2008年11月4日火曜日

Supernaturalシーズン4第7話感想文…その2…

なんとか気持ちがくじけてしまう前に…、感想文の続きを。




以下の記事にはSupernaturalシーズン4のネタバレが含まれます。

日本での放送もしくはDVDのレンタルor発売まではネタバレを回避することにしているという方は、閲覧ご注意ください。さらに私の独自の解釈に基づく翻訳には、誤解、曲解、妄想が含まれる可能性が大いにあります。その点を充分にご承知置きいただいた上で、妄想に基づく私の馬鹿な感想を読んでもいいという方のみ先に進んでいただけますよう、くれぐれもよろしくお願いいたします。









***







最近、「今週のモンスター」の時には、エピソードの間中「可愛い!」とか、「素敵!」とか叫ばされ、

Mithology」の週になると、とんでもなく複雑で難しい伏線やら設定やらが出てきて…、

いずれにしても体力を消耗させられる上に、毎週のエピソードの放送の合間には、とんでもない J2 の仲良しエピソードが細かく飛び込んできたりして、今年度のシーズンもまんまと Supernatural にしてやられている状態にはまりこんできています。

そして、毎回今週こそあっさりと短めの感想文を書いてしまおうとパソコンを開くものの、気付けば一回では終わらないようなことに。

とりあえず、なによりも自分が楽しいのだし…、体力の続く間は、こんな調子で続けていくしかないということでしょうか。

でも今週金曜日には、ついに「X-Files:I want to believe」が日本で公開になるし!
(ミニフラッシュライトのオマケ目当てで、前売り券購入済みだし!)

今度の日曜日からは、(ずーっと、もはや馬鹿馬鹿しいとも思えるスキャンダル続きで、哀しくなることもあったりしつつも…)大相撲本場所も始まるし!

(私限定の…?)楽しいイベントが目白押しで、早々に体力切れになりそうな予感もしているところではありますが、

なにはともあれSupernaturalシーズン4第7話の感想文の続きです。







Castiel: Tell me something, Dean. When your father gave you an order, Didn't you obey?
  なら聞かせてもらおうか、ディーン。お前の父親から命令を与えられた時、お前はそれに背いたか?



父ちゃんの名前を出されて、さすがに少し顔色を変えたディーンでしたが、すぐに言葉を続けます。


Dean: Sorry, boys, it looks like the plans have changed.
  悪いな、天使さんたち、計画は変更になったみたいだぜ。

Uriel: You think you can stop us?
  お前は、我々を止められると思うのか?

Dean: No. But if you're gonna smite this whole town... Then you're gonna have to smite us with it. Because we are not leaving. You went to the trouble of busting me out of hell. I figure I'm worth something to the man upstairs. You want to waste me? Go ahead. See how he digs that.
  いや、でも、もしあんたらがこの町をぶっ叩くつもりだっていうなら……、なら、あんたらは俺たちごと、ぶっ叩くんだな。なぜなら俺たちはここを離れるつもりはないからさ。あんたらはわざわざ俺のことを地獄から引っ張り出しにやってきたほどなんだ。上の階にいる人にとって、俺ってなんらかの価値があるってことなんじゃないかと、俺は思うけどね。俺を殺したいか?やれよ。で、上にいる人がそれを気に入るかどうか、見てみればいい。


(シーズン4の第1話でしたっけ?ディーンは、これとほぼ同じ理屈を使って、悪魔の働くダイナーから逃げ出してましたよね…)

Uriel: I will drag you out of here myself.
  私自身の手でお前をここから引きずり出してやる。

Dean: Yeah, but you'll have to kill me.
  ああ、でもそれには俺を殺す覚悟が必要だぜ。



天使と兄弟の言い合いは堂々巡りになりつつも、俺たちなら魔女を見つけて、Samhainの呼び出しを止められる、ともう一度はっきり宣言したディーンをじっと見つめ、「やるなら急いだ方がいい」と一応了承の言葉を口にしたCastiel。

