2007年12月1日土曜日

Supernaturalな忘年会:その1

無職の引きこもり…という私の身分はなんら変わりないものの、実家が近くにある関東に帰ってきて以来、なんだかんだと避けられない用事も発生して、自分で自由に使える時間というものが激減しているように感じてしまいます。

実際は、相変わらずの暇人ではあるのですけど…。

8月の末、『私の周りの「Supernatural」』という日記を書いたのですが、11月の末、ひょんなことから、あのSupernaturalなお兄さんと忘年会をしました。

メンバーは、お兄さんと私の実家の家族(母、妹二人)と私です。

実は現在、上の妹がお兄さんが経営する車屋さんにお手伝いに行っていて、一応職場の忘年会、という形にかこつけて、ということだったのですが、よくよく聞いてみると、母がお兄さんのところで車を買ったのをきっかけに、私も含め、家族全員の車のことをお兄さんに面倒みてもらうようになってから(北関東というところでは、一人一台車を持っているのです)、(亡き)父が度々お兄さんのところに顔を出して、「いつも家族が世話になってるね」って挨拶しているらしく、


(父に)頭を下げられちゃったりすると、かえって恐縮しちゃって、本当は自分がお線香でもあげに行きたいところなんだけど、まずは皆を忘年会にご招待ということで…


それに


夢で、(お兄さんの)じいちゃんが、もとからあの家とは縁があるんだって言いにきて…


お兄さんは、母のお姉さんの旦那さんの妹の息子ということで、私たちにも一応遠縁にあたるのですが、お兄さんと私たちの祖父の代でも(ちょっとややこしくて詳細は忘れてしまいました…)、縁戚関係があったらしいのです。

母はそのことを知っていましたが、私やお兄さん(私の一学年上であることが分かりました)の世代は、おじいちゃんの代の縁戚関係のことなんか知らず、「じいちゃんはなんのことを言ってるんだろう?」と思っていたのだそうです。

それにしてもウチの亡き父がちょくちょく遊びに行ってるとか、

死んだおじいちゃんが夢の中に「これ教えとく」なんて話しに来るなんて…、

まさに「Medium:アリソン・デュボア」の世界です。


そんなこんなで、お兄さんから家族を忘年会に招待してご馳走したい、と声をかけられた妹は、

ウチの家族、ものすごく食べますよ。それにお姉ちゃん(私のこと…)は、飲むし

と正直に申告。

「もちろん招待する以上、遠慮無しに思いっきり食べて、飲んでもらわなきゃ、俺もくつろげないし」

なんて気前よく請け負ってくれたお兄さんに完全に甘える形で、

さらに、亡き父や、お兄さんのおじいちゃんのてこ入れもあって、大変ずうずうしいことに、姓の変わった私まで、家族として一まとめに忘年会に招待され、参加することになったのです。





場所は、実家のある町の韓国料理屋さん。





ここで話はそれますが、ちょっとだけ:

この韓国料理屋さんについては、「食いしん坊」ネタでいつか日記を書きたいと思っていたのですが、私のずっと昔の、とある思い出と奇妙な形で結びついているお店です。


ある時、大学から帰省した私は、地元の友達に誘われて食事に行くことになったのですが…。
友達も先輩に誘われて一度だけ行ったことがあるというそのお店は、5席ほどのカウンターと、その背後の小さな座敷に小さなテーブルが三つくらいあるだけの小さな店でした。

お店に入った私たちを「カウンターにどうぞ」と促してくれた(私の微かな記憶では)美人のおばさんのアクセントは外国人のもので、やはり美人のお姉さんと二人でお店を切り盛りしていたようでした。
背後の小さな座敷では、おじさんが一人小さなカセットコンロで焼肉をつまみにビールかなにかを飲んでいました。

メニューを見てもなんだかよくわからなかった私たちは、「女の子二人が食事に来た」という判断で、奥さんが勧めてくれた(今思えば)チヂミと石焼ビビンバを食べることになりました。

これを告白するとかなり年齢が絞られてしまいますが(ああっ、今まで頑なに伏せてきた年齢がっ。(笑)でも薄々「このくらいだろう…」って思っていた人も多いでしょうね)、約20年前(あーっ)という当時、北関東の田舎町に焼肉屋さんはあっても「韓国料理店」など存在せず、チヂミ、ビビンバなんていう料理の名前も聞いたこともないという状況でした。

現在ではどこの焼肉屋さんでも当たり前のようにでてくる、「石焼」のあの器だってまだなくて、その時の石焼ビビンバは、鉄製の…、あれなんていうんでしょう?昔話とかで、よく囲炉裏にかかってる、吊り手のついた底の丸い鍋、あれのちっちゃい版で出てきました。

