うかうかしていると、あっという間に次回のエピソードが放送になってしまいそうなので、なるべく軽めに、感想文を書いておきたいと思います。
以下の記事にはSupernaturalシーズン4のネタバレが含まれます。
日本での放送もしくはDVDのレンタルor発売まではネタバレを回避することにしているという方は、閲覧ご注意ください。さらに私の独自の解釈に基づく翻訳には、誤解、曲解、妄想が含まれる可能性が大いにあります。その点を充分にご承知置きいただいた上で、妄想に基づく私の馬鹿な感想を読んでもいいという方のみ先に進んでいただけますよう、くれぐれもよろしくお願いいたします。
***
シーズン4の開始早々、地獄から戻ってきたディーンが一番に心配したのは、自分を地獄から連れ戻すために、サムが悪魔絡みで何かをしでかしたのではないかということ。
結果的に、地獄から自分を引っ張り出したのはCastielというまだ人間の言葉でのコミュニケーションが相当不自由な天使であることがわかって、一応はほっとしたディーンではあったのですが、
Castiel 経由で神様から頼まれた仕事の一環で無理やり両親や祖父母のいる実家に里帰りさせられ、やっとのことで帰って来てみると、今度は
「サムは神様が心配するような悪い仲間と付き合っているらしい、ディーンが自分で止めないのであれば、警察(いや、天使)が介入する」
なんて言われてびっくり!
(シーズン4の冒頭三話って、こんな数行で説明できる話だったの…)
☆
ということで、衝撃の第三話に続く、待ちに待った第4話だったのですが、
私の目には今回のエピソードの冒頭の兄弟喧嘩が、夫の不倫発覚に揺れる「Old Married Couple(by Bobby)」にしか見えないので、最初の部分だけでもその目線で、ちょこっとだけ妄想感想文を書かせてもらおうと思います。
「うちの人はどこよ?」(訳:サムはどこだ?)
と、夜中に夫婦の寝室を抜け出してどこかに行っている夫(サム)の行動に不審を抱いた妻(ディーン)は、ボランティアで不倫調査の仕事もしてくれるお仕事斡旋天使Castielに告げられた住所に乗り込みます。
そこで妻(ディーン)が目撃したのは、若い女とおぞましいことをしている夫(サム)の姿…。
(…実際には、下っ端悪魔を捕まえて憎いリリスの居場所を探り出そうとしているわけなんですけれども…)
この下っ端悪魔とのやりとりも物陰からみている妻(いや、兄ちゃん)には衝撃です。
平然と悪魔を脅すサムに、お前が「あのサム・ウィンチェスター」だからびびって見せろって?冗談じゃないね!
Black Eye Demon: And yet here you are, slutting around with some demon. Real hero.
(悪魔を退治するビックヒーローだとか言いながら)なんだよ結局お前、悪魔とよろしくやってんだろ。大したヒーローだよ。
英語を母国語としない私にとって、「slut around」のような言葉のニュアンスは非常に理解が難しいのですが、これは
悪魔を退治すると言いつつ、悪魔であるRubyの協力を受けてるってことを
汚い言葉で罵ったってことなのか、
(サムのモーテルの部屋に残されたブラとか、パンツ姿で現れたRubyとかを考慮すると…)文字通り、
そこの悪魔と「Slut around(セックス)」してんだろ?
という意味にも取れるような気がして…、この悪魔いったいどういう意味で言ったんでしょう…。
Sam: Shut your mouth.
黙れ。
BED: Tell me about those months without your brother...About all the things you and this demon bitch do in the dark. Huh? Tell me, hero.
お前のかみさん(いや、兄ちゃん)が留守にしてたこの数ヶ月間のことを話してみろよ…お前とそこのメス悪魔が暗闇でやってきたことを全て話してみろ。は?話してくれよ、ヒーローさん。
すると業を煮やしたサムは第2話のエピソードの時に引き続きナイフもコルトも使わず、手をかざすだけであっさりと悪魔祓いをし、やり終えた後、どんな感じ?と問うRubyに、もう頭痛もおきないよ、なんて爽やかな笑顔で答えたりしています。
そこへ、もうさすがに我慢の限界を越えて乗り込んだ妻(ディーン)
(以下のディーンの台詞の翻訳が完全に女言葉になっている点については、私の妄想目線上どうしてもやむを得ないことですので、何卒ご了承いただければと思います。)
Dean: Anything you want to tell me, Sam?
