんに対してここまで頑なに秘密を貫こうとしているのだって、



「秘密を知られたら、愛するSamに嫌われちゃう…」



という可愛い恐怖心に基づいているわけですから、Sammyさん、きっともう一押しで兄ちゃんは心を開いてくれるはずよ。



うん、もちろん、Deanが心を開いて、隠し続けてきた秘密を打ち明けちゃったりしちゃうとそれがまた、二人の関係にひびを入れる火種になっちゃう可能性はありありなんですけど…、



なにはともあれ、仲良し夫婦になれる日まで、Sammyさん、頑張って!



っていうか…、私の日記の中ではこれまで、当たり前のように、Winchester夫妻、なんて書いてきてましたが…、


今回みたいなエピソードが、書かれるってことは、


Supernaturalの脚本チーム、やっぱり私と同じように、この兄弟を基本的に「夫婦」として捉えてるってことですよね?







***







エピソード冒頭、毎度おなじみの可愛い寝顔で、眠っているDeanさんなのですが、



いまだに、水に溶けてしまった愛人の天使さんの姿や、Luciferの幻覚と戦っている可愛い弟の姿、なんていう心の底から愛する二人の男たちが目の前で無残に壊れてしまった時のことがトラウマとして心に焼き付いてしまっているのに加え、



近頃、やっと自分を取り戻し始めてくれて、素敵で頼れる夫に戻りつつあるように思えるSamとの約束を、思いっきり破って「キツネ」を殺してしまった時の記憶に悩まされて、うなされちゃったりしているようです。



悪夢に消耗して目を覚ますと(きっと優しく抱きしめて慰めて欲しいのに…)夫の姿はなく、しかたがないので、近くで起きた「奇妙な事件」について調べたりしていると、



セクシーで逞しい夫のSamさんが、汗だくでジョギングから戻ってきます。



このシーンって、単純にうなされて寝付きの悪かった兄ちゃんがお寝坊しただけの話なのかもしれないんだけど、Samさん、このところなーんかどうも、あんまり眠ってないし、あんまり食べないし、むやみに身体を鍛えてるし、っていう感じがしません?



Samと同化した「魂の抜けたSam」の影響がでてるってことはないんでしょうか。



うーん、考えすぎなんだとは思うんだけど、先週くらいから、(まるで私の切なる願いが届いたみたいに…)めきめきと大人っぽくなってきたSamをみるたびに、魂が抜けていた頃の強烈セクシーサムさんの姿がオーバーラップしてきてしまって、こうした演出に何か意味があるのか、と、気になります…。



さて、私と同様、汗だくな逞しいSamさんに瞬時にときめいてしまったらしいDeanは、照れ隠しに(←絶対そうだと思う!)憎まれ口を叩き始めます。





「(朝っぱらから走り回ってるなんて)誰かに追い掛け回されたんだって言ってちょうだいよね」






「(ジョギングは)身体にいいんだぞ」






「身体によくなんかないわよ。見てみなさい。あなた、汗まみれで臭いじゃない。あんたが、ランス・アームストロングを目指している間に…」






「それは、自転車に乗る人だろ」






「あたしは、仕事してたって言ってんの」







とにかく、先々週のきつねのAmyとの再会をきっかけに、ずーっと燻っていたなにかが吹っ切れて、大人になりはじめたSam。



兄ちゃんに憎まれ口を叩かれても、軽く流しているこういう姿を見ると、どきどきが止まらなくなります。



一方、心に悩み事がある時には、(父ちゃん直伝の手っ取り早い解決策として)お酒に溺れてしまう傾向のあるDean。

これは、シーズンの初期の頃から私たちも繰り返し目にしてきた現象です。



⇒ ということは、つまり、Samには、兄ちゃんが心に何か悩みを抱えていることが一目瞭然ということ。





Sam: What's going on with you?


    お前、どうしたんだ?






Dean: We have had this conversation, Sam.