魔女探しのため、早速モーテルを出た兄弟は、もちろん『Treat』をディーンによってあえなく拒否されたぽっちゃり宇宙飛行士の残酷な『Trick』の餌食となった、可哀想なImpalaの姿を目にすることになります。

『宇宙飛行士め!』と一言悔し紛れに声を張り上げるディーンをサムが(完全に)笑顔で見守った後、

無残な姿になったImpalaに乗り込んだ兄弟ですが、(Castielから「これ渡しとく」ともらったらしいHex Bagをひねりつつ)サムは妙にしょんぼりした様子。

(このサムのなんだか心細げな頼りない感じ…、久々に弟モードが戻ってきた感じです)

俺、もっと違う感じかと思ってた。何、天使か?うん。あー、俺としてはなんとか(天使って奴ら、大分イメージが違うぞって?)伝えようとしたんだけどな。
まあ、ああいう「神から与えられた仕事をしてるんだ!」って凝り固まってるような輩が一番危ないってことだろ。


Sam: But, I mean, this is god and heaven? This is what I've been praying to?
  でも、つまりさ、これが神様とか天国の真実ってことだろ?俺がずっと祈ってきたものが、こんなだったなんてさ?

Dean: Look, man, I know you're into the whole god thing and Jesus on a tortilla and stuff like that. But just because there's a couple of bad apples, doesn't mean the whole barrel is rotten. I mean, for all we know, God hates these jerks. Don't give up on the stuff is all I'm saying. Babe Ruth was a dick, but baseball's still a beautiful game.
  なあ、お前が神様とか、イエス様の御姿がトルティーアに浮き出る奇蹟なんてのに興味があるのは知ってるよ(以前たまたま目にした「マイネームイズアール」というコメディードラマで、トーストの焦げ目としてイエス様が浮き出た!という奇蹟を偽造するシーンをみたことがあります…)。でもたまたま二個の林檎が腐ってたって、一樽全部腐ってるってことにはならないだろ。つまりさ、ひょっとしたら、神様だってあのムカツク奴らのことなんか嫌ってたりするかも知れないぜ。俺が言いたいのは、こんなことでお前の信仰心ってものを、諦めたりすんなよってことだ。ベーブ・ルースがDickだったとしたって、野球はそれでも最高のスポーツだろ。



さりげない会話ではありますが、ここでの会話も、実に感慨深いものがありますよね。

モンスターや悪魔は現実に存在するけど、見たこともない神様とかっていうのは信じない!と言い張ってきたディーンが、

慈悲もへったくれもない天使の姿を目の当たりにしてサムの善良さの礎でもあった信仰心が揺れ始めているのを敏感に察して、あんな天使の言葉で「究極の善」の代表である神様っていう存在にまで愛想を尽かしたりするな、と説得するというのは、

サムを絶対に黄色い目の悪魔なんかに変化させたりするわけにはいかない、と頑なに心に誓いつつも、どんどん事態がちっぽけな自分の手になんか負えないようなとんでもなく大きなレベルの話になっていってしまう…というディーンの潜在意識の中の恐怖が、ついにはまさに全知全能の神様に救いを求めるような気持ちに変化しはじめている、ということなのかもしれません。

兄ちゃんの説得で、多少気持ちが軽くなったのか、サムは、いじっていたHex Bagの中の炭化した赤ん坊の骨をつまみ、

骨を炭化するほどの高温に晒すには…という発想からピンときて、Tracyの同級生の男の子が大きなマリファナ用のパイプを焼こうとしていた学校のKiln(窯)のおいてあった工房に兄ちゃんと一緒にやってきました。

さらにそもそもHex Bagが兄弟の部屋から見つかったのは、Tracyと会った後ではなく、そのTracyと喧嘩した美術の先生と会った後だ…、

で、近くにあったごつい(サムが握ると小さくみえますが…)ハンマーで、力ずくで先生の鍵のかかった引き出しを開けてみると、見事に子供の骨がざくざく。





その頃、天使のおじさんたちは、仮装をした子供達の歓声の響く公園の片隅で、66の封印の一つが今にも破られようとしているとは思えない、のどかな様子で会話中:

