2008年11月18日火曜日

Supernaturalシーズン4第9話感想文続き

昨日、実は『レッドクリフ』を観てきまして…、現在もまだ鑑賞後の衝撃、というか、いい男ばかりがこれでもかというほど目白押しで登場する痛快時代活劇を満喫した後の気持ちのいいすがすがしさの余韻で、集中力が少々欠如気味です。

私は特に、趙雲に首ったけになってしまいました…。

しかもこの人のフィルモグラフィーを検索して…、ええ~~っとびっくりするような作品に出ていたことを知ってさらに闇雲にこの Hu Jun という素敵な俳優さんに興味を掻き立てられることになりました。
ぜひともこの人の過去の作品を観てみたい!という気持ちに襲われています…。
(なぜ私がここまで食いついたのか、興味を持たれた方は、ぜひ、レッドクリフの公式ホームページで『趙雲』のキャストプロフィールを覗いてみてください)

さらに既にすっかり出遅れた感はありつつも、Chicago Conの楽しい楽しいレポートもあれこれ覗いてはいるのですが、そちらについては、この後もう少し私の頭を整理してからまた覚書を兼ねた感想文をまとめて投稿することにしたいと思っています。

で、まずは、とりあえず、エピソード感想文の続きを…。





以下の記事にはSupernaturalシーズン4のネタバレが含まれます。

日本での放送もしくはDVDのレンタルor発売まではネタバレを回避することにしているという方は、閲覧ご注意ください。さらに私の独自の解釈に基づく翻訳には、誤解、曲解、妄想が含まれる可能性が大いにあります。その点を充分にご承知置きいただいた上で、妄想に基づく私の馬鹿な感想を読んでもいいという方のみ先に進んでいただけますよう、くれぐれもよろしくお願いいたします。







***










Dean: I deserve to know more.
  俺にはもっと知る資格がある。



なんて妙に真面目な顔の兄ちゃんに言われてしまったサムは、


Sam: Because... She saved my life.
  (なんで俺がRubyを信頼してるかっていうと)彼女は俺の命を救ってくれたからだ。


そしてついに兄ちゃんが地獄に連れて行かれてしまった後、一人ぼっちになってしまった間の出来事を兄ちゃんに語り始めます。





再び6ヶ月前。

憔悴&泥酔で足元をふらつかせながらホテルの部屋に戻ってきたサムは、部屋で待ち伏せしていた(ブロンドの美人秘書の身体を借りた)RubyとBlack Eyeに襲われてしまいます。

そして、兄弟に加担したことでやばいくらいに怒らせちゃったらしいLilithから(Rubyの台詞から推測するに)地獄で想像もしたくないような目に遭わされたものの、「サムを見つけて殺せば…」というラストチャンスを与えられて再び人間界に出てきたというRubyに、サムは(こんな状態になっても肌身離さず携帯し続けていたらしい)Rubyのナイフを取り上げられ、「殺したきゃ殺せ!」と開き直ると、Rubyは(私を含め画面の前の視聴者のほとんどが予想したとおり)サムを羽交い絞めにしていたBlack Eyeをぐさり。


この後、サムと一緒にImpalaに乗り込んでその場から逃げ出したRubyは、French Fries(フライドポテト)が食べたい(シーズン3でのRubyはケチャップをたっぷりまぶしたフライドポテトにはまってましたよね)なんていう軽口から、

地獄ではLilithに反省したと思わせ、信頼を勝ち取るために、とにかくサムなんかには想像もつかないほどのとんでもなく恐ろしい思い耐え忍ばなきゃならないはめになったけど、それというのも全てサムのところへ戻ってきて、サムを救うためだったんだから、そんなあたしに「ありがとう」の一言くらいあってもいいんじゃない、

なんていうことを言い始めますが、

誰が助けてくれなんて頼んだよ。お前、俺がディーンを救い出すための手助けができるのか?ディーンを地獄から引っ張りだせるほどすごい知識は知らないわ。

できないならお前に用はない、車から降りろ。それに誰の身体を乗っ取ってるんだよ。なんでそんなこと気にするの?今までそんなこと聞いたことなかったじゃない。今はそれを聞いてるんだ。どこかの秘書よ。彼女を解放してやれ、さもなきゃこの場でお前を地獄に送り返してやる。

