2007年9月16日日曜日

いいSlashの書き方(その3)

スーザン・ブロックマンの翻訳版の文庫4冊読み終わってしまいました。

SEALチーム16シリーズは、第1冊目を読んでいないのが気にかかるところ。
そして、翻訳版はいまのところ5冊だけ?だとしたら、この後はペーパーバックに手を出していくしかないということに…。

いまのところ入手したペーパーバックのうち「Breaking point」は第9冊目、「Into the storm」は第10冊目。
ここまでくるとキャラクターにも愛着が出てくるので、間の6~8冊目を先に読みたい気もして、関東に帰ったらやっぱりアマゾンさんに相談するのがいいのかも…。


そして、ごたごたと落ち着かないといいつつも、実は普段とあまり変わらない生活をしている私が現在借りてあるDVDは、

「ホワイトハウス(The West Wing)」シーズン4の4~6枚目と、

「デスパレートな妻たち」セカンドシーズンの10&11枚目(最後の12枚目は全部貸し出し中でした)

「デスパレート…」を見てしまったけど、主婦たち、それぞれデスパレートな状況がますます深みにはまってきて、相変わらずのおもしろさ。

ホワイトハウスも多分全て今日のうちに見てしまいそうです。


***



ここからはいよいよ「いいSlashの書き方」最終段階、「プロット」およびその他の事項についてのご紹介です。


26. Plot is way more important than you seem to think. Build it up carefully, add a few subplots if it’s a longer fic, and execute it nicely. Don’t go off half cocked, writing a gazillion words of barely thought through drivel, only to end it suddenly when you get bored.

Plot is supposed to have a build up where you set the scene and intrigue the reader. The overall plot should last throughout the fic, while minor plot points can be ticked off on the way. Consider Supernatural for references. There is a main story arch that is slowly coming together, while minor plot points get their solution along the way.

It really isn’t that foreign a concept; please consider it before setting out on your next writing endeavour.

プロットは考えている以上に大切なもの。プロットは慎重に立て、長いficならいくつかサブプロットを追加して、そして上手に実行すること。中途半端にプロットを立てて、ろくに考えもせずに超長々と言葉を並べた後、飽きたら突然話を打ち切る、なんてことはやめて。

プロットっていうものは、シーンを設定する時に作り上げて読者に興味を引かせるべきもの。全編に渡るプロットは、fic全体に及んでいるべきなんだけど、小さなプロットポイントを途中で取り上げることも可能。例としてSupernaturalを考えてみて。メインとなる物語のアーチがゆっくりと一つに結びついていく間、小さなプロットポイントについてはその過程で結論がついていくでしょう。

これってそんなに珍しいコンセプトじゃないの;次の文字書きに取り組む前にお願いだから考慮してみて。

藤葉:プロット。素人Writerの悪いところは、ふと頭に浮かんだ面白い場面を書いてみたくて後先考えずに書き始めてしまうこと。短いお話なら、日常のある場面を切り取った、という感じで、その場面だけを切り取ったお話としてエンドマークをつけてしまえばいい、ということもあって、それはほとんどの読者が自分の物語の登場人物のことを知ってくれているFanficの強みでもあるのだけれども、ある程度の長さの物語になると、読者としては無意識に最低限の首尾一貫性を求めたくなってくるもの。
「冒頭の彼の意味ありげな台詞についてなんのフォローもないの?」なんて。
でも素人Writerは、ストーリーがの収拾がつかなくなってくると、「もうやめた!」って物語を放り出してしまうことも多くて。エンドマークが付くまで作品を公開しないていてくれるといいのだけど、仕事や学校の合間に趣味で少しずつ書いている物語だと、途中経過を友達に読んでもらいたくなってしまうという気持ちもよくわかって、そう文句ばかりもいえません…。でも期待させるだけさせて、「もう手に負えなくなったから」なんてポンと放り出されてしまったら!読み手としてはたまったものではありませんよね。


27. There really is such a thing as too much information and no, I don’t mean body fluids. One of the most frequent mistakes new and/or bad writers make is that they feel the need to tell the reader everything. Some things should be left to the imagination and it’s amazing how much the mind is willing to fill in.

If Jensen goes upstairs after a shower, you don’t need to tell me that he opens the bathroom door, closes it behind him, walks through the living room, turns around the corner into the hall, walks up the stairs, down the corridor to his room where he opens the door and closes it behind him.

