2007年11月10日土曜日

SPN S3 EP6 感想文

実は、以前にもどこかでぽそっと告白していたかもしれませんが、当初、Supernaturalシーズン3についての感想文はもう日記で書かないことにしよう、と思っていたのです。
私の英語耳は非常に頼りないし、(X-Filesに関わっていた人も沢山いる)SPNの制作に関わるおじさん達は、台詞に妙にマニアックな細かい設定を盛り込んでくる傾向が強いし、そうそう大勢の人が遊びに来る日記ではないとはいえ、私がかろうじてところどころ理解できたことを書き出した(きっと間違いも多い)穴だらけの感想文を毎週書き続けていくのもなんだかお恥ずかしい感じで…。

そんなことを思っていたら、先日、tako_88さんから、なんと最新エピソードの”subtitles”が公開されているというサイトの存在を教えていただきました。
日頃ほとんど無作為にネット内を探索することのない私は、こんなサイトが存在していることすら夢にも知りませんでした!
これって、あくまで純粋に個人の方が好意で台詞を拾ってタイプしたものを投稿しているのですよね?
ファンの献身というのはすごいものですね。

今朝覗きに行ってみると、現地アメリカで木曜日の晩に放送されたばかりの第6話についても、もうsubtitlesが投稿されていて、さらにびっくりです!

そう考えると私としても、日本のサイトの片隅で感想文を細々と書いていくことで、及ばずながらでも誰かの理解のお手伝いができる可能性があるなら、妄想だらけの感想文でも書き続けていくべきなのかもしれない、と思うに至りました。

ということで、今週もそんな有難いsubtitlesの助けを借りながら、少しだけ感想文を書いて見たいと思います。


以下は、Supernaturalシーズン3第6話「Red Sky at Morning」の感想文です。
日本では未放送のSupernaturalシーズン3のネタバレが含まれますので、閲覧にはくれぐれもご注意ください。さらに、私の翻訳には常に、誤解、曲解、妄想が含まれる可能性があります。
以上を充分にご理解いただいた上で、広い気持ちで私の馬鹿な感想文を読んでみてもいい、と思われる方のみ閲覧いただきますよう、くれぐれもお願いいたします。



***








先週のラストで、

サムが今度こそディーンに秘密を持ったらどうしよう…、

今度こそディーンに内緒で、サムが一人で悪魔(Ruby)と取引を始めたりしたらどうしよう、

それよりなによりCrossroadからディーンのところに帰らなかったりしたら…、

なんて、ちょっぴり心配していたのです。

でも、ママ亡き後、父ちゃんも子育ての点ではそれほど頼りになりそうもなかった赤ちゃん時代には、きっとおしめまで変えてもらい、その後の旅暮らしを通じてずっと世界中のどの兄弟よりも親密な関係で一緒に育ってきたはずの兄ちゃんに、サムがどんな小さなことでも秘密を持ったりなんかできるはずありませんでした。

ということで今回もオープニング明けは、もはや恒例となった感もある疾走するImpalaの中での兄弟喧嘩です。

なんか俺に言うことないか。兄ちゃん、誕生日じゃないよね。違う。

きょとんとした可愛い顔で、なんとかしらを切ろうするサムが、ここで「Happy purim?」なんて言ってます。

クリスマスと同時期に行われるユダヤ教のハヌカというお祭りは、とても有名ですが、この「Purim(プリム)」というのもユダヤ教のお祭りの一つのようです。アダルの月(2月、3月)に行われるということで、なんでそろそろ近づいてきた(クリスマスと同時期の)ハヌカではなく、こんなマニアックなお祭りを口にしたのかと思いますが、これも私の理解が及ばない何かしらの暗喩が含まれているのかもしれません…。


コルトの弾が一発なくなってた、という事実から、先週のオープニングでサムが提案していたとおり、Crossroadの悪魔に対して使ったんだろうと予想をつけたディーン。

一応 「で、契約、破棄できたのか?」 なんて聞いてみますが、

「もしそうだったら、さすがに俺も打ち明けたと思わない?」 とサム。

なにはともあれ自分の命を危険に晒すようなこと、すべきじゃなかったんだ、といい始めたディーンに、サムは、

Sam: “You're my brother,dean, and no matter what you do, I'm gonna try and save you. And I'm sure as hell not gonna apologize for it,all right?”