と、サムはまさに取り付く島もないといった感じ。





で、場面が変わるとそこは病院で、「DOE, JANE」という大きなネームプレートが足元についたベッドが大写しになります。

【このJane Doeというのはもちろん、このベッドに横になっている新Rubyの身体の女の子の本名なんかではなくて、身元不明の女性を現す通称。
シーズン1の日記のどこかに書いたことがありますが、男性の場合は、John Doeです】


今回のエピの感想文の前半で、「Wank」のことに触れましたが、

中身の入ってる女性の身体を乗っ取った状態のRubyとは口も聞いてくれないサムと、せめてなんとかちゃんと話をするため、Rubyは身元不明で、しかも脳死状態、さらにはお医者さんが「もう回復の見込みなし」としっかり確認した上で生命維持装置を外したばっかりの新鮮な死体、つまり中身はちゃんと抜けて空っぽになっている身体を選んで借りることにしたということになるのですね。

これなら「サムが抵抗できない女の子を合意なしにレイプしてる」なんていうバカバカしいWankとはすっぱりと縁が切れます。

(jaredinoさんも先日のコメントの中で触れていますが、その代わりに早速、Chicago ConではJaredのQ&Aの中で necrophiliaだか、necrophiliacだかなんていう、ぎょっとするような言葉が飛び出したりもしたようですが、「これでジェシカとよりが戻せるわね」というような流れになって、一応その場は和やかな笑いでなんとか治まったということ…ですか?)

新しい身体が完全な「脳死状態」にあった(⇒Ruby曰く「アパートは空き家です」)という証明書を手に、「完璧、リサイクルよ。(元副大統領で、現在は地球レベルのエコ活動に熱心なことで有名な)アル・ゴアも誇りに思ってくれると思うわ」と再び(荒れ果てた廃屋に住みついて一人酒びたりの生活を送っていたらしい)サムのところを訪れたRuby。


Ruby: I can't bring Dean back. But I can get you something else that you want.
  あたしにはディーンを連れ戻すことはできない。でもあたしはあんたが欲しがる別のものを手に入れてあげることはできる。

Sam: And, uh... What's that?
  で、あー…それってなんだよ?

Ruby: Lilith.
  リリスよ。

Sam: You want me to use my psychic whatever.
  お前、俺にサイキック能力だかなんだかを使わせたいんだよな。

Ruby: Look, I know that it spooks you --
  ねえ、サイキックの力のことを持ち出すと、あんたが過剰反応するっていうのはわかってる――

Sam: Skip the speech. I'm ready.
  ゴタクはもういい。俺の準備はできてる。


!!!

シーズン4の第1話で、「お前がなにか馬鹿な取引でもして、俺を地獄から引っ張り出したんだろ!」と食って掛かる兄ちゃんに、

あらゆる手を尽くしたけど、俺には兄ちゃんを地獄から連れ戻せなかったんだ!」と言い返していたサムでしたが、

飴玉一個すらもいらないからと自分の魂を投げ出してさえ、Crossroad Demon からあっさり取引を拒否されてしまったことで、もう完全に打つ手がなくなって、

ついに兄ちゃんが「絶対使うな」と言っていた、

そしてYEDの忌まわしい血を舐めさせられたことで身についたことも重々承知している

サイキック能力」の開発に手をつける気にまでなったということなのですね。

ディーンとしては、なんだかんだ言っても、いざ自分が目の前からいなくなってしまえば、サムはいずれ自分のことを忘れてまた普通の人間としての生活に戻ることができるだろうと踏んでいたような気がするのですが、サムはディーンが予想したほど簡単になんか、大好きな兄ちゃんのことを諦めるわけにはいかなかった、というのが現実だったようです。

シーズン3では、サムを無事に生かしておくことを優先にするあまり、余命一年の自分の命を救う道を探そうともしない兄ちゃんを「ディーンを救える」という嘘を語って近づいてきたRubyの力を借りてまでなんとか救おうとしていたサムの姿に、このSupernaturalというドラマが始まった頃のサムとは明らかな相違を感じもし、

「Mystery Spot」で、トリックスターによって取り上げられてしまった兄ちゃんを取り戻すため、何ヶ月もの間、執念深くトリックスターを追い続けたサムの姿にも、ひょっとして兄ちゃんを地獄に連れて行かれてしまった後のサムって…、という片鱗を見たような気もするのですが、

父ちゃんがディーンを救うためなんのためらいもなく悪魔に魂を売り渡したように、

ディーンがサムの命を取り戻すため、二束三文で自分の命を売り渡したように、

兄ちゃんを地獄から救い出す、その一心に凝り固まって、ここまで自暴自棄になったサムの姿を目にすると、思わず泣かされそうになりながらも、

サムがここまで兄ちゃんへの執着を強めたのはなにがきっかけだったのだろう?