After he was done in the shower, Jensen went upstairs to his room, is quite enough information. The rest is just filling and while you need it in some cases to give your characters life, you don’t need it all the time.

まじでそこまでの情報はいらないのよ、ってこともあるわよね、いっとくけど、体液にまつわることじゃないわよ。経験の浅いもしくはヘタクソなwriterがやる一番ありがちな間違いは、読者に全てを語らなきゃって思い込むこと。ある種のことは想像に任せるべきで、頭の中身がどれほど進んで妄想をふくらませようとするかっていったら、驚くほどなの。

もしJensenがシャワーの後二階へ行くとするじゃない、そこで彼がバスルームのドアを開け、背後で閉め、居間を通り抜けて、ホールの角で曲がり、階段を上がって、部屋まで廊下を歩き、そこでドアを開けて背後で閉めた、なんてことを逐一語る必要はないってこと。

シャワーを済ませた後、Jensenは自分の部屋がある二階へ上がった、で情報は申し分なく充分なの。残りは自動的に埋められるのよ、自分のキャラの生活に必要だと思う場合には追加してもいいんだけど、いつもいつも全てを説明する必要はないの。

藤葉:これもよくわかります。
それこそプロットや伏線に関係するため、詳細な説明が必要な場合を除いて、読者を信用して想像に任せることも大切なのに、自分が丹念に作り上げたキャラクターの行動を全て実況中継のように文字にしたくなってしまう。
読者が本能的に必要ないと判断するところは、結局、よくて流し読み、最悪の場合、飛ばし読みされてしまうことなんかを考えれば、全く無駄な努力になってるってことも言えます。
どうしてもバスルームから寝室までの行動を実況中継するなら、途中で大変な事件が起こるとか、誰かが待ち伏せしてるとか、ストーリー上、その実況中継をする必要性があることにしないと、作者も読者も無駄に疲れるだけってことですよね。


28. Back story is important, everyone has it. But if you feel the need to fill the first ten pages with only back story, you should have started the fic earlier. I would also like to point out that the Harry Potter syndrome is very tiring in the long run.

I know it’s tempting to pile up the bad stuff and break your characters into itty bitty pieces. But honestly, if you’re not a good writer it’s just going to be eye-bleedingly bad. Besides, except for the extremely well adjusted Harry Potter, people usually don’t just bounce back from years of abuse. Take that into consideration.

バックグラウンドの描写は大切、だって誰にでもバックグランドはあるでしょ。でも最初の10ページをバックグラウンドの説明だけに使いたいと感じたとしても、物語をもっと早くスタートさせるべき。長い目でみれば、ハリーポッターシンドロームってとっても疲れるってことを指摘したいわ。

悪いことを積み上げていって、自分のキャラクターを粉々に壊してしまいたい誘惑も分かるの。でも正直言って、よっぽど上手い書き手じゃないかぎり、そのやり方では、目から血が出るくらい最悪の話になるだけ。それに超絶妙にうまいこといったハリー・ポッターを除けば、人間って普通、何年にも渡る虐待から簡単に回復することなんてない。そのことをちゃんと考えてちょうだい。

藤葉:Mary Sueの項にも、「ご都合主義」に絡めてハリー・ポッターのことが出てきましたが、毎回、ハリーのひたすら辛い状況を延々と読者に突きつけ続けるハリポタシリーズは、本来私が望んで読むタイプの物語ではありません。(不覚にも世論につられて、私は全巻読んじゃったけど…)
傷心の主人公が運命の人に出会って癒されていくって、すっごく魅力的なストーリー展開なんだけど、読者を物語りに引き込むための手腕によっぽど自信があるのでないかぎり、むやみに暗いバックグラウンドを作り上げるのは避けたほうが無難ってこと。



29. This brings me to another important point: realism. If your fic is not realistic, it’s bad. I’m not saying it has to be set in this world, or that fantasy fic equals bad fic. I’m saying that you better keep in touch with reality or you’re writing a bad fic.

Jared and Jensen acting like blushing high school girls? Bad fic.
Jared and Jensen acting like blushing high school boys? Good fic, at least if you abide to the rest of my list.