    サム、私たち、この話は済んだでしょ。






Sam: No, we haven't. See, to do that, you'd have to, uh, sort of...speak.


    いや、話は済んでない。いいか、話を済ませるには、まず、なにかしら…話す必要があるだろ。






Dean: Okay, let's see if you can get this straight. See [clears throat] you're --you're new Sam, right, Lance Armstrong.


    いいわ、あなたの気の済むようにしましょ。いい?(咳払い)あなたは、…あなたは新しいサムになったのよね、でしょ、ランス・アームストロングさん。






Sam: Biking.


    それは自転車に乗る人だって。


(正確には、癌と闘いつつ、トライアスロンで長年次々とすごい記録を打ち立てた人らしいです)






Dean: And, uh -- and I'm still me, okay? All right, so -- so, you might see things different now -- call it a runner's high or some crap -- but that doesn't mean that something's going on with me, okay?


    で、あー…、で、私は、いまだに私のままなの、わかる? っていうことで、だから…、だから、あなたとしては、今、色々ものの見方が変わったのかもしれないけど…、そういうのをランナーズハイとかなんとかくだらない言い方するんでしょう、…でも、だからって、私がどうにかなってるってことにはならないの、わかる?






Sam: Yeah, okay.


    ああ、わかったよ。


(あきらかに、サムは、ここで押してもまだディーンの心を開かせるのは無理だと諦めた様子)






Dean: No, don't say, "yeah, okay," like, "yeah, okay."


    「ああ、わかったよ」なんて、「ああ、そういうことね」みたいな言い方で言わないで。


(ディーンもサム言葉のニュアンスを敏感に感じ取っていますよね)






Sam: Yeah, okay.


    ああ、わかったよ。



と言いつつ、シャワーへと消えてしまうサム。





この二人の会話!(笑)



いかにも夫婦らしくて、ディーンが一人心に抱えている重荷はかわいそうだけど、どうしてもニマニマしてしまいます。



今回のエピソード、兄弟の夫婦扱いはこんなものでは終わりません。







***







ディーンが調べた奇妙な連続死亡事件は、強力な魔法使いの夫婦の夫婦喧嘩が原因であることを突き止めた二人。



ボビーおじさんに、魔法使い退治の方法を教えてもらうものの、(魔法使い夫婦喧嘩のとばっちりで?)お肉屋さんの一帯が停電になってしまったため、鳥の脚が傷んでいたのがよくなかったのか、



中世ルネッサンス時代には、既に、倦怠期を迎えて浮気事件が勃発していたり、奥さんの方は、1492年にとある船に乗った男(私の学生時代には、1492年を「いよっ、国がみえたぞ」なんていう語呂合わせで暗記したものですが、⇒ 新大陸を発見したコロンブスの可能性大?)とアバンチュールを経験していたらしいような経験豊富な魔法使い夫婦には、付け焼刃の兄弟のちゃっちい攻撃なんかチクリとも効かず、



急遽、サムの機転で、もう一つの作戦、「夫婦カウンセリング」に挑戦することにします。







Dean: Look -- obviously, you two are capable of wiping each other out, right? But you haven't, huh? Which means that you two -- you still value whatever it is you got. A-and you want keep that dance going. Maybe it's -- maybe it's punishment. Maybe it's -- it's sick, messed-up, erotic, kinky, "clamps and feathers" kind of love.


    ねえ、… あきらかに、あなたたち二人は、お互いを始末できちゃうくらいの力を持ってるわ、そうでしょ? でも、そうしてない、ね? それって、あなたたち二人が、… まだ、なんであれお互いに価値を見出しているってことよ。だから、ダンスを続けたいと思ってる。もしかしたらそれって、罰を与えたいのかもしれない。もしかしたら、それって、ちょっと異常な感じに、こんがらがった、エロチックで、倒錯した、『洗濯ばさみと鳥の羽』的な愛なのかもしれ…。






Sam: Okay, okay, t-that's -- that's going way too deep, there, cowboy. Look, what he's trying to say is that -- is that you two -- whatever it is you have, you're bonded.