という疑問のような感情も少々湧いてきます。
(シーズン1以来、仲良し兄弟をずーっと応援してきたFangirlとしては、シリーズの初期の頃には兄ちゃんからの愛情を一方的にもらうばかりだったという印象のあるサムのこんなむき出しの感情を目にするのは大変嬉しいことではあるのですが、-父ちゃんが地獄に連れていかれた時には、あんなにあっさりしてた子なのに…、これも常に皆から愛され守られて当たり前という意識だった家族の中での赤ちゃん的存在から、サムが大きく成長した証しということなのかもしれません)





Dean: So? What'd she teach you?
  で?ルビーはお前に何を教えたんだ?



画面がホテルの兄弟に戻って、ああ!この回想って、サムが兄ちゃんに言葉で説明してるっていう設定なんだっけ、と一瞬我に返ると、場面は再び回想に入り、

Rubyの「サイキック能力開発実践講座」の個人教授を受けつつ、下っ端悪魔のBlack EyeをDevil’s Trapの中心に置いた椅子に縛り付け、(この度Chicago Conで命名された)Hand of Ipecac(手をかざすだけで悪魔を吐かせる、直訳なら『吐かせる手』とでもいうか…)、つまり「手をかざすだけ」の悪魔祓いの練習を始めたらしいサムですが、そうそう初めから上手くいくはずもなく、

頭痛薬をお酒で流し込んだりしつつ、「お前なんかに、大事な兄ちゃんをなくした俺の気持ちのなにがわかるっていうんだ」と、再びちょっと荒れ模様のサムを相手に、

シーズン3で「どうして悪魔を敵に回してまで俺たち兄弟の側に立とうとするんだ?」という疑問をぶつけたディーンへの回答とほぼ同じ、「私も昔は人間で、誰かを失ったりする気持ちを覚えてるから…」という答えを返すRubyの様子が…なんだかおかしなことになっていきます。





ここで話は逸れますが、

このシーズン3から繰り返されるRubyの決まり文句、私はどうにも鵜呑みにする気にはなれません。

Rubyはいつまでも人間の欠けらを持ち続けた欠陥悪魔で、「人間だった頃の気持ちを覚えてる」から、人間界を滅ぼそうとしているLilithを筆頭にした悪魔たちになんとかブレーキをかけるため?兄弟-特にRubyの場合はサム-の味方をしてるって?

シーズン3で初めてサムに接触してきた頃のRubyは、もっともっと色々な秘密の匂いや悪魔としての立場を前面に出した謎めいた感じを背後にたっぷり滲ませていましたよね?

シーズン4に入ってYEDの「End Game」という天使たちも警戒する謎の計画の存在があきらかになったりもして、

シーズン3では、YEDの計画に基づいて兄弟に接触してきた印象だったRubyであるだけに、

現在のRubyの言動-後ろ暗い企みなんか無しに、純粋にサムのことを思ってサムに協力しているというような-は、

これって絶対見せ掛けで、Rubyが兄弟に協力するのには、なにか絶対別の理由があるはず!」だとどうしても思ってしまうのです。

ほんの四ヶ月程度で、カンカンに頭にきているLilithの信頼を勝ち取って「ラストチャンス」のため人間界に再び解放してもらえるほどの凄腕の「Manipulate(相手を操作する)」能力を持つRubyなのですから、

ここへ来てかなり大人の男として成長はしたものの、基本的に素直な青年であるサムを多少の色仕掛けなんかも交えつつ Manipulate して信頼させ、思い通りに行動するよう誘導するのなんか簡単なことです。

私としては、この先、YEDの「End Game」絡みで大きなどんでん返しがやってくるはず…という疑念をどうしても捨て去れないので、その内にRubyがこんなにも薄っぺらくてなんだか物足りないくらいに毒のない外面を破って、