サム、何か言いたいことある?
Sam: Dean, hold on, okay? Just let me
ディーン、落ち着いてくれ、いいか?とにかく俺に…
Dean: You gonna say, let me explain? You're gonna explain this? How about this? Why don't you start with who she is and what the hell is she doing here?
説明させてくれ、とでも言うつもり?(見るからに浮気しといて)説明できるっていうの?だったらこういうのはどう?そこにいる女が何者で、ここで一体全体何をしてんのかってところから始めてみたらどうなの?
Ruby: It's good to see you again, Dean.
また会えて嬉しいわ、ディーン。
Dean: Ruby? Is that Ruby?
ルビー?(サムを振り返って)あの女、ルビーなの?
シーズン4の第1話で、離れ離れになっていた間の近況報告を交わした兄弟の会話の中で、「ルビーは?」というディーンの質問にサムは、「死んだ、か、少なくとも今のところは地獄じゃないかな…」とかいうような回答をしていたのですよね。
そうなればもちろんディーンとしては、
「あんた、あの女とは別れたって言ったじゃない!それをあたしがちょっと実家に帰ってた間にまたこそこそ逢ってるなんて、どういうことよ!」
(もちろんディーンは一言もこんなこと言ってませんけど…このシーンのディーンの脳裏には、これとかなり近い感情が一瞬にして駆け巡ったに違いないと思うのです)
と余計にカーッとくる結果にもなり、包丁(悪魔も殺せるナイフ)を持って、一度ならず二度までも夫をたぶらかした忌々しい浮気相手に飛び掛る、という結果になるのも当然のこと。
さすがに殺人沙汰はヤバイということで(いえ、サムはまだ不思議な力の修行中なので、今指導教官のRubyを殺されるのは…と思ったという感じでしょうか)、ナイフを持った妻(ディーン)を押し留め、浮気相手のルビーにこの場から去るよう支持する夫(サム)。
その後、あんたまた私を裏切ったのね…とでも言いたげなちょっと寂しげで冷めた視線を夫(サム)に投げ、その場を去ったままなかなか家に帰ってこない妻(ディーン)を、読書をしながら待っていた夫(サム)のところに、やっと戻ってきた妻(ディーン)はなんと無言で荷造りを始めます。(!(笑))
(注:またもや翻訳は夫婦喧嘩バージョンです)
Sam: Dean, what are you doing? What, are you --are you leaving?
ディーン、何してるんだ。何を、…お前出て行くつもりか?
Dean: You don't need me. You and ruby go fight demons.
あなたにはもう私は必要ないんでしょ。あなたとルビーで仲良くしてれば(悪魔と戦えば)いいじゃない。
Sam: Hold on. Dean, come on, man.
待てよ。ディーン、待てって、なあ。
そういって腕を掴んで引きとめようとする夫の顔に強烈なグーパンチをお見舞いする妻!(二度も!)
でも…、いい加減、夫婦喧嘩バーションはこの辺でおしまいにして…物語はいよいよ、というか、シーズン4も4話目にしてやっと、というか、兄弟間の微妙で根深い問題に移っていきます。
この後の会話は全て書き出してしまいたいところですが、そうなるとまた非常に長くなってしまうので、ごく一部を抜き出すと:
俺は不思議な力を使って別に悪いことをしているわけじゃなくて、悪魔祓いをしているだけだ、というサムに
Dean: With your mind!
それを念じるだけでやってるっていうのが問題なんだ!
そしてディーンは、悪魔祓いなら(Rubyから奪った)ナイフを使えばいい、といいますが、
サムは、自分のやり方なら悪魔にとりつかれた人を殺さずに助けられるんだ。現に俺は、前に俺たちが一年がかりで助けたよりもずっと多くの人たちをこの五ヶ月間で助けてる、と。
ルビーがお前に信じさせようとしてるのはそれか、そうやってあの女はお前を騙してお前に力を使わせようとしてるんだな?
