2008年7月3日木曜日

読書中毒

最近、忙しい、忙しいとうわ言のように繰り返して、日記書きもおろそかになっています。

が、

辛い現実からの逃避の気持ちがそうさせるのか…(完全に単なるだらけ心の言い訳ですけれども!)、

ここしばらく、読書熱がぶり返して、手に負えないような状況になっています。

読書といえば、最近、ワイドショーなどでは、小林多喜二の『蟹工船』がベストセラーに!などと大々的にとりあげられたりもしていますが、こちらに遊びにこられる方の中でも最近読んだという方がいらっしゃるのでしょうか。

二十年以上も前に読んだ、『蟹工船』という本の内容で私の記憶に唯一残っているのは、逞しいおじさんと、可愛い男の子(少年)とキャラメルにまつわる、あのシーンだけで…私の中では、ある意味そっち系の小説という括りで分類されてきた作品だったのですが…、はははっ、ごほっ、ごほほっ。


え、でも、そういう風に読んでた人間って、私だけ?

多分まだ処分せずにとっておいてあるはずだと思うので、その内、本棚の奥から発掘して読み直してみようかと思ったりもしているところです。




***




厳密には読書、ではありませんが、

久々に新しい漫画を、読みました。

一番下の妹に強要されたということを言い訳に、

DMCこと『デトロイト・メタル・シティ』を。

読み終わってしばらく、「クラウザーさん信者」(なんでジャギなのに、クラウザーさんは、さん付け、なの?)になってしまった私です。(続きが早く読みたい!)

根岸の「さ、皆!歌うよーん(くねっ、くねっ)」には素直にムカツクのに、

クラウザーさんのライブパフォーマンスにどうしようもなく滲み出る強烈なカリスマ性には、どんどんトリコになっていってしまう自分がなんだか怖いです。

その後のつい先日、(また)母と一緒に『ザ・マジックアワー』を観に行った時に流れた、DMCの実写版映画の予告を見て、無性に「見たい!」と思ってしまった私です。







スーザン・ブロックマンのペーパーバックおよび最新のハードカバーがAmazonジャパンで購入できることをつきとめて、未購入の分をまとめて発注することに決めた時、うっかり注文ボタンを一緒に押してしまった

ジェフリー・ディーヴァーは、

『ボーン・コレクター』、『コフィン・ダンサー』と2作品読んだところでしばらく保留していましたが、

少し前に

『エンプティー・チェア』

(キュートな介護士トムの小さな秘密って、私はこの本の中で初めて知ったような気がしますが、前の二冊にもなんらかの説明が出てきていたのでしょうか?
ひょっとして今後の作品で、このトムの設定にフィーチャーしたエピソードが語られたりするのですか?)


に手をつけた勢いで、(短編集の中からライムシリーズの番外編となる)

『クリスマス・プレゼント』

(たった65ページほどの短編なのに、ジェフリー・ディーヴァーお得意のどんでん返しは健在です!)

『石の猿』

(持病に由来する身体の痛みや関節痛を抱えていて、時々漢方薬なんかも飲んだりしている私としては、サックスの関節痛の描写が出るたびに他人事ではない感じがするのです。
今回は、サックスが処方された漢方薬を私も飲んでみたいと思っていたのだけど…)

と、現在、文庫で出ているライムシリーズの作品を一気に読んでしまいました。

ジェフリー・ディーヴァー!

彼の作品はジェットコースターノベルだなんて言われますが、詳細に張り巡らせた伏線が怒涛のように一気に明らかになりつつ、とんでもないどんでん返しもありつつ事態が急展開していく後半は間違いなく息もつかせない緊張感が続いて、

さすがに面白いです!

『石の猿』の文庫が出たのが、2007年の11月と書いてあるから、きっとこの先の作品はまだ文庫になっていないのですよね?
この先を日本語で読むには、ハードカバーに手を出していくしかないのか。
(トムの可愛いエピソードが語られたりするのならば、ハードカバーの購入も辞さない構えではあるけれども…)

でもまだ、短編集の『クリスマス・プレゼント』(ライムの話しか読んでない)と、筆跡鑑定の第一人者パーカー・キンケイドが主人公の『悪魔の涙』という作品が、私の枕元文庫の中にあるので、それを読んでしまってから考えることにしようと思います。

でも今、日記を書くために再びぱらぱらと本を開いてみて愕然としたことが。

こうした海外ミステリー作品などでは、見慣れないカタカナの名前が大量に出てくるため、読者の混乱をさけるためか、本の冒頭などに『主な登場人物』というページがつくってあって、キャラクターの名前と、簡単なプロフィールが書いてあったりするものですが、

日頃私はこのページはほとんど素通りしてしまうので、気付いていませんでしたが、

『石の猿』のソニー・リーのプロフィール、上巻から、あんな風に書いちゃっていいの?!