思いっきり活き活きと悪魔らしい行動に出てくれるエピソードが出てくることを期待して待ってみたいと思っています。

そんなこんなで「こんなRuby、なんか納得いかない!」という雑念がぐるぐる頭を回りつつも、

軽々とRubyを膝の上に抱えあげるサムの腕の筋肉に反射的に「うっ」と喰い付き、続いて上半身裸になったサムの逞しい筋肉に我を忘れてニマニマし、JensenもChicagoでGenevieveの頭をつぶしちゃいそう…と心配ぎみのコメントをしていた、サムの大きな手がRubyの髪を掻き毟る様子に危うく涎を垂らしそうになりながら見惚れたりていると…、

眉間と額に微妙な皺を寄せた、半分呆然としたような兄ちゃんの顔に画面が変わり(笑)


Dean: Sam?
  サム?

Sam: Yeah?
  ん?

Dean: Too much information.
  俺、そこまで聞きたくない。



はははははっ!

またもや回想シーンにはまり込んですっかり忘れかけていましたが、サムがRubyを信頼するようになるまでの経過を兄ちゃんに詳しく語っているところなのでした。

サムの口から “Too much information” な感じで、Rubyとの行為を描写されてしまったディーン!(笑) サムは一体どんな風に話したのでしょうね?

Too much information : このフレーズも本当に良く使われているのを目にしますが、感想文の前半で出てきたBFFのように、通常、ネット上でのテキストのやり取りなんかだと、TMIと省略形で使われるのが圧倒的に多いような気がします。
まさにディーンの用法のように、自分の両親だとか、兄弟だとかのとにかく一番聞きたくない相手のセックスがらみの情報を聞いてしまった時だとか、Sのつくお話などでは、ストレートの友達に向かって、ゲイ関係の恋人とのアツアツ話を思わずウキウキと惚気ている時などに、”Dude, TMI!” と言葉を遮られる、なんていう形でよく出てきます。】



Sam: Hey, I told you I was coming clean.
  なんだよ、俺、洗いざらい綺麗に打ち明けるって言ったからさ。

Dean: Yeah, but now I feel dirty.
  うん、でも、おかげで俺、汚されちゃったような気分。



でもディーンはなんとか気分を持ち直し、

Dean: Okay, well, uh, brain-stabbing imagery aside...So far, all you've told me about is a manipulative bitch who, uh, screwed you, played mind games with you, and did everything in the book to get you to go bad.
  オーケー、そうだな、あー、脳みそに突き刺さるようなイメージをどけといて…、ここまでのお前の話を総合するとだな、人を操って思い通りにするのが得意な性悪女、その女は、あー、お前とヤッてるってことみたいだが、お前を相手にマインドゲームをしかけて、で、お前を悪の道に引き入れるために教科書に書いてあることを片っ端からやってた、ってことになると思うんだけど。


と、さすがにほんの赤ちゃんの時からサムを育ててきたお兄ちゃんだけあって、まさに私のようなおばちゃんファンが懸念する通りの事実をぴしゃりと指摘します。


Sam: Yeah, well, there's more to the story.
  ああ、でも、話はそこで終わりじゃないんだ。

Dean: Just... Skip the nudity, please.
  とにかく…裸が出てくる部分は飛ばしてくれ、頼む。



サムの(ヌードの出てくる部分を省いた)説明&回想によると:

サイキック能力開発訓練を始めて一ヶ月が経った頃、でも特訓の成果もまだろくに出ないという状態だった時、いくつかのOmenが現れてそれを総合するとLilithが街に現れたってことが分かった。で、サムとしては、とにかく何をおいてもLilithを叩きたかった。

まだ準備が整ってない今の状態でLilithと戦おうなんて、Lilithを倒せる可能性を持ってるのはあんただけなのに、あんたが先に殺されちゃったりしたら…。(そこで何かに気付いたように言葉を止めるRuby。なのですが…Genevieveの演技には、「!」という気付いた感がいま一つ出てませんね)なんだよ?死ぬ気なのね?そんなの「カミカゼ攻撃」よ。あんたはLilithと戦って死にたいと思ってる。馬鹿なことを言うな。