Castiel: The decision's been made.
  決定は為された。

Uriel: By a mud monkey.
  ちっぽけな猿によってな。



彼らのことをそんな風に呼ぶものじゃない。あー、奴らはまさにそのものじゃないか、野蛮で、二本の足が生えた消化管に過ぎない。君はかなり冒涜的(Blasphemy)ともいえることを言ってるぞ。

Castiel: There's a reason we were sent to save him. He has potential. He may succeed here. At any rate... It's out of our hands.
  我々が彼のもとへ遣わされたのには理由があるのだ。彼には秘めた可能性がある。彼はここでの仕事に成功するかもしれない。いずれにせよ…事は我々の手を離れた。



そうとも限らない。ディーン・ウィンチェスターをこの場から引きずり出して、このちっぽけな針の先でついたような町を消し去ってしまえばいい。

Castiel: You know our true orders. Are you prepared to disobey?
  君は我々に課された、真の命令を承知しているはずだ。その命令に背く用意があるというのか?



この天使おじさんたちの会話を聞くと、さすがに神様からじきじきに「ディーンを下の階から引っ張り出してやって」と頼まれたCastielは、これでもかなりの人間びいきな天使さんであったことがわかります。

シーズン3の「Sin City」では、Luciferが劣った生物である人間の前に跪くことを拒否して地獄に堕とされた、という話が出てきましたが、今回新たに登場したUrielの言動をみるにつけ、下等生物人間を嫌悪する感情というものは天使全般で全くありふれたものであるようにも思えます。





『Trick or Treat』の子供達も素通りする、美術教師Donの家の地下室では、ロープで吊るされたTracyを背にしてDonがSamhainを呼び出すおまじないの佳境に入っている様子。

そこに飛び込んできた兄弟が、Donをあっさり撃ち殺すと、助け出されたTracyの態度がふいに変わり、

こいつのおまじないがどんなにへたっぴか聞いた?兄さんって、いつもちょっと足りないヤツだったのよね

慌てて銃をTracyに向けた兄弟でしたが、Tracyから一撃で床に倒され、兄弟揃って胸を抱えて苦しんでいる脇で、

あたしを生贄にっていうのは兄さんのアイデアだったんだけど、その名誉は兄ちゃんに移っちゃったわね。このおまじないって、二人一組でやらなきゃ駄目なのよ。わかる?こんなうすのろに、600年もの間我慢してこなきゃならなかったのよ?ずっと顔を引き剥がしてやりたいと思ってたけど、あんたたちが銃で始末をつけてくれた。気に入ったわ。今日のこの日っていうのはね、昔なら子供達を外に出さないよう閉じ込めてたような晩だったの。今夜、あんたたち人間は本物のハロウィンがどういうものか目にすることになるわ。

なんて語りながら、Donの血を集め、おまじないの仕上げに取り掛かります。

そのTracyの背後で、サムはDonの身体から流れ出た血に手を浸して、自分の顔に塗りつけ、次に隣に転がってる兄ちゃんに「Just follow my lead.」なんて、ちょっとどきっとするような大人なことを囁きつつ、大きな手で兄ちゃんの顔にもべったりと血をなすりつけます。

封印を破り黒い煙となって噴出してきたSamhainは生贄となったDonの身体に入りこみ、「お前、老けたな。でもきれいだよ」なんて言いつつ Tracyをあっさり始末して、床に倒れてじっとしている兄弟のことは素通りして、出て行きました。

サムの解説によると、「昔の言い伝えでは、人々はSamhainから身を隠すためマスクを被ったって言ったろ?だから試しにやってみたんだ」とのこと。
それを聞いたディーンは(俺たちの命がかかってるってのに)「試しにやってみただと?」とちょっとご立腹。

(夜道を歩いていくDonに画面が変わると、さすがにハロウィンの晩ということもあって、周囲の子供達は誰も、血だらけのDonに反応せず、Donの方も、仮装をしている子供達の様子が目には入っていないように見えます。 )





Donの後を追って、「仲間を呼び出すなら、墓場だよな」とImpalaに乗り込んだ兄弟ですが。

何かの覚悟を決めたように一度息を大きく吸い、

強力な悪魔、Samhainに対抗するためには、普通の武器以上のものが必要になるかもしれない

なんてことを言い出したサムに、ディーンは、駄目!お前は絶対サイキックとかなんとかっていう力を使っちゃもちろん駄目だし、そんなこと考えるのも駄目だかんな!ルビーのナイフで充分だ。どうしてだよ?