彼の正体があきらかになるまでには、色々と手の込んだ伏線が張ってあって、読者に

「ひょっとして…?いや、でも、こっちなのかな…」

なんてどきどきしながらあれこれ考えさせる仕掛けがこらしてあったように思ったのに…、本文に入る前のページで、あれを読んでしまっていたら…、ソニーの印象が大分変わってしまうような気が…。







ハーレクインにどんどん近づきつつある私。

ハーレクインでも書いているけれども、あくまで私はSEAL(海軍特殊部隊)の活躍を描くトラブルシューターシリーズが好きだから、スーザン・ブロックマンを読んでいるのであって!ハーレクインにはまっているわけじゃないんです!

と何度も繰り返してきましたが、スーザンのチーム16のシリーズ以外の作品についうっかり手を出してしまいました…。
でもまだ!ハーレクイン文庫じゃなくて、ヴィレッジブックスだけど!

『夜明けが来るまで見られてる』(原題:Heart Throb)

いやー、面白かった…。

この人のキャラ設定と筆運びというのは、本当に私のツボにしっくりとはまってしまうということを実感しました。
スーザンの書くいい男の平均身長が6フィート4インチというところも、妙に喰いついてしまう要因かもしれません。

ジェリコ!またいい男です。

また、思わずくぅーっ!スーザン、上手い!!と声をあげてしまうくらいの名作です。


そんなスーザンのお陰で、いいロマンス小説がもっと読みたい…という勢いがついて…、

(私の中では勝手に)ハーレクインの大御所というイメージも強い、

サンドラ・ブラウンの本を一冊、古本屋に少しだけ(清算の時の明細をみたら、それでも80冊とかになってた)本を売りに行った際、買ってしまいました。

『27通のラブレター』
(これもハーレクイン文庫ではない、MIRA文庫というところから出ている本です!)

自分宛ではない、27通のラブレターを読むことで生きる希望を掴んだ主人公のこれがまたいい男!のトレヴァーは、顔も知らない手紙の送り主であるカイラを愛し始めてしまいます。
独りで子育てするカイラに近づいて、優しさと深い思いやりでカイラを振り向かせようと奮闘するトレヴァーですが、彼にはカイラに告げなければならない大きな秘密が…。


上のようなちょっと惹かれるあらすじにつられて、購入を決め、あっさりと読んでしまいましたが、

うーん、サンドラ・ブラウン、なるほど面白い。

でも…。

こうしたロマンス小説には特有の、主人公は必ず美男美女であるという大前提はスーザン・ブロックマンも、サンドラ・ブラウンも一緒なのだけれども、どういうわけだか、サンドラ・ブラウンのヒロインにはいま一つ感情移入できませんでした。

サンドラのヒロインのカイラは、隣のお嬢さん的な(いつ自分がそんな境遇になってもおかしくないという)身近なキャラクター設定ではあるものの、私が苦手なドラマクイーンのニオイ(私だけが世界の不幸を独りで背負っているのだわ!というような…)がプンプンするせいなのかもしれません。

一方のスーザンの描くヒロインというのは、美人で仕事ができて、一見非の打ち所がないように見えて、実際彼女の抱える弱さや悩みというものは、なんでもない平凡な私たちが素直に共感できるような描かれ方をしていて、ぐっと胸を鷲掴みにされるのです。

ということで、同じようにとんでもないいい男と恋に落ちることになっても、スーザンのヒロインに対しては素直に「なんとか上手くいって欲しい!」と応援する気持ちになれるのに、

(まだたった一冊しか読まずに完全なる極論ですが)サンドラのヒロインに対しては、「あんなにいい男が手放しで愛してるって言ってくれてるんだから、つべこべもったいぶらずに、さっさと受け入れなさいよ!(でも、実際そんな流れで書いたら、30ページももたずに終わっちゃうことになっちゃいますが…)と、ちょっとした悪態をつきたくなってしまうという、

なんなんでしょう、この感じ。

きっと、サンドラの小説を読んで、「これこれ!このじれったさがいいのよ!」としっくり感じる人も沢山いるはず(というか、そういう人が大半?)で、

これも作家と読者の間の相性というものなのかもしれない、と思いました。







もうこれだけたっぷり読んだらもういいよね?もう、いい加減に読書は封印しよう…と思いつつ、うっかり買ってしまったのが、

『深海のYrr(イール)』
フランク・シェッツィング著

私、実はDisaster(自然災害)モノの映画や小説が大好きなのです。
隕石だとか、竜巻だとか、火山の噴火だとか…なんでもござれで…。

人間が引き起こした環境破壊に起因する大災害が人類を襲う!