Ruby: No, it's the truth, because if you kill her and you survive this, Then you have to go on without your brother! This isn't what Dean would've wanted. This isn't what he died for.
  いいえ、それが真実なんだわ、だってもしあんたがLilithを殺してこの戦いを生き延びちゃったら、そしたらあんたは、あんたの兄さんを失ったまま生きていかなきゃならないものね!あんたがディーンを追いかけて死のうとするなんてこと、ディーンは望まないわよ。こんなことのためにディーンは死んだんじゃない。



このRubyの指摘もまさに納得です。

サムがどうあがいて、あれこれ頑張ってみたところで人間界に連れ戻すなんてことはもうできそうもないことがどんどん確実になっていくように思える兄ちゃん。でも兄ちゃんにどうしても会いたい。この先サイキック能力を磨いてLilithを殺したとしても兄ちゃんが戻ってこないなら、むしろLilithに殺されて地獄に行けば兄ちゃんに会えるのかも…とサムは、逆転の発想で兄ちゃんに簡単に会えそうな道を選ぼうとしているということ。

さすが脚本Sera Gamble…、でも全編痒いところに手の届く台詞ばかりで、感想文は長くなるばかりです。

Rubyの制止を振り切って、Lilithの滞在場所と目される家へと一人やってきたサムですが、サムの集めた「Omen」はサムをおびき寄せるためのLilithの罠だったらしく、Lilithはそこにいません。
待ち伏せしていた二匹のBlack Eyeに襲い掛かられピンチに陥った時、(お約束どおり)そこへ飛び込んできたRubyに助けられるものの、RubyはLilithの手下である(多分…)Black Eyeに捕まってしまいます。
すると(この展開上、もちろん待ってました!という感じで)、Rubyを捕まえていたBlack Eyeの様子がおかしくなり、カメラが切り換わるとサムが『Hand of Ipecac』の極意を遂に掴んだ様子。





画面は再び現在の兄弟がいるホテルの部屋に戻り、


Sam: Whatever you have to say, she saved me. More than that, she got through to me. What she said to me...It's what you would've said. If it wasn't for her, I wouldn't be here.
  兄ちゃんがなんと言おうと、彼女は俺を救ってくれたんだ。いやそれ以上かもな、Rubyは俺にわからせてくれた。Rubyが俺に言ったこと、…あれは兄ちゃんがあの場にいたら言ったはずの言葉だった。Rubyがいなかったら、今頃俺はここにいない。



このサムの言葉を聞くディーンの顔がまた絶妙です。

アラステアなんていう(ちょっと品のあるおじさま風の)また得体の知れない恐ろしそうな大物悪魔のおじさんからなにやら個人的にとんでもなく恐ろしいことをされていたらしい地獄に、サムが兄ちゃんに会いたい一心で自ら飛び込んでこようとしていたなんて!

このサムの告白から、ディーンが受けた衝撃が手に取るようにわかるような気がします。

現在とにもかくにもこうして無事に天使Castielの手によって、地獄から救い出された今となっては、とにかくサムが自分の後を追って地獄に飛び込んでくるなんていう馬鹿な行動を思いとどまってくれて本当によかった、と強烈に思っているはずです。

ということで、体格のいいホテルのメイドさんの身体を一瞬だけ借りて集合場所を伝えに来たRubyの指示にしたがって、待ち合わせ場所のキャビンで再び顔を合わせた時、大変気まずい思いをしながらも「サムのことでは借りができたな」とRubyに対する礼の言葉ともとれる言葉を口にしたディーンの心境は理解できるとはいえ、

いつもつい勘ぐりすぎてしまう私としては、あーディーンもついにRubyの術中にはまったということなのかな…?という小さな疑心も抱きつつ、

でも!(一応は)Rubyに対する敵意を保留してくれた兄ちゃんと視線を合わせるサムの笑顔がいかにも愛しげで、一人ドキドキしてしまったのでした。





しかし「心配してると思うから両親にちょっと電話してもいい?」とサムに許可を求めるAnnaに、

(このシーン、私はちょっと不思議な感じを覚えたのですが、Annaはこの集団のリーダーを天使の間で話題沸騰中の「The Dean」ではなく、サムだと認識しているという感じですよね?)