上の項目に関連して別の重要ポイントを思いついたわ:リアリズム(現実性)。あんたのficが現実的でないとしたら、それはBad ficだってこと。この現実世界の設定にしなきゃならないとか、ファンタジーイコールBad ficだ、なんていってるわけじゃないのよ。私が言ってるのは、現実に則していったほうがいい、ってことで、そうでないとBad ficを書いてることになるの。

J2の二人が赤面する高校生の女の子みたいに振舞う?Bad ficよ。
J2の二人が赤面する高校生の男の子みたいに振舞う?Good ficね、少なくとも私の他の項目も守っているならってことだけど。

藤葉:私達腐女子が書きたい&読みたいのはSlashで、男同士で恋愛するのは大歓迎なんだけど、名前だけJaredとかJensenとかを借りてきただけで、内容が完全に乙女チックな少女が恋する物語になっていたりしたら…。
この「いいSlashの書き方」の中で項目を変えてなんども出てきていることだけど、女の子が書いているSlash&やおいに関して、登場人物が乙女になってしまうって、ちょっとでも油断すると予想以上に頻繁に起こりがちなことなのです。
これって作者側からは気付かない(気付けない)ことも多いのだけど、そんなお話って、読者としては、「うげー、なにこれ?Jensenが(Jaredが)完全に乙女じゃん!」って、まさにげっそりするものなのです。


30. If you write a long fic, there is something snazzy called continuity that you might like to consider. It confuses the fuck out of the reader when best friend Steve turns into best friend Sandy in chapter 29. Continuity mistakes make an attentive reader cry.

長編Ficを書く場合、首尾一貫っていうちょっと素敵な技を考慮したほうがいいわね。親友のスティーブが、29章で親友のサンディーに代わっていたなんてことになったら読者はめちゃくちゃ混乱するでしょ。首尾一貫を失敗すると、細かいところを読んでくれてる読者を泣かせることになるの。


31. Do your research. It’s okay to make things up, or fibbing it when you have to, but seriously, do your research. Don’t make shit up because you are lazy. If kind people then point out that you’re getting things wrong, don’t jump on them and call them trolls. You’re at fault here, suck it up. If you are too lazy to do research, write about stuff you know.

リサーチはちゃんとして。事柄を自分ででっちあげたり、どうしても必要なら嘘をついてもいい、でもまじでいうけど、リサーチだけはして。面倒だからって、ろくでもないことをでっち上げるのはやめて。親切な人から、それを間違ってるって指摘された場合、そういう人たちに飛びついて、その人のことをトロール(ネット上で挑発的なコメントをする人)だなんて呼ぶのはやめること。間違えたのは自分なんだから、それを認めなさいよ。面倒でリサーチなんかしたくないっていうなら、知ってることだけを書くのね。

藤葉:この項目の内容に関係ありませんが、「troll」っていう単語今回初めて知りました。


Other Issues
(その他の事柄)

32. Another thing that cannot be stated enough is that long fic does not equal good fic. It’s amazing how often people get that wrong. Just because someone is capable of writing 800 pages of badly executed plot doesn’t mean that they should.

Writing long fics isn’t really all that hard, especially not if you are guilty of the things I have listed here. Few things bring the words like the bad it seems.

何度言っても言い切れない別の事柄というと、長いficイコール上手いficってわけじゃないってこと。これがどれほど誤解されがちかっていったら驚くほどよ。ろくでもないプロットの話を800ページも書く能力があったって、そうするべきってことにはならないっていうわけ。

長々と話を書くって、それほど難しいことじゃないの。私が今回のリストに挙げた項目に悪い意味で当てはまってる人間ならなおさらね。


33. Use a beta reader. Everyone makes mistakes, you more so than others. Also, use a good beta reader. It’s really no help if you let your moronic, fangirlish friends help you out. Chances are of course that the good beta readers will take one look at your horrible prose and run in the other direction. Don’t give up though, if you use a lasso I’m sure you can catch one.

Beta reader(公開前に原稿をチェックする人)を利用して。そして良質のBeta readerを使うこと。おバカでファンガールチックなあんたの友達にBetaをさせてもなんの助けにもならないから。良質なBetaは、あんたの酷い文章を一目見ただけで一目散に逃げ出してしまうかもしれない。でもあきらめないで、投げ縄を使えば、一人くらいは捕まえられると信じてる。

藤葉:これこそが日本のFanfic writersを巡る状況と大きくことなる点だ、と思っているのですけど、現在の日本のFanfic制作状況って変わってきていたりしますか?
日本のFanfic 、それも小説書きの場合は、作品を仕上げるのは徹頭徹尾自分ひとりの仕事ですよね。
商業ベースの雑誌などに掲載されるとなった時初めて「編集さん」という人が目を通して、「ここは修正したほうが…」なんていうアドバイスをくれるようになるわけで。
それまでは、基本的に一人で孤独な作業を続けることが多いのではないかと思っているのですけど、これは腐女子友達が身近にいない私の偏った認識でしょうか?