なんて書かれると、反射的に「これは読まなければ!」と思ってしまうのです。

恐竜は生きていた!(ジュラシック・パークを初めて読んだ時には興奮で身体が震えたものです。その後に見た映画も思いのほか面白かったし)なんていう、生物の不思議モノ、

謎の病原体が人類を襲う!とかいうテーマにも弱いです。

そんな私は、ハヤカワ文庫のコーナーで最新刊として平積みにされていた本の、上・中・下巻の三冊の帯にまたがった

ドイツで『ダヴィンチ・コード』からベストセラー第1位の座を奪った脅威の小説、ついに日本上陸

なんていう、とんでもない煽り文句を目にして、久々に衝動買い(本はほとんどいつも衝動買いか…)してしまいました。

地球が『メタンハイドレート』というとんでもない爆弾を抱えていて、もしなんらかのきっかけで、海底深くに眠っているメタンハイドレートが連鎖的に崩壊して、二酸化炭素の数倍の威力をもつ温室効果ガスであるメタンが大気中に大量に放出されるようなことになったら、人間が現在ちまちまと努力しようとしつつも全く実りのない

「CO2削減!」運動

なんかでは、もうどうにも対処のしようがないような恐ろしい事態に陥る…。

という現実の理論は、すでに数年前にNHKの特番だったか…ナショジオだったか…で見たことがありましたが、

この『深海のYrr(イール)』という小説は、まさにそのメタンハイドレートの崩壊というテーマに、海の中の生物たちの奇妙で恐ろしい行動を絡めて、世界中の海を舞台にストーリーが進んでいくというもの凄い大スペクタクルなのです。

まさに、私の大好物!ばかりを中心テーマに据えた小説なのですが、

いざ読み始めてみると、

「原語がドイツ語だからなの?登場人物が予想外の反応というか、行動をする気がする…」

「んん??? この部分の翻訳って、この表現であってるの?」

「な、名前が、ちっとも覚えられない!」


と、小さな戸惑いが連続で湧いてきます。

日頃読んでいる翻訳小説というのは、ほとんど英語を翻訳したもので、そのお話の中で描かれる文化というものは、映画やドラマなどでなじみの深いアメリカの生活を元にしているものだったのだという事実を強烈に実感したような気がします。

現在、中巻の三分の一くらいまで読んだところですが、面白いけれども不思議な感じに手強いこの作品、やっぱり読み終わるまでは、読書を封印できません。







あー、ケラーマンのペーパーバックも二冊…、枕元文庫に…。

本棚の奥から発掘した、Jane Austenの『Emma』も、積んだままだった…。

2008年度のBigBang企画のおかげで、Sのつく読み物も毎日結構読んでる…。

忙しいと言いつつ、こんなことばっかりの私です。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

藤葉さん、こんばんは。キョウです。
長い間ご無沙汰しておりました。
実はずっとロムらせていただいていたのですが、ジェフリー・ディーヴァーの文字に強烈に釣られてしまい、いてもたってもいられなくなりまして…。
勇気を出して、書き込みさせていただきますね。

さすが藤葉さん、すごい読書量でらっしゃいますね!
私もですが、忙しいを合い言葉のように自分に言い訳をして、めっきり読書から遠ざかってしまいました…。
せっかくのディーヴァーの新刊『ウォッチメイカー』も、まだ読めていません(泣)。『クリスマスプレゼント』も…。藤葉さんは、文庫版で『石の猿』読まれたのですね。ハードカバー版には、ソニーのプロフは「中国公安局刑事」としかありませんでしたが、そうなんですか…。キーキャラクターの説明文はちょっと、考えて欲しいですよね。

ちなみにトム君大活躍(?)のエピソードを耳打ちして差し上げたかったのですが、最近読み返してなくてうろ覚えでして…すみません。でもさしあたり『魔術師』は、ツイストもさることながらトム君とライムのコミカルなやりとりがけっこう多くて、個人的にはシリーズ中最もお薦め作品であります。これは爆笑問題の田中さんも一押ししております。ご参考までに…。

下のコンベンションのJaredの記事も、ありがとうございますv thongだなんて…!(そこに反応)上半身があれですから、確かに細腰に見えますよね、Jared。思わずいけない想像をしてしまいました…。
すみません、お久しぶりなのにこんな書き込みで…

というわけで、これからもちょくちょく覗かせていただきます。どうかマイペースで、お元気に更新していって下さいね!

藤よう さんのコメント...

キョウさん

ご無沙汰しています。
ジェフリー・ディーヴァーといえばキョウさんは全作ハードカバーで揃えているって言ってましたよね。

ソニーのプロフィール、文庫も同じく「中国公安局刑事」としか出ていないのですが、
蛇頭の船の中とか、
アメリカに上陸して、ライムのところに辿り着くまで、とか、
「ひょっとして、ソニーってゴーストの手下なの?ゴーストが探している幇手(バンショウ)がソニーなの?」
と思わせるような描写が延々続いた気がするので、
冒頭のプロフィールで「刑事」って…、と思ってしまったのです。

トム君大活躍(?)のエピソード、この後もでてきますか?(エンプティーチェアでも銃撃戦に巻き込まれたりしつつも身体を張ってライムを守ったり、なかなか活躍してましたよね!)

『魔術師』、爆笑の田中さんが?
気になります。ハードカバーを買うべきだろうか…、でももう少し待ったら、文庫の続きも出そうなので、なんとかもう少し辛抱して…。

thong、私ももちろんJaredのぴっちぴちのパン一姿を想像してしまいました…、たははっ。離れてはいても、相変わらず、心の底はつながっていますね!キョウさん!

近頃日記の更新も非常に滞っていますが、気が向いたら気楽に遊びに来てくださいね。