サムが(いかにも責任者らしい大人な様子でAnnaの隣に腰を下ろし)両親の死を遠巻きに伝えると、Annaは泣き崩れますが、ふと何かに反応して「they're coming.」と顔を上げると、キャビンの電気がチカチカ。

あきらかに「Annaを追う悪魔がやってきた」と警戒態勢に入る兄弟&Rubyは、Rubyのナイフがなくなったことについて責任の擦り付け合いなんかをしながらディーンがふいに最高にキュートな笑顔を見せたりしていると、

バンッと開いたドアから足早に入ってきたのは、

Castiel & Uriel。
(天使の通信網に周波数が合ってるAnnaが反応したのだから、考えてみればこれが当然でした。)


Annaに用があってきたという Castiel 、そしてつべこべ言わず彼女を私達に引き渡せという Uriel に、サムが、


Sam:Are you gonna help her?
  あんたたち、彼女を助けにきたのか?

と、ぽつっと質問すると、Castielの答えは、


Castiel: No, she has to die.
  いや、彼女には死んでもらわねばならない。



そして画面には無情にも

『To be continued…』

の文字が!

一月半ばまでの冬休み前の最後のエピソードとなる次回のお話、一体どんなことになるんでしょう…、とんでもないクリフハンガーが用意してあったりして…。

8 件のコメント:

jaredino さんのコメント...

Wow! 藤葉さん、一日に3つの投稿!隅々まで読ませて頂きました。いやー本当に勉強になります。Jaredの言ったDawgsはそういう意味のスラングだったんですね。ネタみたい(笑);その写真さぞ可愛いんでしょうねぇ。他にもちょこちょこ分からなかった所を助けて頂きました。ありがとうございます。
 
 エピ9は私にとってもすごく楽しめたもののそんなに意外、という出来事はなかったという印象だったのですが、こうして藤葉さんの感想文を読むとなるほど、と唸ってしまいます。Samは自暴自棄になってリリス退治に行ったのではなく、むしろDeanを探す為に地獄に行こうとしていたのかも?そう思うと胸の痛みも増します(>_<);私はSamがRubyの言葉がDeanを思い出させたと告白した時のDeanの表情と、その後Rubyにきまり悪そうに弟を助けてくれたお礼を言おうとするところが好きです。Deanはたぶん全然Rubyに気を許してはいないんじゃないかと思うのですが、それでも謝らずにはいられなかった?それから、AnnaがTheDeanではなくSamに話しかけたところ、確かに何か意味があるのかな、という気がしてきました。本当に凄いクリフハンガーを抱えて2ヶ月待たなきゃいけないの?という嫌な予感もしますよね?

 でもColin Ford君の話を藤葉さんの日記で読ませて頂いた時は本当に嬉しかったです。彼が出てくれるといいな、と思ってました。Young Dean役の方もカッコいいですが、何しろJensenの美貌と比べられますから余程頑張らないと色々言われて大変かもしれないですよね。12歳と23歳というのはかなりの年の差だけど大丈夫なのかな。とにかく楽しみです☆長々と失礼致しました(‘_‘)

匿名 さんのコメント...

初めまして!サエキと申します。
いつも素晴らしい投稿に楽しませていただいて有難う御座います!
さて、普段はこっそり忍的に拝見してるのですが、EP9の感想文でどうしても気になるところがあってコメント投稿しています。
アラステアという上級(?)悪魔の名前は、アレイスタ(某稀代の魔術師)をもじったものだというのは穿ちすぎでしょうか・・・。
皆様とずれたところに引っかかっているとは思うのですが、気になって気になって・・・。youtubeで聞いても最早アレイスタにしか聞こえないと言う思い込みっぷりです。全然違うよ~なのか、今更なに言ってんの~なのか。
調べて理解するスキルがまだまだ足りないが故の、ささやかな私の思いつきにご意見いただけるとありがたいです。
藤葉さまはいかが思われますか?

藤よう さんのコメント...

jaredinoさん

お相撲の合間にちょこちょこと書き溜めたものを、勢いで一気に3つ投稿してしまいました。(Chicago Conの感想文の続きも、なんとか次のエピソードが放送になる前に…と思っているのですが)

Jensenとワンコたちの写メを見たJared、肉眼で可愛い姿を確認するため、慌ててJensenのベッドルームに駆け下りて行ったりしたでしょうかね?
写真も是非みたいけど、その辺りも聞いて欲しかった…。

兄弟と天使たちと二派(YEDとLilith)の悪魔たちと…、

シーズン4に入って、ますますストーリーが複雑に絡み合って、本当に毎回毎回驚きの面白さですよね。

でも、その分感想文書きの負荷もドンドン増えていく気がしていて、そろそろ体力切れになってきてしまって、
冬休み前の凄いクリフハンガーの予感にはちょっとドキドキするものの、今現在は
「これで少し休める…」
というちょっとほっとした気持ちが優先している情けない私です。

でもきっと次回の第10話を見てしまうと「なんでもいいから!続きを見せてー」って絶叫してしまうような気も。
(冬休み明けのYoung Brothersのエピソードも楽しみですし!)