もちろんネット上や同人誌に公開する前に、あらかじめ身近な友達に読んでもらって、感想をもらうということはあると思うし、それが歯に衣着せぬ辛口な友達だったりしたら、そういった友達から作品の質向上のための有益なアドバイスをもらえるということにもなるかもしれないけど、比較的「なかよしこよし」的お友達同士で、励ましあってFanfic制作を楽しんでいる日本のFangirlsとしては、海外のFangirlsが利用しているような「Beta reader」という存在(しかも自分の友達であるとは限らない人)から、自分の作品に対して本格的に系統だった、そして強烈な駄目出しを食らったりするなんていう状況は、まだないのではないでしょうか。
(最近の日本腐女子事情を知らないので、間違っていたらぜひ教えてください!)

ひょっとしたらFandomのジャンルによっても傾向に多少の違いはあるのかもしれませんが、私がこれまで読んできた英語圏のFanfic writerさんというのは、書きあがった作品を(場合によっては複数の)Beta readerに下読みしてもらって、スペルミスや文法上の間違いを訂正してもらうとともに、内容についても厳しく駄目出ししてもらうのが普通です。
LJなんかでは、「Beta引き受けます」なんていう人を登録したコミュニティも存在するくらい。


最近の私は、知らない作家さんの物語の初めのあらすじや注意事項に「No beta」なんて入っていて、しかも数千語以上の長いお話だったりすると読むのを敬遠したくなってしまうこともあるくらいです。
反対にBeta readerの名前を見て、この人がBetaしてるなら面白いはず、なんて、知らない作家さんのお話を読み始めるきっかけにすることもあります。


34. Lets take a minute to talk about banners. Banners are nice, aren’t they? They’re like a front page to your fic, make it look a lot more official and real. That is why, if you absolutely need a one, you should have a good banner, not a god-awful crappy one. Having a banner won’t make your fic good, a bad banner can in fact make it worse. In conclusion, please stop it with the horrible banners, you make me cry.

(これはいかにもネット上に公開することが基本の海外のFanficらしい項目ですが、ご存知のとおりWriterさんの日記や、アーカイブを開いた時、ぱっと一番に目に入る画像をバナーといいますよね)
バナーについてちょっと話しましょう。バナーはいいわよね、そうじゃない?バナーって、あんたのficの表紙みたいなもので、作品をぐっと本格的にみせてくれる。だからこそ、どうしてもバナーが必要だっていうなら、いいバナーを持つべきよ、とんでもなく最悪なくだらないやつじゃなくて。バナーをつけたからって、あんたのficの質が上がるわけじゃないけど、ひどいバナーがついてると実際に作品の質が落ちるの。結論として、ひどいバナーをつけるのはやめて、泣きたくなるから。


35. Correct formatting is your friend. It’s not wrong per se to use *this* for italics, but using simple html tags won’t kill you. I am sure of it. Oh, and I wish I didn’t even have to say this, but lj-cut PLEASE.
You can read more about formatting and other issues here.

藤葉:これもアナログ人間の私には耳の痛いところです。私もネットで日記を書いてる以上、もう少しhtmlについて勉強しなきゃとは日々思ってはいるのです…。


36. I was going to talk about porn, schmoop, angst and crack as well, but I decided to keep that for a rainy day. For now I will just state that if you are not comfortable writing sex, or can’t write sex, just don’t.

いずれ porn, schmoop, angst, そして crackなんかについても語ろうと思ってるんだけど、またの機会にするわ。今ここで一言言っておくとしたら、もしセックスについて書くのが居心地悪いとか、セックスのことが書けない、っていうなら、書かないでってこと。
(ここの for a rainy day というフレーズ、先日の「Slash辞書」でとりあげた「rain check」の用法に近いけれども、もっと「万一の時のために」とっておく、という感じが強いですよね)


End Note: There are a lot of good writers out there that don’t abide to all of these rules, but they still get the basic ones right. You can’t disregard everything I say here and still think you are a good writer, because I assure you that in that case the good part is all in your head.