兄弟の気持ちのすれ違いは相変わらずで、サムの台詞はファーストシーズンから繰り返し聞いてきた言葉となんら変わらないようでもありますが、

「俺が兄ちゃんを助けようと努力することについて、兄ちゃんに謝るつもりなんてこれっぽっちもないからな!」

という言葉には、いよいよ 『世界中で一番大事な兄ちゃんを助ける』 という自分の使命に関してはディーンがなんといおうと、なにをしようともう一歩も引くつもりはないという意思を全面に押し出していくことに決めた、ということが伺えます。





それにしても、とにかく今回最高だったのは、Ms. Gert Case という姪をまさに事件で失った老婦人ですよね!

兄弟が警察を装って聴取に訪れた瞬間から、

彼女のサムの全身を舐めあげるあの目つき!

そして、サムの指を撫で上げるあの手つき!

そして彼女の数々の名台詞!

“You remind me of my late husband. He was shy, too. Till we got belowdeck.”

“You're just firm all over.”

“He wants me.”


べったりとサムに寄り添ってダンスしつつ

「あなた亡くなった夫に似てるわ。あの人もシャイだったの。二人で甲板の下に潜るまではね」、

サムの逞しい身体中を撫で回し

「あなたってどこもかしこも硬いのね」、

サムのお尻をがっしりと掴み、内緒話をするからとサムの頭を引き寄せて耳元に唇を押し付け…。
挙句の果てには、やっと戻ってきたBelaに引き離されながらも

「彼、私を欲しがってる」ですって!

今回のエピソードを見ている間、まさにGertになって、サムをGropeしまくりたい!!!とほとんど身悶えしながら笑っていましたが、海の向こうのFangirlsの反応でも、ほとんど同じものを沢山見かけました。

サムことJaredの手や指は、Jared!girlsにとっては、もうシリーズ開始当初から完全にセックスシンボルとして捕らえられているわけですし、
(あの手の大きさ!今回岩塩の弾をショットガンに装填しているシーンでも、サム、あんたいったいあの大きな岩塩の弾を一度に何個掴めるの?!って驚きました)
シリーズの経過とともに年々がっしりと逞しく成長していくその身体については、目にするだけで

「卵巣が爆発しそう!」(…)

なんていう悲鳴のような感嘆および賛美の声もネット上に溢れていますよね。

今週の Gert の激しいサムへの迫り方を目にして、SPNの制作スタッフ、本当にネット上のファンの声をよく調査しているのだなと、にやにや笑いで頬が痛くなってしまいました。

ディーンとBelaが協力して、事件を引き起こしている「幽霊の右手(Hand of glory)」を007方式で回収している間、シャンパンを一気飲みしたりしながらも、Gertの強烈なセクハラに耐え続けたサム。

ディーンに成果を確認する際に、

Sam: Tell me I didn't get groped all night by Mrs. Havisham for nothing.

と、チャールズ・ディケンズの小説「Great Expectations(大いなる遺産)」に出てくる富豪の未亡人の名前を出したりしているのを見て、この兄弟、やっぱり結構読書もしてる…という認識を新たにしました。

実はつい先日、裏の日記でご紹介したお話の中でサムが、同じくディケンズの「the Pickwick Papers」を読んでいるシーンが出てきたのが記憶に新しく、英語圏の文化ではサムくらいのインテリ青年だと、いかにもディケンズを読んでいそう、という共通認識があるのだろうか…、なんてふと思ってしまいました。夏目漱石とか、森鴎外とかを読んでるみたいな感じなのかな…。

英文学がらみといえば、この後のシーンで、Belaが悪態をついたディーンに向かって言った
「その態度、すっごくオスカー・ワイルドね」
という台詞、どういう意図だったんでしょう。
ディーンは、サムからMrs. Havishamの名前を聞いた時のようにはきょとんとした顔をしていませんが、意味わかってるの?
オスカー・ワイルドといえば、「ドリアン・グレイの肖像」…。
ドリアン・グレイみたいに見た目は超美青年だけど、中身はとっても悪い子ね。っていう感じなのでしょうか…。
オスカー・ワイルドっていうと、どうも反射的に、「腐」の回路の方面にも脳が働いてしまいます。





37年ごとに決まって姿を現す幽霊船と、それを目撃した人間が、とてもあり得ないような状況で溺死するという今回の事件の現場には、Belaが(まさに不二子ちゃんらしく)Alexという偽名を使って入り込み、既にMs. Caseにも取り入っていることが判明しましたが…。

Belaによって、Impalaをレッカーされてしまったディーンが、過呼吸みたいな発作を起こしかけた姿も、可愛いかったですね!