藤よう さんのコメント...

サエキさん

初めまして!
今回出てきた上級悪魔の名前については、CWの公式サイトでも『Alastair』と表記が出ていますよね。私はその名前の一番一般的なカタカナ表記(&私の耳に聞こえた音)を採用してしまっただけなのです。

私の場合、そもそも稀代の魔術師であるというアレイスタという人のことを存じ上げないので
(つい昨日、ジェフリー・ディーバーのフーディーニを始め歴代の著名手品師の名前が沢山出てきた『魔術師』を読み終えたところで、ひょっとしたら本文中に名前が出てきていたのかもと思いつつ…
あ、サエキさんのおっしゃる魔術師って、呪文や薬草などで魔法的なことをする方でしょうか?)
日記を書いている時には、思いもつかなかったというのが正直なところなのですが、

アルファベットの名前のカタカナ表記については、同じ表記でも出身国によって発音が全く違ったり(英語圏のチャールズが仏語圏ではシャルルになったりしますね)、または日本語表記にする際の訳者の好みによっても違ってきたりもするので、
ひょっとしたら、『Alastair』をアレイスタと表記することもあるのかもしれませんね。
これでなんらかの回答になったでしょうか?

匿名 さんのコメント...

丁寧なご回答をいただきまして有難う御座いました!
ご回答いただいてからウィキを見てきまして、私の妄想であったことが確定しました(笑)。
ちゃんといるんですね、その名前の悪魔。古そうな悪魔なので、確実にアレイスタ・クロウリではないようです。そうだったらおもしろいな~と思ったんですけどね~。
超若い悪魔(1947年没)なのにリリスと同じ白目って!どんだけチカラ強いねん!!
と。
ちょっと残念ですけどすっきりしました!
有難う御座いましたミ
でもやっぱり、くりぷき氏がその辺も実はちょびっと混ぜてたりすると嬉しいなと思わずにはいられませんが(しつこい/笑)。
それから、アレイスタ・クロウリは仰るとおり、呪術や錬金術やなんかを研究実践してた人です。

藤よう さんのコメント...

サエキさん

アレイスタは錬金術師でしたか。
Rubyを初め、長年呪術を修行した魔女が悪魔に魂を売り渡して死後悪魔になった、という設定が出てきているSupernaturalであるだけに、

そういった有名魔術師&錬金術師が死後力の強い悪魔になったりするというのも、確かにありそうではありますよね。
ただ仰るように、少なくとも(地獄時間で何百年、何千年?も修行できる)中世の魔女狩りのあたりで死んでもないと、ここまで出世するのは難しいのかも…。

クリプキの専門は都市伝説にもとづくホラーということで、魔術師は残念ながら範疇外だったのかもしれませんね。

eiri さんのコメント...

藤葉様

こんにちは。再びお邪魔いたします、eiriです。
第9話の後半のレビューも最後まで楽しく拝見させて頂きました!

シーズン4が始まった当初から、このRubyって本物なの?Samは騙されてないの?なんでそんなに信用できるの?という疑いを持っていましたが、このEPを観て信用しても良いのかしら…と個人的には思えるようになってきました。
Samと接するうちに、人間的な感情を思い出してきたのかな?と思えなくもないので…。
ただ藤葉様が仰る通り、Rubyにはまだ何かある方がドラマ的にも面白いですし、きっと何かあるんでしょうね…ただでは終わらないのがSPNですのも。

そして、TMIのトリビアもありがとうございます!
藤葉様の訳の「俺、そこまで聞きたくない。」が、いかにもディーンっぽくて、思わず言っている姿まで想像しちゃいました。

その後の台詞で、Samがclean、Deanがdirtyと言っているのが、対の言葉遊びになっていて面白いですね。字で見せて頂いて気づきました。エピソード自体も弟と兄それぞれの告白で対になっているし、他にもまだ何か細かいところで色々とありそうですよね。
本当に色々な意味で侮れないドラマです、SPNって。

ああでも、私一人では例え日本語版を観たとしてもこういうところには気づけなかったと思います。英文の台詞と絶妙な訳と、その他のトリビアを丁寧にUPして下さっている藤葉様のおかげです。
今回も素敵なレビューを本当にありがとうございました!
次の更新も楽しみにしています。
お返事はスルーしてくださいませ。

匿名 さんのコメント...