Dean: Because the angel said so, for one.
  だって一つには天使がそう言ってるってこともあるし。

Sam: I thought you said they were a bunch of fanatics.
  兄ちゃんは、天使なんて狂信者の集まりだって言ってたと思ったけど?

Dean: Well, they happen to be right about this.
  まあ、この件に関しちゃ、あいつらもたまたま正しいってことだ。

Sam: I don't know, Dean. It doesn't seem like they're right about much.
  どうかな、ディーン。彼らの言ってることって、そんなに正しいことばっかりじゃないように思えるぜ。

Dean: Look, forget the angels, okay? You said yourself, these powers -- It's like playing with fire.
  なあ、天使たちのことはこの際置いとけ、いいか?お前は自分で、この力ってのは――火を弄ぶようなもんだって言ったんだぞ。


兄ちゃんのその言葉を耳にして、厳しい顔つきで黙り込んでしまったサムにルビーのナイフを差し出し、「Please!頼むぞ!(おかしな考えおこすなよ)」と会話を終わりにするディーンから、無言でナイフを受け取るサム。

(このImpalaのシーンのサムは本当に素敵ですが…、このシーンのフリがあるだけに、この後の展開が嫌でも予想されてしまいます…)





Donはどこに出かけたのかと思ったら、兄弟の予想どおり、仲間のモンスターたちを呼び出して楽しい流血のお祭りを開くため、

エピソードの初めのぱっとしない学校主催のハロウィンパーティーでのApple-Bobbingのシーンで、モテモテJustin君が君たちもくるだろ?とTracyとJennyちゃんを誘っていた、『Mausoleum Party』(霊廟パーティー)の会場である霊廟にあらわれ、

600年ぶりできっとお腹がぺこぺこのはずのゾンビたちへのご馳走としてぴっちぴちに活きのいい生徒達を閉じ込めて去ってしまうと、もちろん、霊廟の死体たちが甦って、ご馳走をいただき始めます。

なんとかそれほど被害が拡大しないうちに現場にかけつけた兄弟ですが、サムは、兄ちゃんにその場を任せ、兄ちゃんの制止も聞かず一人Samhainを追ってしまいます。





Samhainの姿を見つけたサムは、全くためらう様子もなく、平然とSamhainに歩み寄っていきます!

サムに気付いたSamhainは振り向きざま、(かなりの上級悪魔だけが出せるらしい)白い閃光をサムに浴びせかけますが


Sam: Yeah. That demon-ray-gun stuff... Doesn't work on me.
  ああ。その悪魔のレーザー銃みたいなやつ…、俺には効かないんだ。



半ば不謹慎だとは思いつつも、白い閃光もどこ吹く風という感じで、平然と歩き続けるサムの姿とこの台詞に、ぞくぞくっと鳥肌が立つような興奮を覚えて、「サム、カッコイイ!!!」と思わず声をあげてしまったのは、私だけではないはず…。

で、悪魔も白い閃光以外に色々な力を持っていそうなものだと思うのに、どういうわけだか、両者素手で殴り合いを始めるサムとSamhain。

でも人間の体力では所詮力およばず、結局Samhainに片手で首元を押さえられ、サムは壁に押さえつけられてしまいます。

なんとかRubyのナイフで抵抗しようとするもの、あっさりナイフもサムも弾き飛ばされ…、

最後のとどめに駆け寄ってきたSamhainに向かって、サムはついに、力を使ってしまいます。

下っ端のBlack Eyeレベルの悪魔だと、頭痛すらも起こさずにあっというまに黒い煙が漏れ出して片付けてしまえるまでになったサムの力も、さすがにLuciferの封印となるほどの悪魔相手には、兄弟に撃たれた銃創からほんの少しだけの黒い煙が漏れる程度。

