なんとか第9話の考察を仕上げてしまいたいと思います。
と、その前に、『Psych』 ツインピークスバージョン、凄かった!
Supernatural シーズン6 第9話では、かなりX-Filesを彷彿とさせる演出がされていると、前半の考察で書きましたけれども、
『Psych』 のツインピークスはそんな、彷彿とさせる、なんていうレベルじゃありませんでした。
事件の捜査を担当するのは、もちろん Shawn&Gus のコンビなので、FBI捜査官役のカイル・マクラクランこそ登場しませんでしたが、
実際に『Twin Peeks』に出演していた役者さんたちが山ほど出てきて、あの当時のままの、ちょっとCreepyな演技をたっぷり披露してくれました。
効果音楽というのか、ドラマ中に流れるピアノ曲なんかも当時のままのような…
もちろん、コーヒーも、ドーナツも、パイも登場しました。(笑)
Shawn&Gus はただ黙々と食べてたけれども、ちょっとでも、あの、カイル・マクラクランの恍惚とした表情で、コーヒーやパイを堪能するシーンを表現して欲しかったです。
夕べ、なかばうとうとしながらの鑑賞だったため、とにかく、あと最低三回は繰り返して観ないことには、消化しきれない感じです。
『Psych』はSPNと違って、CGとかSFXとかにお金がかからないから、こんな贅沢ができたということなのか、
それとも、Supernaturalだって、遠慮せずもっともっと思いっきりX-Filesしちゃってもよかったということなのか、
せめて、Samuelおじいちゃん(スキナー副長官)と、Rufusおじさん(ミスターX)に、ダークスーツとロングコートを着せて登場させちゃったりとか…。
妄想はそこそこにして、シーズン6の考察に戻ります。
以下、日本ではまだ放送されていないSupernaturalシーズン6のネタバレが出てきますので、閲覧ご注意ください。
目の前の大好きな夫の中身は、見知らぬ他人だとわかっているものの、大好きな夫の姿のまま、他の女とセックスしたり、他の女に色目を使ったりする様子を見るのは耐えられない!
という、妻ディーンの女心は、私たちFangirlsの心にも、実によく胸に響きますが、
誘拐からなんとか逃げ出してきたディーンには、おかしな出来事が次々と降りかかってきて、ヤキモチを焼いている暇もなくなってしまいます。
まずは朝のコーヒーを飲んでいたダイナーの窓の外から、
「すっごくいやな目つきであたしのことをじっと見てる、赤い帽子のおじさんがいる!」
って教えてあげてるのに、魂が抜かれたせいで、すっかり鈍感になってしまった夫のサムは、「え?どこ?」なんて、寝ぼけたこと言ってるし、
モーテルの部屋で、一人で、UFO関係のウェブサイトを色々調べている時には、急に電気がチカチカして消えたと思ったら、窓の外に目映い光が現れ、
(本当にどうでもいい、細かいことなんですけど、この時パソコンの画面はついたままなんですよね、ラップトップパソコンは電池式で、電源に繋いで使ってないって事実はあるにしても、UFOなんかに由来する超常現象の結果として、電気が消える時って、別にブレーカーが落ちたとかいう、電源に問題がある消え方ではなく、ただとにかくあらゆる電化製品が死んだように動きを止めてしまう、というイメージなので、ちょっとだけ違和感を感じました。
もちろん今回の停電を引き起こしているのは、UFOではないわけで、「UFOはこうして人間を誘拐するらしい」と、大雑把に下調べした妖精たちの単純な落ち度ということなのかもしれません)
「もう嫌よ、あんなこと…」
と思わず呟いたディーンの目の前で、モーテルの部屋のドアがバタンと開き、
X-Filesファンの私と、おそらくはディーンも、当然、この戸口に、手足の細長い宇宙人の影が現れる!と思った瞬間、
小さな丸い光が現れます。
そんな小さな光と必死に格闘し、レンジでチンしてなんとかやっつけたディーンが語るところによると、
小さな光の正体は、ちっちゃくて、光ってて、まあセクシーでもある、その上、乳首も見えちゃったりもした、裸の女性で、
Dean: And she hit me….