Crack fics are excused from these rules, because breaking the rules is the whole point of crack. Good crack fic writers still abide to the rules about language though, but that’s because they are good writers and you are not.

最後に:今回挙げたルールに当てはまらない上手な作家は沢山いるけど、そういう人たちは、基本的なところは正しく押さえているはずなの。私がここに挙げた全てのことがらを軽視していて、それでも自分は上手い作家だなんてことはいえないはず、どうしてかっていうと、もし実際にあなたが上手い作家であるなら、あなたの頭の中には、ここで延べた事柄の大半が既に入ってるはずだから。

Crack ficについては、今回のルールからは除外されるわ。なぜならルールを破るってことがCrackの醍醐味だから。とはいえ、良質のCrack fic作家さんたちっていうのは、言葉に関してのルールは守ってるのよ、でもそれが出来るからこそ上手い作家だといえるのであって、(それができない)あんたはヘタクソだってことなの。

藤葉:最後まで辛口です。Crackについては、私の日記でも以前、私なりの定義を語ったことがありますが、「Crack」とは、めちゃくちゃな状況&キャラクターの設定でありながらも、読み手を納得させることができる、つまり相当に上手い作家さんにしか書けないジャンルであるということ、下手な人間が書けばそれはまぎれもないBad ficになるだけなのです。


これでJeyhawkさんによる「いいSlashの書き方」の紹介は終了です。

辛口だけど…、「いいお話」「おもしろいお話」を読みたい!と常に思っている読者としては、SPNのFanficを書いている全てのWriterさんたちに読んで欲しい内容だし、超錆付いた腕で細々と「文字書き」のリハビリを始めた私としては、まじで有難い「錆落とし」のための指導書といえます。

この超辛口指導書のおかげで、いまだにJeyhawkさん、「今日も、3人からDefriendされた」なんて日記で言ったりしてますが、私としては、彼女のporn, schmoop, angst, & crackについての考察も「for a rainy day」といわず、今すぐにでも聞いてみたいところです。


次回からは、普通の日記に戻るはずです。

11 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「いいslashの書き方」お疲れ様です。
文法以外は基本的なところは言語が違っても変わらないものだな、と面白く拝読しました。
Jeyhawkさん、勇気があるのですね。
思っていても(特に日本人では)なかなか言えないものです。言うとしても友達の間でもかなりのオフレコです。
といっても自分自身まともな文法でいい文章が書けているかというと、首を傾げる他ありませんが;;

「書き方」
かなり基本的なことばかりなのですが、いちいち頷かざるを得ません。
私は、『おかしな文法』と『乙女』がどうしても駄目です。
大抵受側なのですが(攻で乙女な場合はCrack的に受け取れます)、なぜこんなに女の子なの?!と、何度…何度苦しんできたことか。
でもこれは非常にありがちなことなのでこれからも付き纏ってくるのだと思います。
私はどんなキャラもしっかり男でなければ嫌なのですが、これについては少し思うところがあります。
SPNではあまりそういうことはありませんが、別ジャンルのキャラですと、かなりの割合で受が女の子になっていることがあります。デフォルトなの?というくらいに。
だからそういう時には、作者が作品に流れ込んでいるという割合以上に、実際そういうふうにキャラを捉えているのだろうな、と思うのです。
(ただ、キャラを捉える時点から自分が流れ込んでいるという説は全く否定できません)
人それぞれ同じ物を見ても違うものに見える、とは言いますが、それにしても違うものですよね。

それから、日本の同人界における受の女の子度合いが7割といっても過言ではないというところも、悲しい現実です。
アメリカではどうなのか分かりませんが、日本の腐女子の描く受は恐ろしいほど女の子です。
じゃあ男の必要ないんじゃない?というほどに。
この風潮がどうにか…うーん…ならないのでしょうね。悲しいです。

「Beta reader」!驚きです。
そんなシステムがあるのですか。
ちょっと羨ましいです。
いつも思うのが、キャラクター設定は本人の目線なのだからもうどうしようもないとしても、bad ficの文法の酷さは、「せめて一度読み返したら妙だってことに気付くんじゃないの?」というところです。
Beta readerでないにしろ、もう少し自分の作品に懐疑心を持って欲しいです。
一度読み返せば、接続詞のおかしな部分や、流れのおかしさくらいは気付かない筈がないと思うのですけれども…。
読点の位置がおかしいとか入れ過ぎとかなさ過ぎとか。
読点までの一文が長いのは結構だけど、流れを作れないなら二文なり三文なり区切るべき。また連発されたら読者が疲れる、とか…。
勿論、見落としはあると思います。
一度読み直したくらいでは当然です。
でも全編に渡って酷い!ってことが、なくならないわけはない筈なのです。