手こずっている間に、ゾンビたちのお片づけを終えた兄ちゃんがサムのところに駆けつけてしまいます。

ちら、ちら、と兄ちゃんの姿に目を止めつつも、もう後にも引けず力を使い続けるサムは、これまでにないほどの頭痛に襲われているようで、顔も目も真っ赤に充血し、ついには鼻血までが流れ出した時、

ついにSamhainがサムの力に屈して、大量の黒い煙を吐いて床に倒れこみます。

この様子を(某「巨人の星」の明子姉ちゃんのように)廊下のはずれからそっと静かに見つめ続ける兄ちゃんの顔が!

そんな兄ちゃんと視線を合わせるサムの顔が!

あまりに絶妙な兄弟の演技に、私はもう完全に半泣き状態です。





場面が変わると、ハロウィンの翌日。

モーテルで、厳しい顔つきで一人荷造りをするサムのところへは、天使のお約束で、全く気配も前触れもなしに姿を現し、サムをびくぅっとさせたUrielが、

明日は11月2日で、お前の母親がAzazelに殺され、その22年後にはお前の恋人までが殺されたというお前にとっては耐えられないほどに辛い日だろう。なのに、お前というやつは、臆面もなく、奴がお前の血管に汚らわしい血を流し込むことでお前に与えた力を使ったのだ。

どうすればよかったっていうんだよ。あの悪魔は俺を殺し、兄ちゃんを殺し、誰も彼もを殺すことになったかもしれないんだ。

お前は使うなと言い渡されていたのだ。

Samhainが解き放たれたらこの町は…。

これは2回目の警告だ。


とにかくサムの弁明には全く耳を貸すことなく、力を使ったサムを責め続けるUrielに、

Sam: You know, my brother was right about you. You are dicks.
  な、兄ちゃんがあんたたちについて言ってたこと当たってたよ。あんたたちはDickだ。


サミーがこんなことを口にしちゃうなんて!と思った瞬間、サムの前髪がふわっと舞い上がるような勢いで、Urielがサムの目の前に移動し、

Uriel: The only reason you're still alive, Sam Winchester, is because you've been useful. The moment that ceases to be true, the second you become more trouble then you're worth, One word -- One -- And I will turn you to dust.
  サム・ウィンチェスター、お前がまだ息をしている唯一の理由は、お前が役に立つからだ。それが真実でなくなった瞬間、そしてお前が、その価値を超えるトラブルになったその時。たった一言、…一言(神からそうお告げがあれば)…私はお前を塵に変える。



天使たちの公園での会話のシーンで、Castielが「He has potential. He may succeed here.」と言った時、「この流れだと、彼って…、ディーンのことだよね?」と思っていましたが、

Urielの口からサムのことを Useful だと聞くと、サムのAzazelから与えられた力を上の階の人たちは今のところ「まだ判断のつかないPotential」として「役に立つかも…」と捕らえているとも考えられるでしょうか?

(このエピソード、あまりに細かく色々な意味ありげな台詞が盛りだくさん過ぎて頭が混乱して、冷静に考えれば簡単にわかるはずのことまで、わけが分からなくなっているような気がします。
後でこの日記読み返したら、なんでこんなこと書いたんだろう…、って思いそう…)


さすがに素直なサミーが小さくこくっとうなずくと、Urielはさらに、


Uriel: As for your brother, tell him that maybe he should climb off that high horse of his.
  お前の兄についてだが、もう見せ掛けだけの強がりは止めるべきだと伝えてくれ。

climb off that high horse of his:これとほぼ同じフレーズで、
”get off one's high horse”というのがありますよね。これは「高い馬の背から降りる」すなわち「目線を低くする」という表現から⇒「威張り散らしたり、高慢な態度を止める」という意味になるわけですが、
もちろん、天使に面と向かって口答えしたりするディーンをUrielが高慢と表現した可能性はありますけれども、
どうも「高慢」というニュアンスでは、この後に続く台詞とうまく繋がらない気がするので、私はちょっと意訳的に「強がり」と訳してしまいました】