で、あたしをぶったの…。
ということで。そのまま、しょんぼりとうつむいてしまったディーンに、現在、魂が抜けている状態のため、とかく、正しいリアクションを選択するのに迷いがちなサムさんは:
Sam: I’m not supposed to laugh, right?
俺、ここで笑っちゃ駄目なんだよな?
しかし、魂がないだけに、余計な先入観にも惑わされないため効率よく脳内のデータベースを検索できるらしいサムの脳裏に何かが閃きます。
その小さい女性って、羽が生えてなかったか?
つまり、こうした未知の存在との遭遇だとか、光る物体に誘拐された!なんていう事件についての報告というのは何百年も前からあるわけで、最近ではそういう存在のことを「宇宙人」とかなんとか呼んだりするわけだけれども、昔の人がそういう存在につけた名前は、
『妖精』だった、というのです。
ということで、冒頭の新聞記者を装っての街角インタビューの際、唯一、
「あれは、UFOなんかじゃないわ。妖精よ!」
と、自信を持って証言していたおばさんのところに、手がかりを求めて話を聞きにいってみることにした兄弟。
(あの冒頭のシーンでも、夢見る妖精信者のおばさんを許せないSoullessサムが、おばさんにずけずけキツイことを言い始めた時、「この人ったら、(お腹がすいて)血糖値でも下がったのかしら、ごめんなさいね!」と、笑顔で詫びつつ、サムを引っ張るディーンの姿が、いかにも良妻らしくてよかったですよね)
そして、おばさんが、色々と語ってくれた内容をまとめると:
ノームだとか、ゴブリンだとか、色々な名前がついてるし、色々な姿や大きさのものがいるけれども、大きく分類するとそれは全部「妖精」で、人間界のお隣の世界「妖精の国」の住人なのだということ。
妖精の国というのは、別次元の世界のようなもので、一度そこへ行って、帰ってきた人だけが、この人間の世界でも妖精の姿を見ることが出来るようになる。
妖精たちがなぜ人間を誘拐するのか、というと、その辺りは、諸説はあるけれども、はっきりわかっている事実は少なくて、
よく知られているのは、妖精は、ちょうどルンペルシュティルツキンという、グリム童話に出てくる小人がそうしたように、最初に生まれた男の子だけを連れて行く、ということ。
そして、おばさんが個人的に立てている仮説としては、妖精たちは、そういう男の子たちをオベロンという妖精の王様に Service させるために連れて行くのではないか、とのこと。
Sam: Dean,… did you….service Oberon, king of the fairies?
Service:ま、普通の辞書では、「サービスを提供する」なんていう、ぱっとしない意味がでてきますが、ちょっとスラング的な意味を引くと、それはもうはっきりと「セックスする」という意味しかでてきません。
さすがの魂無しサムが、途切れ途切れにためらいつつ質問した様子を見ると、サムの頭の中には一瞬にして、オベロン王に奉仕する美少年&美青年ハーレムの一員として、王に Service するディーンの姿が浮かんでしまったように思えます。
神妙な顔で見つめるサムの(視聴者のFangirlsも大変気になる)質問には答えず、ディーンが聞き出した、妖精の弱点とは以下のとおり:
妖精は生クリームが大好き
(後に時計職人のおじさんが証言したところによると、妖精にとっての生クリームは、テキーラみたいなもの、という事実も判明)
全ての妖精は、「鉄」を嫌いだし、Dark Fairyは、銀に触るとヤケドする
それから、妖精の前に砂糖や塩をこぼすと、どんなに強力な妖精でも、かがんで一粒一粒数えずにはいられない
以上、大変役に立つ妖精情報を沢山仕入れ、ちっちゃなカップでお茶もご馳走になったところで、おいとました兄弟。
つまり、事件の真相はこういうことだったのです:
一番最初に息子をAbductされた時計職人のおじさんは、時計職人一筋で、家族を養ってきたけれども、パーキンソン病にかかってしまい、細かい時計の仕事ができなくなった時、
おじさんが子供の頃、おばあさんが、妖精は本当にいると話してくれていたこと、そして、妖精の呼び出し方や、妖精に願いを叶えてもらう方法なんかが書かれた本を遺してくれたことを思い出した。
半信半疑ながらも、2ヶ月前、本に書かれた手順と呪文で呼び出してみると、Leprechaunを自称する一人の男が現れたので、その男に、手を直して欲しいと頼んだのだけれども、
その男は、時計を作る職工となる妖精たちを沢山連れてきて、お前をこれまでになかったくらいの成功に導いてやる、その見返りは、妖精たちが休める場所と、
"To take of the fruit and fat of the land."