Beta reader、日本にはないと思います。
少なくとも私は知りません。
あれば便利…でも、打たれ弱い日本人には馴染まないでしょうね。私自身興味はあるものの恐ろしいとも思います。
何を言われるのかと思うと…胃痛が;;
でも、そういった素晴らしいシステムがあるなら、作品の向上は間違いないはずです。
bad fic作家には恐ろしい門でしょうが、かなりの近道であるのは確かですから。

文法がしっかりして初めて、その作家さんの作品に対して、表現の豊かさや言い回しの絶妙さ、語彙の豊富さや、作者独特の空気感、そして構成の良さなどという文章に対する評価が始まるのですよね。
(見落としと分かる多少のうっかりなミスは仕方ないとして)
全ての作品がそのレベルで読めるとしたら、それはかなり幸せな世界です。
ジャンルにある作品の内から自分の好み(キャラクター性や口調や設定など)で振るいにかけて残ったもの全てが読めるのですもの。
夢ですね。




いろいろと大変なようですが、また合間を縫って日記を書いてくださると嬉しいです。
slashも、素敵なのが投稿されていると嬉しいですね。
そしてまたそれを紹介して下さい。

また長い上に、もしや際どい?な書き込みですみません;;
うざったかったら削除してやってください;

匿名 さんのコメント...

こんにちは
「いいslashの書き方」、興味深く読ませていただきました。
辛らつではあるものの、至極真っ当でうなずく事ばかりです。
たとえ面白いお話でも文法がめちゃくちゃで誤字脱字だらけだと読む気が半減します…。

「Beta reader」、面白い文化があるんですね!私も日本では聞いたことがないです。「同人誌にする前の原稿を校正してくれる人募集」というものは見たことがありますが、それにしても誤字脱字チェックだけで内容に関してはノータッチでしょう。
内容について人に指摘してもらうというのは、とても勉強になると同時に勇気もいりますよね。

>登場人物が乙女になってしまって要るのに作者は気がつかない
かなり耳が痛いところです。私も下手な二次創作を描いていますが(小説ではないですが)、受が乙女になってしまっているかどうか、描いている最中は客観的になれず判断出来ません。
「これは他の人が読んで面白いのか?」と不安になることもしばしば。これもまた上記のBeta readerという文化があれば多少は解消されるんでしょうね。
でも日本で「”辛らつなアドバイス”を逆切れせずちゃんと受け止める事」が根付いているとは言いがたく、機能するのは難しい気もします…。

うーん、二次創作について色々考えさせられました。

匿名 さんのコメント...

読点までの一文が長いのは結構

「句点」までの一文が長いのは結構

です。
文法の話をしているのに間違ってしまいましたので、訂正に;;

藤よう さんのコメント...

ワイさん
当初、軽い気持ちで一部だけでも紹介してみようと思っていたのですが、じっくり読み始めてみたら日本語/英語の垣根を越えて、腐女子writerの端くれとして、うんうんとうなずけることばかりで、結局3回に分割して日記に全文を載せてしまいました。

Beta readerの批判に慣れている海外のFangirlsたちも、今回のあまりに辛らつな「Badfic writerへの公開書簡」に関しては、自覚があるだけに「カチン」ときた人も多いらしくて、ちょっとした騒動になっていました。

Beta readerの存在、私もものすごく羨ましく思います。
褒めて伸ばす、という考え方もあるけれども、基本的な事柄を知らないためにやっている間違いだったら、ちょっと指摘してもらえば、ずっと上達も早くなるはずですもんね。

内容について批判を受けるのは怖いことですけど、「パラグラフ間のつながりが分かりにくい」とか、「話の展開が急すぎる」とか、大きな視点からの感想って、書いてる本人にとっては指摘してもらわないとわかりにくいこともありますよね。
第三者の目からみて、そういうことを指摘してもらえたら、それも前進のための大きな一歩になるのに、と思うことも。

とはいえ日本にBetaの文化はそぐわないだろう、というのも感覚的に分かります。
(理論的に正しい文法について説明できる、つまりきちんとしたBetaができる人間をまず社会に育ててもらわなければ…、という点も含めて)