私たちの目の前にそれぞれ置かれた、じゅーっと音のしている熱々の小さな鍋には、御飯の上に数種類のナムル、お肉(もあったかな?)、そして半熟の目玉焼きが乗っていました。
当時も変わらず食いしん坊だった私は、初めて見る食べ物に目を輝かせ、スプーンを手に取り「いただきまーす」と食べようとすると、奥さんが

待って。この御飯は、全部混ぜなきゃいけないの

といって、私の手からスプーンを取り上げ、彩りよく綺麗に盛られたビビンバを目玉焼きごと豪快に混ぜてくれたのです。


後に社会人になり、韓国の会社への輸出担当になってから、ビビンが「混ぜる」で、(本来は破裂音のが「ご飯」という意味なのだと、客先の部長さんから教えてもらった時には、「なるほど!」と思ったものです。
この部長が、またがっしりと逞しい大柄な人で、私の一足早かったたった一人の韓流ブームはまさにこの時が全盛でした(笑)



ごま油の風味と、半熟の黄身と、様々なナムルの味が絡まりあって渾然一体となったビビンバの味はもちろん皆さんご存知でしょうけれども、その時の私にとってはまさにカルチャーショックという感じでした。

「美味しい~」と満面の笑みで食べてる私たちの前に、奥さんが「どうぞ」と出してくれたのは、真っ白なミルクのようなスープ。

「とっても肌にいいのよ」というそのスープは、今時の韓国料理店なら普通に出てくる牛骨のスープですよね。このスープも本当にコクがあってしみじみと美味しいものです。

香ばしく焼けたチヂミももちろん美味しくて、私の初めての韓国料理は最高にいいイメージで心に刻み付けられることになりました。

ところが、その後、残念ながら二度とそのお店に行くことはできなかったのです。

一緒に行った友達に聞いても、どうしてもお店の場所が思い出せないということで、数年後、地元の会社にUターン就職した私は、その友達と一緒に漠然と記憶にある辺りを探しに行ったりもしたのですが、見つからないまま時は過ぎていきました。

10年ほど経った時、別の友達から、「美味しい韓国料理の店があるから行かない?」と誘われました。
場所を聞いてみると、どうも「幻の店」があった場所の近くのようで、「行く行く!」と喜び勇んで向かった店は、店構えも、店の広さも記憶にあるものとは全く違い、さらに、とても礼儀正しい韓国人の男性のマスターが経営していました。

食いしん坊だけど人見知りの私は、マスターに、

ひょっとしてお母さんとお姉さん(もしくは妹さん)が近くで店をやっていたりしなかったか

と、どうしても聞くことができず、「幻の店」の謎は現在も謎のままです。





とはいえ、このマスターの店が、今回「Supernatural」な忘年会の会場となった、「韓国料理店」の前身となる店なのですが、ここのお料理もとっても美味しいのです!

私が特に好きだったのは、大き目のさいの目に切った冷奴の隣に熱々の豚キムチが盛り付けられている「豚キムチ豆腐」(そのままですね(笑))。
熱々で辛~い豚キムチを冷たくてクリーミーなお豆腐に乗っけて食べると、これがなんとも言えず美味しくて!
他にもサムギョプサル、チャプチェ、トッポッギなど、どれも美味しくて、それからしばらくの間頻繁に通っていました。
ちゃんとした石の器で石焼ビビンバを食べたのもこのお店が最初です。

その後、韓国料理や韓流ドラマがメジャーになったせいか、このお店は予約なしでは入れないほどの人気となり、数年後には、少し離れた場所に大きな駐車場付のお店を構えて、メニューもかなり居酒屋っぽく改良されました。

残念なのは、私の一番のお気に入りだった「豚キムチ豆腐」がメニューから消えてしまったことですが、その他の料理は今も変わらぬ美味しさです。

今回、お兄さんが 「とにかく今日はなんでも好きなものを好きなだけ頼むこと!」 と強く宣言してくれたため、本当に遠慮無しに手当たり次第という感じでお料理を頼んでしまったのですが、

お兄さんのお薦めで「ケジャン」というものを今回初めて食べました。

ご存知の通り、半分に割った生のカニを(甘)辛い味噌?調味料?につけたものですが、これはもう手づかみでしゃぶりつくしかなくて、女の子は合コンなどではとても手を出せない一品ですよね。

今回は女ばっかりの家族に、親戚のお兄さん一人ということで、口の周りも指も真っ赤にして挑戦しました。
これはビールがどこまでもすすんでしまう、危険なおつまみです。(笑)