(地上に実った産物と家畜をもらう、っていうような意味にも解釈できますかね?)
だけでいい、というので、「fruit and fat」がまさか、「最初に生まれた男の子」のことだとは夢にも思わず、おじさんは、つい「Yes」と答えてしまったのだということ。
しかも妖精たちは、おじさんのところの子だけではなく、他の家の「最初に生まれた子」までもさらい始め、全然止めるつもりもない、というのです。
一方その頃のディーンはといえば、イケメンヴァンパイア軍団にもスカウトされたほどの美貌の持ち主であるディーンを、どうしてもオベロン王のハーレムに連れていきたいらしい、赤い帽子の怪しいおじさんからストーキングされ、襲い掛かられ、大変な目に遭っていました。
うーん、長くなりそうなので、少し端折って。
UFOの権威を装って(美系の少年や青年を物色するために?)人間界に紛れ込んでいたLeprechaunのおじさんとの戦いに手こずりながらも、しまいには、サムが、「あ、そうだ!」と、Rock Saltのショットガンの弾の蓋を開けて、塩を床にばらまき、Leprechaunのおじさんが、しぶしぶ塩の粒を数え始めたところで、すかさず
「妖精さん、帰ってください!!」の呪文を唱え、
人間界にじわじわ進出して来ていた妖精たちは、一気に「妖精の国」へと帰っていったのでした。
赤い帽子の不気味な妖精のおじさんに襲われたどさくさで、うっかり極端に小柄な地方検事の男性にタックルしてしまい逮捕されてしまったディーンも、地方検事が告訴を取り下げてくれたおかげで、無事釈放され、これで一件落着、かと思ったのですが…。
ちょっとさかのぼって、
Leprechaunのおじさんとサムの間では、ちょっと気になる会話が交わされていましたよね?:
Leprechaun: You're not like the rest of them, are you?
お前さん、他の人間たちとはちょっと違うね?
Sam: Nope.
ああ、違う。
Leprechaun: No. I could see that right off. You're missing a certain piece, right in the center, ain't ya?
違うねぇ、わしにはすぐにわかったよ。お前さんには、あるものが欠けている、胸の真ん中のところのね、そうじゃないか?
Sam: Says who?
誰から聞いた?
Leprechaun: Oh, we fairy folk are all about energy. And the human soul gives off a certain Perfume. Your soul is far away, but not completely out of reach.
ああ、わしら妖精ってのは、エネルギーの塊みたいなもんなんだ。で、人間の魂ってものはね、独特の芳香を放っているのさ。お前さんの魂は、はるか遠くにある、だが、完全に届かないってほどじゃない。
Sam: That so?
へえ、そうかい?
Leprechaun: Sam...I can get it back for you. For a price.
サム、…わしは、お前さんのために、魂を取り戻してやることができるよ。タダとは言わないがね。
Sam: That's adorable. It's locked in a box with the devil.
可愛いこと言ってるけどな。俺の魂は、魔王と一緒に箱に閉じ込められてるんだぜ。
Leprechaun: Your devil, not mine.
お前さんたちの魔王であって、わしらのじゃない。
Sam: There's no freakin' way, a leprechaun can do what angels cannot.
天使にもできないことが、レプリコーンごときにできるもんか。
Leprechaun: Angels. Oh, please. I'm talking about real magic, sonny, from my side of the fence. Got a way of gettin' in back doors.
天使ね。あんなのと一緒にせんでくれ。わしが言ってるのは、本物の魔法だ、坊や、わしらの側の塀からはな、裏口のドアから入る方法があるのさ。
Sam: So you're my blue fairy? You can make me a real boy again?
じゃ、あんたは俺の青い妖精ってことか? 俺をまた本物の男の子にできるのか?
Leprechaun: When you wish upon a star.