(なんにしても-CastielにしてもUrielにしても-天使の言い回しは、どうも古くて堅苦しくて難解な感じで…、私と一緒に)「どういうこと?」とサムが眉をひそめると。

Uriel: Ask Dean... What he remembers from hell.
  ディーンに…、地獄での記憶を聞いてみるがいい。






その頃、ぽつんとのどかな公園のベンチに座るディーンは、さすがにCastielの登場パターンに慣れてきたのか、ぴくりとも驚かずに、

Dean: Let me guess. You're here for the "I told you so."
  当てようか。あんた、「だから言っただろ」って言いに来たんだろ。



と、隣のベンチに出現したCastielに声をかけると、Castielは意外にも「No」という返事。

違う?だったら、まあよかったよ、実際俺、あんたの意見に興味もあるわけじゃないしな。

私はお前を裁くためにここへきたのではない。だったらなんでここにいるんだよ?我々の命令は…。ああ!なあ、俺あんたらの命令とかってのは聞き飽きてんだけど!
(すると、Castiel、そうじゃなくって!という感じで…)


Castiel: Our orders... Were not to stop the summoning of Samhain. They were to do whatever you told us to do.
  我々への命令は…Samhainの呼び出しを阻めというものではない。なんであろうともお前の言うとおりにしろ、というものだったのだ。

Dean: Your orders were to follow my orders?
  あんたらが受けた命令って、俺の命令に従えってことだったっていうのか?

Castiel: It was a test... To see how you would perform under... Battlefield conditions, you might say.
  ある種の試験だった…お前が…、お前達のいう、戦場下でどのような行動をとるかを見るためのな。



相手は魔女一匹で、(ベトナム戦争の時の)「テト攻勢」なんて大げさなもんじゃなかったけどな。
じゃ、俺、試験に落ちたってことか?それでいいよ。

だってさ、もしあんたがあの魔法のタイムトラベルの杖を振って、もう一度頭っからやり直すことになったとしても、俺はまた同じ道を選ぶ、

…だって、なあ、俺には封印ってのが解かれた時どんなことになるのかわかんねえ、ったく、俺には明日がどうなるかってことすらわかんないんだ。

でも俺にわかってるのは、この子供達とか、ブランコとか、木とかさ、そういうもんがまだここにあるのは、俺と弟のおかげだってことだ。


Castiel: You misunderstand me, Dean. I'm not like you think. I was praying that you would choose to save the town.
  お前は私を誤解しているぞ、ディーン。私はお前が考えているような存在ではない。私は、お前がこの町を救う道を選んでくれることを祈っていた。

Dean: You were?
  そうなのか?

Castiel: These people --They're all my father's creations. They're works of art. And yet... Even though you stopped Samhain, the seal was broken, and we are one step closer to hell on earth for all creation. And that's
not an expression, Dean. It's literal. You of all people should... Appreciate what that means. I'll tell you something if you promise
not to tell another soul.
  これらの人々――彼らは全て我が父の創造物だ。彼らは、芸術品だ。そして、…お前たちがSamhainの甦りを阻んだとしても、封印は破られてしまった、そして我々は全ての主の創造物が暮らす地上にまた一歩地獄を近づけてしまった。そして、それは言葉だけの表現などではない。文字通りにだ。お前は人間を代表して…、その意味をよく肝に銘じておくべきだ。お前が誰にも口外しないと約束するなら、一つ言いたいことがある。



Appreciateっていう単語を目にすると…どうしてもシーズン1の日本語字幕で、シェイプシフターが、「兄ちゃんの身体を最高に気に入った」と言った後、サムに「(こんな最高の身体の兄ちゃんのこと)感謝しろ」と訳してあったことを思い出してしまいます。