はっ、気付けばちっともSupernaturalな話に触れてませんが、忘年会の本題に入る前に、またちょっと寄り道…。

お兄さんのところにお手伝いに行っている妹から、これまで時折ふと思い出したように、細かな不思議な話を聞いていたのですが、

妹がお兄さんから聞かされた話で、中でも印象に残っていたのは、我が家で17年飼っていた愛犬(柴のミックス、メス)のこと。

この犬は我が家で飼った最初で最後の犬で、家族の中ではまさに4番目の娘のような存在で、亡き父を筆頭に、家族全員で可愛がってきましたが、ちょうど子犬の時、一番暇な学生だった私は、とにかく可愛くて可愛くて我が娘のように育てたものでした。

この犬が死んだのは、私が家を出てしまってからのことで、私としては最後の最後、老衰でヨボヨボになってからそばにいてやれなかったことを心の底でずっと寂しく思っていたのです。

ところがある日、お兄さんは妹に突然、

「茶色と白のまだらの犬が見えるんだけど。その犬が、楽しかったー!って言ってるよ。生きてる間、ずっと楽しい思い出しかないって。本当に辛いことがなんにもない一生だったみたいだ」

って言ったっていうのです。

それを聞いた途端、なんだかほっとして、突然涙が出てきました。(今タイプしていてもまた涙が…(笑))

ちなみにお兄さんは、別に死んだ犬じゃなくても、時々犬の言葉がわかったりするそうで、散歩中の犬と目が合って、「いいでしょ?散歩してるの」なんて自慢されたりすることもあるのだとか。

韓国料理店でお兄さんに初めて会った私は、思わず、ウチの犬の言葉を聞けたのが一番嬉しかった、とお礼を言ったところ、

「体調によって、全然見えないこともあって、11月はほとんど見えない状態が続いてるから、今日も何にも見えないかもしれない…」

と申し訳なさそうにお兄さん。

隠れ腐女子なんかをやっていて、後ろ暗いところのある私は、色々なものが見えてしまうお兄さんに会うのにはかなり抵抗があって、正直いって、忘年会にも参加したくなかったくらいなのですが、何も見えないでいてくれるなら気が楽!と、ちょっと気楽な気分になって、忘年会がはじまりました。


でも、お酒が入ってすっかりくつろいだお兄さん、あきらかにどんどん色んなものが見えてきてしまったのです。とほほ。


***


やっとここから忘年会というところなのですが、食いしん坊の話題で脇道にそれすぎて、すっかり長くなってしまったので、一端ここで休憩します。

一端休憩して、必ず次回、忘年会の模様を日記に書きたいと思っていますが、

お兄さんの他に、唯一お酒を飲んでいた存在だった私は、その場の楽しさに、ついついお酒がすすんで…、実は記憶もなんだかまぜこぜになってしまっておりまして、

さらに、この日記も、お兄さんに見えてたらどうしよう…、とちょっと心配もありますが、

今見えてるなら、忘年会の席で全部見えてただろうし、開き直って、次回、驚くべきSupernaturalな忘年会の模様を少しだけ、また書きたいと思います。

ここまで読んでくれた方、思わせぶりな前フリばかりが長くなって、結局本題に入れず申し訳ありません。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私もチヂミ大好きです。初めて食べた時に何て美味しい食べ物なんだとハマリそうになりました。今回の日記を読んでいたらお酒が飲みたくなってしまって:D涎もダラダラ~。

そしてSupernaturalなお兄さんの再登場!!(私の周囲にはSupernaturalな人はいないので、何だかお会いしてみたい気もします。が、うっかり変なモノが見えてしまったらどうしようXD )

犬が楽しかったー!生きてる間、ずっと楽しい思い出しかないって
…「ぅぉぉおお!何て良い話なんだ!!」と何故か私も貰い泣きしそうになりました。

この後どんなお話が待っているのか続きがとっても楽しみです♪

藤よう さんのコメント...

kyuさん
チヂミ美味しいですよねー。
韓国料理ってお酒がすすんで困ります。

犬の話。家族としては、最後の衰えた寂しげな様子が強く頭に残っていて、初めて飼った犬とあって世話やしつけで行き届かないところもあっただろうし
「あの子はウチに飼われて幸せだったんだろうか…」
なんて思いめぐらすことも多かったのです。

そんな私たちの気持ちを察して、ウチのワンコ「心配しないで、楽しかったよ」ってお兄さんに伝えに来たのかも、なんていう風にも思います。