そして『乙女』。これだけは、女の子が書く Fanfic にどこまでもついてくる要素なのかもしれませんね。
読者としては敏感に気付くのに、作者になると気付けなくなってしまったりする、難しい問題です。
英語のSlashでもたまに「うわ~、すっごい乙女!この話ちゃんとBetaしてもらってるの?」なんて思うお話にぶつかることもあります。
作者と「なかよし」の同レベルの人間にBetaをしてもらっても役に立たない、というのは、そういうことなのかもしれませんね。

長々と小難しい日記を三回連続で書いてきてしまいましたが、おつきあいいただいてありがとうございました。
皆さんから、ちょこっ、ちょこっと聞かせていただく、日本の「やおい」の現状についても、実は最近小さな楽しみです。

藤よう さんのコメント...

ささみさん
正直今回の「Slashの書き方講座」については、ほとんど反応はないだろうと覚悟して日記を書き始めたので、思いのほか色々な方から意見を聞かせていただく結果になって、とても嬉しいです。

ささみさんも二次創作(漫画?)を描かれるということですけど、海外のSlash writerさんの日記を頻繁に読みにいくようになってから、Fanficに関しては、その創作の悩みに国境はないのだなーと、あらためて強く思うようになりました。
その反面、Beta readerの存在など、全く異質な文化も存在していて、面白いところです。

日本の「やおい」を読まなくなって随分経つので一概にはなんとも言えない部分もありますが、日本のやおい作家は基本的に「本気の作品は同人誌で、さらに腕が上がれば商業誌で発表したい」という希望を持っていますよね。

それに対して「ネット上での公開が全て」という海外Slashは、「皆で読むものなんだから、皆で協力して作品の質を向上させようよ」という意識があって、それが Beta という文化を育てたのかも、という感じもしています。
もちろん正当な批判なら真っ向から受け止める、という文化の違いもあるでしょうけれども。

ネット文化のずっと前に、同人誌という文化が深く根付いてしまった日本としては、作品を同じ趣味の人があつまるネット上のコミュニティの共有財産とみなすような海外Slashが獲得したBeta readerという存在を残念ながら受け入れる余地がない、ということも言えるのかもしれません。

同じようでいて全く異質でもある「やおい」と「Slash」。考え始めるとキリがありませんね。

匿名 さんのコメント...

こんにちは。翻訳と解説、ありがとうございました。

他の方も書いていらっしゃいますが、betaは海外fanfic文化特有だと思います。「趣味」というものの捉え方の違いでしょうか。
「創作文芸」や「大学漫研」などの会員制サークルであれば、日本でも書き手同士が向上の為の品評会をしていそうですが、書き手ではない完全betaという立場の人はいないと思います。

文法のnative checkであれば完全に技術的な指摘と割り切れますが、内容に介入する部分では、それがたとえ文章の組み立て方という意味でテクニカルな指摘であっても、書きたいものを書く、という意味での趣味の範囲を超えた「指導」だという印象があります。
私は「個人の趣味なんだから好きな事を好きなときに」、「問題は自分で解決すべき」(他人にものを頼むのが苦手、ましてや趣味であれば)「作品を書くことも練習の一環」(これは公言しています。よく書き直します)、更に書き手でもある友人の作風や文体が全く私に合わなかったので、native speakerである友人からの名乗り出をお断りしてしまいました。
betaも所詮は素人なので、人選が難しそうです。nativeだからといって内容に関する指導が上手い訳ではないもので…。

ささみさん宛のお返事も興味深く読ませて頂きました。自分でサイトを立ち上げなくてもblogや携帯サイトを作れる昨今、日本のweb同人は、同人誌よりも気軽に作品を発表出来る場、と捉えられている印象があります。
日本では著作権が厳しいこともあって、webでの二次創作、特に実在の人物に関するものはこれからも発展しないと思っています。
作品を発表しているサイトはありますが、基本的なマナー(表沙汰にしない、ネタ元に通報しない)を守っている人に限ってパスワードを発行し、読者を限定しているところが多いです。
そんなわけで日本語でweb二次創作をするのは息苦しく、私は無謀にもfanficの世界に入りました(笑)

藤よう さんのコメント...