ほんの暫くお邪魔していなかったらたくさん更新されていて少し焦りました(苦笑)楽しそうな話題ばかりでどっから目を通せば良いのやらと嬉悲鳴です。取り敢えず、EP8を見る前に我慢できずにEP9を見ちゃったのでまずはコチラにお邪魔します。今回も藤葉さまの感想にはたくさん助けて頂きました。ありがとうございました。

今回のEP。見る前までは微妙だなぁ…と思っていたのですが、藤葉さまから頂いた有り難いアドバイス通り面白かったです。私も脚本がSera Gambleだったことが大きいように思いました。不安だったSam/Ruby演出も全然問題なく見れたし、逆にあまりにも痛々しいSam/Rubyで言葉も出なかったです。(別の視点では、SamのRubyの髪毛鷲掴み?でうっかり首がポッキリしてしまいそうでヒヤヒヤでした…。)個人的には、Rubyはズーンと落ち込んでしまいそうな兄弟を「しっかりしなさい!」と啖呵を切るような?立場でいて欲しかったなぁ(苦笑)でも自暴自棄になったSamが何とか生きてこれたのはRubyの存在や助けがあったからなんですよね。相変わらずS4のRubyはS3のRubyの片鱗すら見えないので本当にRubyなの?と実は今でも疑ってて、そして私も皆さんと同様やっぱり信用できません。現在RubyはSamに対して好意(同情?)を持っているように見えますが、そもそも彼女がSamに近付いた本当の理由が何かあるハズ(裏に誰かいそう)で、私も大きなどんでん返しがあると思っている派です。もしなかったら…Rubyも都合のいい薄っぺら女性キャラ扱いで終わり?とまたまた残念かも。

S4に入ってSamが今までとは違った雰囲気でどこか違和感(Deanが地獄から帰って来てもSamはDean抜きでRubyと一緒に悪魔祓いをしていた事など。Samは打倒Lilithを諦めていない?)があったのですが、Deanの死はSamに相当なダメージを与えていて、Deanのいない世界で生きていくにはSam自身も変わらざるを得なかったんでしょうね。Deanがいない間のSamの状態を見て「(ある意味「自己満足的な」)自分を犠牲にして~」という考えはナシで兄弟には頑張って生きて欲しいと思いました。DeanもSamも自分たちの存在が相手に与える影響がどれほど大きいかをそろそろ知って欲しい…。

Deanを地獄に留めて置きたかった悪魔側の理由。Samの能力(凄い能力だけど使い続けるとSamにとってあまり良い影響を与えない気がして恐い…。)等など気になる事が盛りだくさんで、S4に入って天使VS悪魔という構図に完全に巻き込まれてしまった兄弟達の行き着き先がどこなのか全く想像できなくて期待が大きくなるばかりです。話が壮大になった分、(あまり登場人物が増えるのは好ましくはないのだけれど)そろそろCastを増やさないとダメなのでは?と思ってみたり。お金の問題があるから難しいのかな?

先ほどEP10の鑑賞も終わったのですが、面白かったけど、所々「あ…何だかな~」と思う事もあって、以前藤葉さまのコメントで「男性が理屈抜きに楽しめるような単純明快なB級ホラー的作品を作りたいKripke」と書かれていたのをふと思い出した。脚本がKripkeだった事もあって、そういう雰囲気がよく出ていたと思うのですが、藤葉さまはどう感じられましたか?EP10の感想文、楽しみにしております。

そうそう「レッドクリフ」見に行かれたんですね。私は見ようかどうか悩んでいるうちに上映が終わっていそうな気がします。そして藤葉さまのお眼鏡にかなった役者がフー・ジュン(彼が出演していたとは知りませんでした)だったって事に少々ニンマリしてしまいました(苦笑)

★ NRNで