お前さんが、星に願いをかけさえすればね。
という、Leprechaunおじさんの誘惑にもまったくなびくことなく、あっさりとおじさんを含む妖精たちを総ざらい、妖精の国へと送り返してしまったサム。
画面の前の私たちは、サムが、絶対にややこしい結果になることが目に見えている妖精との取引に応じなかったことに、ほっとしつつも、なんとはなしの違和感を覚えることになりました。
そんな私たちの違和感をはっきり言葉にして、サムにぶつけたのは、地獄に囚われた愛する夫(弟)の魂をなんとかこの手に取り戻したいと、毎日毎日、喉から手が出そうなほどに願っている、妻(兄)のディーンでした。
Dean: I was wondering something.
あたし、考えてたんだけど。
Sam: Yeah?
なんだ?
Dean: You think lucky charms really could have, you know, returned soul to sender?
願いをかけたら本当に、つまり、願いをかけた人間に魂を戻すことができたのかしら?
Sam: Come on. It's crazy to think. He did talk a good game, though.
なに言ってるんだ。そんなの馬鹿げた考えさ。あいつは、確かに口先では上手いことを言ったけどな。
Dean: You said no. Why?
あなた、断ったのよね。どうして?
Sam: It was a deal. When's a deal ever been a good thing?
あれは、取引だったんだ。今までも取引で、ろくなことになった試しがないだろ?
Dean: I'm just trying to figure out how it works in there.
あたしはただ、妖精のやり方っていうのが、どういうものだったのか知りたいだけよ。
Sam: Dude, I-I do still have all my brain cells. If anything, my brain works better now.
なあ、俺、(魂をなくしたって)脳細胞は丸々残ってるんだ。なんなら、頭の働きは前より良くなってるくらいなんだぞ。
Dean: I'm just making sure that's where your head's at. You know, that you're not having second thoughts about getting your soul back. …You're not, are you?
ただ、あたしは、あなたの気持ちを確認したいだけなの。つまり、魂を取り戻すってことについて、あなたの気が変わったわけじゃないんだって。……変わったりしてないわよね?変わったの?
Sam: No.
変わったりなんかしてないさ。
『No』と答えたこのサムの顔が!
また微妙でしたよねー。
魂が戻って来たとしたって、身体の動きも、頭の動きも鈍る上、苦しい思いばっかりすることになるのがわかっていて、本当に、魂なんかを欲しいと思えるの? サム…。
その答えを知るには、この先のエピソードを追いかけるしかありません。
でも…、兄ちゃんが、戻ってきて欲しいと切ないくらいに思ってるのと同じくらい、地獄にいるサムの魂は、どんなことをしても、愛する兄ちゃんのところに戻りたいと思ってるはずだと思うんだけど…。
はあー、なんとか、次のエピソードの放送までには間に合いました。
***
なんとか、シーズン5のおさらいも…、ちょっとは進めたいものです。
2010年12月3日金曜日
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2 件のコメント:
藤葉さん、こんにちは。
またまたおじゃまします。orukaです。
今回も楽しい考察ありがとうございます。
このエビはまた夫婦の会話がぴったりなストーリーでしたね。
なんせ夫Samの浮気現場を見てしまった妻Deanですもん。
心底脱力した妻Deanの後姿におもっきり爆笑しました。
光に捕まった時のことを一生懸命話す妻Deanの可愛いこと・・
そして妻Deanに言われて人らしくしようとふるまう夫Samとのチグハグさがたまりません。(笑)
相変わらず妻Deanのセリフお見事ですね。
そしてほんとにDeanが可愛かったエビでした。
orukaさん
またまた書き込みありがとうございます。
本当に兄弟が、まんまチグハグな夫婦になってたエピソードでしたよね!
orukaさんもおっしゃるとおり、とにかくDeanが可愛くてたまりませんでした。
(なもので、Deanの台詞には、もうどうやっても女言葉以外での日本語がつけられなくなってしまって…)
こんなに可愛くて楽しいエピソードの後は、きっと…と、薄々覚悟はしていたものの、
先週放送の第10話は見事に重たくて暗いエピソードに逆戻りの上、衝撃の展開のてんこ盛りで、
今のところ、簡単な考察を書き出す気力すら奮い起こせずにいますが、
また盛りだくさんの情報に訳がわからなくなってしまう前にちょっとだけでも整理できればな…、と思っています。
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