    よし、そこまで、それは、…それはちょっと深みに足を入れすぎだ。いいですか、兄ちゃんの言おうとしているのは、…あなたたち二人…なんであれ、お二人の間には、絆があるってことですよ。






Maggie: Are you out of your mind? He cheated on me, humiliated me.


    あんた頭がおかしいんじゃないの? この人は、浮気したの、私に恥をかかせたのよ。






Sam: We're not trying to say what Don did was right. When a relationship cracks, usually both parties have a hand in it.


    俺たちは、なにもドンが正しいって言ってるんじゃないんです。関係にひびが入る時っていうのは、大抵、双方に原因があったりするってことで。






Don: Indeed.


    まさにその通り。






Maggie: You're defending him?


    あなた、この人の肩を持つつもり?





などなど、頭に血が上っている魔法使い二人を相手に、しどろもどろながら、なんとか説得を試みつつ、微妙に失言しては、兄弟交互に痛い目に合わされつつも、



まあ、Donの現アシスタントのJenny(趣味:カップケーキを焼くこと)との浮気は完全な誤解だったりしたこともあきらかになり、MaggieのDonに対する怒りの炎も鎮火の気配が見えてくると、上手いタイミングで、Donも謝罪を口にすることができて、そこからなしくずしにお互いの胸のうちを明らかにすることで、事態は一挙に収束へと向かうことになります。







Sam: See? See? Guys, guys... You're talking. All these years, you -- you buried your anger and your disappointment till it tore you apart. All you needed to do was talk.


    ね? ね? あなたたち、二人、…話してるじゃないですか。これまでずっと、お互い、怒りや、失望を胸の中に埋もれ続けさせていたために、二人の仲を引き裂きそうにまでなったっていうのに。二人に必要なのは、腹を割って話すことだったんですよ。





(サムさん、魔法使い夫婦の仲直りの様子を見て、「兄ちゃんとの仲直りにこれは使える!」と実感したらしく、妙に嬉しそうです)



なんとか上手く魔法使い夫婦の喧嘩を治め、800年ものの愛をあらためて確かめ合っている魔法使い夫婦をそっと残して、



Winchester 夫妻の方も二人の愛の巣…じゃなかった、モーテルに帰ってくると、手強かった魔法使い相手の仕事をやっと終えて、やれやれと息をつく間もなく、



チーズをかけた美味しいおやつを時々つまみつつ兄弟を追いかけてきたLeviathanが、兄弟の前についに現れてしまいます。



ところが、全くLeviathanに歯が立たない兄弟がピンチに陥った瞬間、なんともタイミングのいいことに!



夫婦喧嘩を治めてもらったお礼として、「あたしを殺そうとしたんだから、兄弟を殺すわよ」と言ってるらしい奥様魔女 Maggie の魔法を解除にやってきてくれた Don が現れ、「なんだね、こいつは?」 と言いつつ、あっさり、Leviathanを麻痺状態にしてくれた上、



「呪文の効果は、2,3日しかもたないから、その間に底なしの穴を見つけて放り込みなさい」と、アドバイスまで…。



いや~、よか…、うん、よかったんだけど、そ、そんな簡単に??



う、うんうん、今のSamさんには、Leviathanを相手にする前に、しなきゃならない大事なことがあるんで、ひとまず、今回は Donさんありがとう!





***







それにしても、実にいいキャラクターだった、魔法使いの Don & Maggie Stark 夫婦、またいつかゲストで出てくれたりしたら楽しそうだけど…、あまり頻繁に登場するようになったりすると、存在感がありすぎて、まだまだ夫婦としては新米の Winchester 夫妻の影が薄くなっちゃうのかしら…。







***







とりあえず、鎖でぐるぐる巻きに梱包した麻痺状態の Leviathan を Impala ちゃんの後部座席に押し込み、兄ちゃんが、ボビーおじさんにどこか配達先(底なし穴)を探してもらうお願いをしたのを確認して、



Samさんは、魔法使い夫婦の仲直りをお手本に、自分たちの夫婦関係修復に取り組んでみることにします。







Sam: Hey, were you, um -- were you listening to the Starks tonight?