あの回の感想文でも書きましたが、Appreciateには確かに「感謝する」という意味もありますけれども、「物事の価値を正当に評価して理解する」という意味もあって、シェイプシフターのAppreciateも、今回のCastielのAppreciateも、明らかに後者の意味だと私は思うのです。

…だって、「兄ちゃんが最高の身体を持ってる」からって、どうしてサムが感謝しなきゃならないのよ?!私のようなともすれば偏りがちな Fangirls が必死に正当でまっとうな目線でエピソードを素直に観ようと、日々努力してるっていうのに、そんな字幕で煽るなんて反則です!】



Dean: Okay.
  いいよ。


(それにしても、なんなの!この二人の会話の親密ぶりは!(笑)
笑い事じゃない深刻な会話だし、冷静に考えれば、Castielっていうのは天使の中でも「動物大好きムツゴロウさん」的な下等生物「人間」びいきのちょっと変わった天使さんということで、こんな、天使にあるまじき気持ちをディーンの前で告白してしまっているということなんだと思うのですが、
僕のこと誤解しないで」とか、「誰にも内緒にしてくれるなら、秘密を教えちゃう」とか、台詞だけ聞いてるとCastiel…、そんなにディーンのことが大好きになっちゃったの?とも思えてきます。

サムが聞いたら、「もういい加減にしてくれ!俺の兄ちゃんをとるつもりかよ!」と間に割り込んできそうです。)

Castiel: I'm not, uh...A hammer, as you say. I have questions. I...I have doubts. I don't know what is right and what is wrong anymore... And whether you passed or failed here. But in the coming months, you will have more decisions to make. I don't envy the weight that's on your shoulders, Dean. I truly don't.
  私は、…お前が言ったようなハンマーなどではない。私は、疑問を持っているし。私は…、私は、疑心も持っている。私にはもはや、何が正しくて、何が間違っているのかわからないのだ…。そしてお前が今回の試験に合格したのか、不合格となったのかも…。しかしこれからくる月日の中で、お前はより多くの決断を下さなければならなくなる。私は、お前の肩に乗るそんな重荷をとても羨む気にはなれない。心から、そう思う。






うーん、あっさり感想を…なんて言いつつ、自分頭の中の理解の助けのためもあって、結局妙に細々と台詞を書き出すことになってしまいました。

勢いでここまで書いてきたものの…、今回の日記、すっごく支離滅裂になっていそうで、見返すのが怖い…。

悪魔の力を使うことについて、厳つくて怖い(ほとんどサムの顔をまっすぐ見れるくらいに大きなおじさんでしたもんね)おじさん天使Urielから、きつ~く釘を刺されてしまったサムと、

それに対して、「悪から貰った力」を使ったとしても、天国の父の素敵な創造物を守った兄弟の働きをある意味で肯定したともとれるCastielの言葉を聞かされたディーン。

この二人の天使の相反する言動も、上の階にいるお方のトリッキーな計画の一部なのでしょうか…。

二人の天使に翻弄される兄弟の今後の動向がどうなっていくのかが気になるのと同時に、今週もまた気になるフリが出てきたディーンの地獄での記憶のことも…、本当に気になってきました!

あーっ、これからどうなるんでしょう?





今回、久しぶりのCastielの登場で、ちょっと気になったのは、Deanとの身長差。

ディーン、季節も涼しくなってきて、踵の高いブーツでも履くようになったの?

今までのエピソードでは、ここまでCastielが見上げるような身長差はなかったような気がするんですけど…。

2 件のコメント:

eiri さんのコメント...