Dean: “Can I shoot her?”(あいつ、撃ち殺してもいいか?)

Sam: “Not in public.”
(人目のあるところじゃ駄目だ)

俺を撃ったくせに!というサムの批判に対し、かすっただけじゃない。可愛いけど、ちょっとドラマクイーンよね。なんて切り返すBelaのことをサムも物陰でなら撃ち殺したいと思っているのですね。


サムとGertのカップルにもとにかく笑わせられましたが、タキシードに身を包み、まさに007のジェームズ・ボンド(まだちょっとかなり可愛い感じだけど…)&ボンドガールといった雰囲気のディーンとBelaのコンビのやり取りもなかなか楽しかったです。

やっとパーティー用の身支度を終え、ぐずりながらもついに二階から降りてきたディーン。

正装した姿が Seventh grader(中一)に見えるというサムの過去のコメントが心の傷になっているのか、かなり自信なさげにしていますが、ディーンの凛々しいタキシード姿(私にはまだ七五三っぽさが感じられますが…)に思わずため息をついて

Bela: “You know, when this is over, we should really have angry sex.”

なんてコメントしたBelaに

Dean: “Don't objectify me.”

と、腕組みをしてツンと言い返しながらもかなり機嫌を直してるディーンの様子もキュートです。

Belaの小芝居で、「幽霊の手」のある二階へと上がった後、また小うるさい指示を出すBelaの口調を意味不明の音声で口真似するディーン。
Belaの英国アクセントは、アメリカ人の耳にもあんな風に聞こえるのですね!(笑)これも可愛いです。

Gertと一緒に、ものすごくGropeしたくなったサムの強烈なセクシーさ(あれだけの胸板だとタキシードもしっくりと似合います。ディーンまで”You stink like sex.”なんてコメントしてましたよね)と対照的に、ディーンは(私には)とにかく可愛さが印象的でした。

盗み出した「幽霊の手」をBelaには渡さず、しっかりと胸ポケットにしまったディーンでしたが、もちろんImpalaに乗り込んでサムに見せようとすると、少し前にBelaが手にしていた小さな船の模型の入った小瓶にすりかえられてしまっています。

とはいえ、その後、幽霊船を見てしまったと泣きついてきたBelaを(あまり役に立っていた印象はないけれども…)助け、仲たがいしていた幽霊の兄弟も勝手に思いを晴らして消え、一応今回の事件も解決という運びにはなりましたが…。

父親の死に関与していると町で噂されていたWarren兄弟に、十代の頃に起こした自動車事故で、従弟のBrianを死なせてしまったGertの姪のSheila。
何らかの形で、身内の血を流した(死なせた)人間が幽霊船のターゲットになっているという事実があきらかになって、ならば幽霊船を見たBelaは、過去に一体誰を死なせたのか、ということになるわけですが…。

もちろんそんな美味しい伏線は、今回明らかにはされません。
でも、Belaが、大泥棒の金の亡者となった背景には、何か暗い秘密があるみたいですね。

命を助けたお礼に、Belaから(一人?)Ten grand(10,000ドル)のお金をもらった兄弟。

Atlantic cityのカジノで一発当てよう、ということに(ディーンの一存で)なったみたいですが、乗り込んだImpalaの中で、今週の締めとなる熱い兄弟愛が再度爆発します。


なあ、考えたんだけどな。お前がやったこと、お前がCrossroadの悪魔をなんで呼び出したのか、それを俺が理解してるってことを分かっといてもらいたいんだ。立場が逆だったら、俺もおんなじことをやってる。つまり俺だって何にも見えてないわけじゃないってことだ。今度のこと全部、俺がいなくなるとか、そういうこと全部についてお前がどんな思いをすることになるか、俺にも分かってる。でもお前なら大丈夫だ。

兄ちゃんはそう思うんだな…。

お前は、お前の人生を生きられる、だろ?お前は俺なんかより強いんだから。そうさ、お前なら乗り越えられる。ただ俺がお前に申し訳ないと思ってるってことを、お前にこんなことを押し付けることになっちまったことをすまないと思ってるってことを分かっといてもらいたいんだ。

ディーン、いい加減にしろよな。

なんだって?