Dean: Slippery slope, brother. Just wait and see. Because it's gonna get darker and darker, and god knows where it ends.
お前が歩いてるのは危なっかしい道なんだぞ。見てればそのうちわかる。お前の行く先はどんどん暗くなって、どこへ続いてるのかもわかったもんじゃない。
(Deanは「神のみぞ知る」という慣用句でGod knows…と言ってますが、Castielによれば、サムの行き先はまだ神様もわからないということでしたよね)
Sam: I'm not gonna let it go too far.
俺はそんな深みにまで進むつもりはないよ。
Dean: It's already gone too far, Sam. If I didn't know you... ...I would want to hunt you. And so would other hunters.
もう充分深みに進んでるんだ、サム。もし俺がお前のことを知らなかったら……俺はお前を狩りたいと思ったろう。他のハンターたちだってそう思うはずだ。
Sam: You were gone. I was here. I had to keep on fighting without you.
And what I'm doing... It works.
兄ちゃんは地獄に連れて行かれちゃって。俺は一人でここにいたんだ。兄ちゃんがいないまま、俺は一人で戦い続けなきゃならなかった。それに俺がやってることで…、人を救えたんだ。
Dean: Well, tell me. If it's so terrific... Then why'd you lie about it to me? Why did an angel tell me to stop you?
なら教えてくれ。それがそんなに素晴らしいことなら…だったらどうしてお前は俺に嘘をついたんだ?どうして天使は俺にお前を止めろなんていうんだ?
Sam: What?
なんだって?
Dean: Castiel said that if I don't stop you, he will. See, what that means, Sam -- that means that god doesn't want you doing this.
Castielは俺がお前を止めないなら、自分の手で止めるって言った。それがどういう意味かわかるだろ、サム…、それはつまり神様がお前のやってることを望んでないってことだ。
この前のシーンでサムの言い分を聞こうともせずにサムの顔を殴り、
怒りに任せて壁脇の棚の上のランプやなにかを根こそぎ床に落とし、
「普通のハンターなら今のお前を狩りたいと思うぞ」などと口にし、さらには、
神様がお前のやってることを気に入らないと言ってるんだ、と歯に衣着せることなく、ずけずけと告げるディーンに、
一部のSam!girlsの間では
「あまりにサムに対して思いやりがない!Castielに対して、俺のサムに指一本触れたら、天使が相手だってただじゃおかない、って啖呵を切ってやるくらいのことをするのが兄として当然なんじゃないの?!」
なんていう感じで非難の声が盛大にあがっているのを目にしたりもしたのですが、
私にはこのディーンの感情の爆発は、サムに対する怒りというよりも、自分が目を離している間に可愛いサムが悪魔娘ルビーなんかの口車に乗って、一人とんでもない道を歩き出していたことを実感として知った上、サムがこれ以上の深みに足を踏み入れることを万一自分の手で止められなければ、サムの身にどんなことが起こるのかを思って
恐怖を抑えきれないでいるように思えるのです。
何しろ相手は、あっさりと地獄に落ちた人間の魂を掴んで引っ張り上げ、その本当の姿をちらりと見せるだけで悪魔や人間の目を焼ききり、時間を曲げて過去の世界に人間を送り込めるなんていう、とんでもない力をもった天使で、
しかもディーンが素直に言うことを聞かず生意気なことばかり言い続けるなら、また地獄に投げ落とすぞ、なんてことを平然と告げる(コルトやナイフで簡単に殺すことのできる)悪魔なんかよりもよっぽど恐ろしい存在です。