    なあ、お前さ、あー…、お前、今晩のスターク夫婦の会話聞いてたか?






Dean: Uh, a little, when I wasn't getting slammed into a wall or stung by bees.


    あー、ちょっとはね、壁に叩き付けられたり、ハチに刺されたりしてない時は。






Sam: You notice how they, uh -- you know, how they -- how they opened up, got everything off their chest?


    お前、あの人たちがどんなに、うーん…、つまりさ、あの二人がどんな感じに…、心を開いて、胸の中に抱えてたものを吐き出してたか、見ただろ。






Dean: Yeah. Kudos on selling them that crap.


    ええ。あんなインチキを、あいつらに信じさせたのは賞賛ものよ。






Sam: It wasn't crap, Dean. It worked.


    インチキじゃないさ、ディーン。上手くいったんだ。






Dean: Sam, I am so very, very, very, very...Very, very tired --


    サム、あたし、超、すっごく、すっごく、すっごく、すっごく…、とーっても、とっても疲れてるの…。






Sam: Dean, like it or not, the stuff you don't talk about doesn't just go away. It builds up, like whatever's eating at you right now.


    ディーン、望もうと望むまいと、お前が口にしないでいることは、ただどこかへ消えていったりはしないんだ。そいつは、たった今お前の心を蝕んでる何かみたいに、どんどん積みあがっていってしまう。






Dean: There's always something eating at me. That's who I am. Something happens, I feel responsible, all right? The Lindbergh baby -- that's on me. Unemployment -- my bad.


    あたしの心を蝕むものは、いつだってあるの。それがあたしっていう人間なのよ。なにかが起こると、あたしは、自分のせいだって思っちゃうの、わかる?リンドバーグの赤ちゃんの誘拐(アメリカで歴史的に有名な誘拐事件)だって、…自分のせいだと思っちゃう。失業率悪化…、あたしが悪いのよ。






Sam: That's not what I'm talking about.


   俺が言ってるのはそういうことじゃない。






Dean: Well, then what the hell are you talking about?


    そう、じゃ、あんたは一体なにを言いたいわけ?






Sam: I'm talking about whatever you're not telling me about. Look, Dean, it's fine. You can unload. That's kind of what I'm here for. I mean... We're good, right?


    俺は、なんであれ、お前が俺に言えないでいることについて話をしたいんだ。いいか、ディーン、いいんだ。お前、打ち明けていいんだよ。俺は、言ってみれば、それを受け止めるためにここにいるようなもんなんだから。つまりさ…、俺たち、上手くいってると思っていいんだよな?






Dean: We're good.


    私たち、何も問題ないわ。







そこで会話を断ち切って、車に乗り込んでしまうディーン。



ディーンだって、できることなら打ち明けたいんですよね。全部告白して、楽になりたい。でもそうしたら、やっと上手くいき始めた愛するサムとの関係に、確実に亀裂を入れることになってしまう。



サムを愛しているからこそ、サムだけには打ち明けられない。まさにジレンマですよね。



うーむ、「キツネのAmy」を殺すという、あの時のディーンの決断が、ここまで深い傷を遺して、後を引くことになってしまうとは…。



この後、どうなっちゃうんでしょう。



あまりにあっさりと食い止められた Leviathanの追っ手も、もちろんあのままって訳にはいかないでしょうし、Winchester夫妻の行く手には、まだまだ困難が待ち構えていそうですが、



天使や悪魔のでしゃばりに邪魔されることなく、比較的じっくりと Winchester 夫妻の関係にスポットライトが当てられている、ここしばらくのエピソードの流れは、初期の頃のシーズンの兄弟がちょっと戻ってきたようで、私としては、嬉しい感じです。



でも気は抜かずに、この先を見守っていくことにしよう。




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