俺は兄ちゃんに謝ってもらいたくなんかない。and by the way, I’m a big boy now. 自分の面倒くらい自分で見られる。だからもう俺の心配なんかやめてくれないか?それがそもそもの問題の発端なんだ!ディーン、俺は兄ちゃんに心配なんかして欲しくないんだ。

Sam: “I want you to give a crap that you're dying!”
  兄ちゃんが死ぬなんていうことについては、俺だって心配したいんだよ!


ここで使われている「give a crap」という用法ですが、これはそもそもこれもスラングの

「give a damn:気にする、感心を持つ」

をさらにくずした形だと思うのですけど…。


無言のままのディーンに、

Sam: “So, that's it? Nothing else to say for you?
  黙ってるのか?何も言うことはないのかよ?

Dean: “I think maybe I'll play Craps.”
  (カジノに着いたら)俺、Craps(2個のさいころを使うカジノのばくち)をやるかもしれない。



ディーン、まだ折れませんね!


サム、もう一息!頑張って!


この際、兄ちゃんにあんたの思いのたけを力ずくで兄ちゃんの身体におもい知らせてやって!





なまじ、Subtitlesのお陰で詳細がわかるだけに、いつも以上にまとまりのない感想文になってしまった気がします…。


いつも以上に読みにくかったらすみません。

6 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

こんばんは。season3ep6感想文ありがとうございました!藤葉さんの音声解説つきとかで見たら、面白さ倍増しそうです。

藤よう さんのコメント...

samcolt97さん
こちらの日記ではひょっとして初めてのコメント、ですか?遊びに来ていただいてありがとうございます。
私の音声解説なんて、ストーリーとは全く関係のないことばっかりしゃべっていそうです…。*g*

Unknown さんのコメント...

藤葉さんのサイトを知って、こちらでは初めての書き込みでした。改めて宜しくお願いします。
supernaturalを見てると、一緒にあーだこーだ言いながら見る人がいないので、こちらを読むととっても満足できます。
いつも楽しみにしてます

匿名 さんのコメント...

今回も笑いドコロが一杯で面白かったですね。S3サイコー♪
感想文、お疲れ様です。毎回、トリビア的話が本当にありがたいです。
「Great Expectations」はTVドラマで見て知ってて、オスカー・ワイルドも映画か何かの関係で知っているものの結びつかなくて(苦笑)
正装に落ち着かないDeanとBelaが並ぶと、夫婦というよりかはお姉ちゃんと弟に見えてしまいました(ガムを注意されているシーンとか)。そういえば、Belaの年齢設定は幾つなんだろう?
GertのアタックにタジタジのSamでしたが、あれだけの男前振りを発揮していたら仕方がないですよね。
S3は、毎度兄弟の喧嘩で始まり喧嘩で終わりそうな雰囲気ですね。
次の放送が待ち遠しいですね。

藤よう さんのコメント...

Samcolt97さん
私も同じく一人で孤独にエピソードを楽しんでいる身で…。
共感していただいて嬉しいです。
こちらこそよろしく。

藤よう さんのコメント...

kyuさん
大学時代に読んでいたディケンズの小説の詳細は(超長編が多いこともあって…)すっかり忘れていることも多いのですが、ここのところ偶然タイトルをいくつも目にして、クリスマスを前に(ディケンズと言えばなんといっても「クリスマスキャロル」ですもんね)もう一度読み直したい…なんていう気分も湧いてきてしまいます。
でもとても時間がありません!(笑)

BelaにかかるとDeanは完全に弟扱いですね。何歳の設定なのでしょうね。
一応夫婦役を演じたくらいだからDeanとほぼ同世代という感じ?
来週も楽しみですね。
個人的には次の次、第8話がなんだか気になっています。Spoilerは遮断しているものの、わずかに漏れ聞く情報ではとても面白そうで…。