こんにちは。こちらにもお邪魔いたします、eiriです。
第7話の後半のレビューをありがとうございました。

天使様に対して一歩も引かないディーンは、カッコ良かったです~。大勢を救う為には多少の犠牲も仕方ない…という考えを良しとしない、彼の信念は相変わらず揺るぎないですね。誰が相手(ジョンパパとサム以外)であろうとも譲らないところが、そうそう!お兄ちゃんはこういう人よ!と安心するとともにワクワクしました。

その後の天使様にがっかりしたサムを慰める場面も、お兄ちゃんっぽくて良かったです。
自分で観た時は???でしたが、藤葉様の訳を拝見して、久々に兄と弟の会話を聞けた気がして嬉しかったです~。
しかし、この場面は、藤葉様が仰る通り、感慨深い場面ですね。ディーンの中で、神様に対する意識が変化し始めていると思わせてもくれますし、それと同時にディーンはサムに純粋なまま、純粋なもの(善だったり、綺麗なものだったり)を信じ続けて欲しいんだなという兄心を感じました。

そして、シーズン1のシュトリーガの回のラストで、ディーンが「純粋なままでいさせてやりたかったよ」(台詞うろ覚えですみません…)というようなことを言っていたのを思い出して、この場面のやり取りが余計に切なくなりました(泣)

しかも、久々に兄弟らしい会話をしたと思っていたら、最後にサムが力を使う例の場面がきて…。あのサムを見つめるお兄ちゃんの顔は、当分忘れられそうにありません。そして、そのお兄ちゃんに気づいたサムの顔も…。
>あまりに絶妙な兄弟の演技
まさしくその通りで、胸が痛くなる程の二人の切ない演技に一瞬頭が空っぽになりました…(涙)

話が逸れますが、鼻血&頭痛と闘いながらも力を使うサムの姿を観て、映画の「スキャナーズ」と「炎の少女チャーリー」をふと思い出しました。2作とも能力を酷使する度、身体に負担がかかりすぎるという設定があったと思うのですが、サムの身体は大丈夫なのかしら?と段々不安になってきました。お兄ちゃんや人々を救う為だったら、自分の身体がボロボロになったとしても、サムなら使い続けるのでは…と。
先が楽しみな反面、二人にどんな試練が待ち受けているのか、今から戦々恐々です。

何はともあれ、今回も素敵レビューをありがとうございました!前のレビューと合わせてじっくり楽しませて頂きました♪
次の更新も楽しみにしています!

藤よう さんのコメント...

eiriさん

シーズン4に入って、妙に可愛いお兄ちゃん&すっかり大人っぽくなったサムという構図が多くなって、なんだか兄弟が逆転してしまったような印象もありましたが、

今回のエピソードは、久々に「お兄ちゃんはお兄ちゃんらしく」、「サムは素直でSensitiveな弟君」という関係が復活したようで、
私個人的には、ところどころ二人の顔つきまでシーズン1の頃に戻ったように見えたりする気がして、「はっ」としたりもしました。

中でも、封印したはずの力を全開で使うサムを兄ちゃんが目撃してしまう、あの霊廟での兄弟の表情は、本当に切なかったですよね!

先日のフランスの雑誌でのインタビューで Jensen が「テレビドラマが好きなのは、何年もかけて自分のキャラクターを作り上げることができるから」というようなことを語っていましたけれども、
まさに、これまでの三年分の兄弟の歴史があってこそのあの演技だったのだと思います。

>(能力を酷使して)サムの身体は…

確かに超能力ものの映画などだと、能力を使うことで自分の身体に負担をかけ消耗していくような設定が多いですよね。

401のエピソードの中で、サムは「(Black Eye程度が相手なら)もう頭痛もしなくなった」と言っていたので、サムの場合、能力の開発段階で、自分の現状キャパシティーを超えて力を使うと、頭痛や鼻血という副作用があるけれども、能力が追いついてくれば身体は大丈夫ということなのかな、と私は思っていたのですが…。
(LilithやSamhainレベルの悪魔を鼻血も出さずにHostの身体から追い出せるようになっちゃったら、それはそれで、上の階の人たちも兄ちゃんも「そこまで上達しなくていいから!」と焦ることになりそうですが…)

Angst的演出だと、力を使い続けることでサムの身体が…というのもいかにも考えられそうではありますよね…。

何はともあれ、毎週毎週、本当に続きが楽しみです!