りょうこさん
作品の内容へのBetaの関わり合い方、まさにりょうこさんの仰っていることはうなずけますし、一方でそこにはやはりBetaの質、という問題も絡んでくる気がします。

言い回しや、物語の展開方法は、それこそが作者の個性&味、と言い換えることもできるわけで、その辺りを見極めて、内容に深入りしすぎずにあくまで一般的視点から、大きな間違いや違和感を指摘できる、というのがBetaに望まれる資質だろうな、とも思います。そんな良質のBetaを捕まえるのは、大変なことだと思います。
(作風の合わない友達がBetaを申し出てくれる、というのも辛いところですよね!)

日本の二次創作を巡る状況、残念ながらやはり今後も安易に変わっていくことはなさそうですね。
とはいえ、Fanficにめぐり合ったことで、世界中に「腐女子」の素質を持った女の子たちが大量に存在していることが実感できるようになった現在の状況は、なんだか楽しく&心強く思えることもありますよね。

ジャンルの異なるFandomの方とこうして腐女子談義に花を咲かせることができたりするようになったり、日本の「やおい」の現状を垣間見せていただいたり、妄想にかられるまま、無謀にもネットで日記を書き始めてよかった!とつくづく思う今日この頃です。

chiyori さんのコメント...

こんにちは!
また来てしまいました。
いいslashの書き方、すごくためになりました。
なんたか、ひと昔前になりますが、中島梓の
小説道場を思い出します。
つい最近、わたしもファンフィクションを書いたのですが、ブログに載せる前に読んでおけばよかった…と思います。
いまでも、beta に関する状況って、日本では変化ないのでしょうか?私も最終的にブログで発表する前に、誰かの意見が聞けたら、と考えました。こんなとき海外のfandomが羨ましくなります。書く側も読む側もいいものを作ろうというシステムがちゃんとありますから。

藤よう さんのコメント...

chiyoriさん

またまた書き込みありがとうございます。

中島梓の小説道場、な、な、懐かしい…。(笑)

chiyoriさん、創作のジャンルは Five-0でしょうか。

betaの存在、羨ましいですよねー。
子供の頃から、「レポート」という形で、文章を綴る宿題を出されることが多い欧米文化では、自分の書いた文章を添削してもらうということが定着しているというのも大きいのかもしれません。

一方で、上の方のコメントでも触れられていますが、面と向かって批判されたり、討論したりすることに慣れていない日本人としては、なかなか本当の意味では「beta」の存在を受け入れ難い、という現実もやっぱり無視で気ないのかなーとも思います。

でも「beta」というシステムが存在しているおかげで、名作Slashがこれほど大量に存在していることを思うと…、

羨ましい!の一言ですよね。

chiyori さんのコメント...

以前は、x-file や hunter x hunter を書いていましたが、その頃はブログをやっていなかったので、発表したことはありません。hawaii five-o は、書いてはみましたが、反応ゼロです。読む人自体少ないでしょうし、何といっても、出来が良くないんでしょうね(笑)。ファンフィクションに限らず、ブログを書くようになって、自分の意見を整理して効果的に説明する事の難しさを痛感しています。ついつい、素晴らしい!
とか、すごかった!とか、小学生の読書感想文のようになりがちです。藤ようさんの文章は、
伝わってくるものが、ビリビリあります。
お手本にしています♪

藤よう さんのコメント...

chiyoriさん

X-Filesもですか!?
なるほど…、私自身はネット上でも極度の引きこもりのため、同じ趣味のお友達とブログ等で繋がることすらできずに、延々一人で勝手にぐだぐだつぶやいて終わっていることが多いのですが、

chiyoriさんのように継続的に創作をされている方なら、同じ系統の創作系のブログ主さんとリンクをしていただいたりすると、
思わぬところから反応が来たりすることもあるかもしれませんね。
(と、言いつつ、私は本当に、日本のブログの現状に疎いもので、↑が見当はずれな意見だったら失礼します。

日本の二次創作系のブログは、まだまだ厳重に鍵をかけた部屋の中に入っていることが多いのでしょうか?)

自宅療養中の暇にあかせて、ブログ書きを中心にして生活していた頃には、日記に書く文章にしても、なるべく推敲したり、思考を掘り下げたり、できるだけじっくり時間をかけるようにしていましたが、

現在は、とりあえず忘れてしまう前に!と、どんどんいい加減な書き方になって来ていて…、ちょっと反省しているところです。

お手本に…、なんて言われるとお恥ずかしい限りです。(汗)