そんなどうやっても抵抗しようのない強大な力を持つ相手を敵に回して、どうにかして愛する可愛いサミーを守らなければならないという焦りにも似た気持ちが、ディーンにあんな風に余裕のない態度をとらせ、思いやりのない言葉を口走らせたようにも思えるのです。
☆
兄弟がお互い半泣き状態で深刻な会話をしている最中、「Travis」というおじさんからサムの携帯に電話が入った様子。
この後の本人の登場シーンを見ると、Travisおじさんとは、ボビーおじさんやジム牧師などのように父ちゃんが可愛い息子達を合わせてもいいだろうと太鼓判を押した数少ない優良ハンターの一人のよう。
ファーストシーズンで、ジム牧師やケイレブの名前と一緒に、もう一人、姿を見せなかった父ちゃんのハンター友達の名前が出てきたはず…、もしかしてそれがTravisだった!?とか?と思って昔の日記を調べてみたところそれはジェファーソンという人でした。
私が気付かなかったり忘れているだけで、ひょっとしたら過去のエピソードの中で名前くらいは出てきたことがあるのかもしれませんが、今回のエピソードのみを基準に考えてみるとどうやら、兄ちゃんを埋葬した後ボビーおじさんとの連絡を絶っていたサムは、Travisのような別の父ちゃんの古い友達から「狩り」の仕事の情報を貰って一人仕事をしていたようですね。
そして、これも今回のエピソードと過去の傾向から総合して想像するに、腕前の優れたハンターというのは、独自の「得意分野」のようなものを持っているようにも思えます。
父ちゃんはオールマイティーだったような気がしますが、
ボビーは「悪魔」?
ゴードンは「ヴァンパイア」
そして今回登場したTravisの専門というか得意分野は「Roogaroo」(このモンスターのスペルって色んなパターンがあって正解がわかりません…)という人肉(Long Pig)を専門に食べる恐ろしい怪物のよう。
この化け物は普通の人間が遺伝子異常で変化するもののようで、この遺伝子を持った人は、三十歳くらいから異常な空腹感を覚えるようになり、それがいつしか人肉を食べたいというどうしようもない欲求に変わっていき、一口でも人肉を口にした瞬間、完全に「Roogaroo」に変わってしまうのだとのこと。
Travisは三十年前に、今回兄弟に調査を依頼した「Jack Montgomery」という男の父親を「狩った」もののその男の妊娠中の妻を逃がし、その後生まれて養子に出されたという男の子のことも(同情心からあえて)見逃したという過去をもっていたのです。
その男の子が三十年後の今になって、危険な兆候を見せ始めていることを知り、Travisはやり残した仕事に今回キリをつける決心をした、ということなのですね。
ディーンがYEDを殺して以降、もう不思議な力はなくなったよと言っていたサミーが、「念じるだけで」悪魔祓いができるようになっていたなんていう衝撃の事実が明らかになった絶妙のタイミングで、モンスターの遺伝子を持つ男の調査が舞い込むなんて…、
まさに兄弟にとっては他人事とは思えない事件です。
☆
「Jack Montgomery」の所へ向かう道すがら、ディーンはCastielに無理やり連れて行かれた過去の実家への里帰りのことをサムに話した様子。
ママがハンターだったなんて信じられないよ。ママってどんな感じだった?…つまり幸せそうだったかい?ああ、最高さ、面白くて頭が切れて、希望に満ち溢れてた。父ちゃんもな。もちろんあのこと(YEDのこと)があるまでは…。
そこで大きな溜息をついたサムに、どうした?と聞くと、なんでもない、ただ、俺たちの両親、それに祖父母まで殺されてたなんて…それも目的はYEDが赤ん坊の僕のところへきて、僕の口に血を垂らすためだなんてさ。
???兄ちゃんは、YEDの血のことなんか一言も言ってないんですけど?お前知ってたのか?
うん…、一年位かな。
この兄弟はとかく秘密が守れず、言わなくてもいいようなことまでお互い打ち明けあってきた印象がありますが、YEDがサイキックキッズたちを集めて行った恐怖のバトルロイヤル合宿の中で見せられた過去の映像のことをサムは兄ちゃんに言ってなかったのですね。
(まあ、サムはあの後すぐにジェイクに殺され、兄ちゃんの命と引き換えに生き返らされて、その後は『俺のことは助けなくてもいい!』と言い張る余命一年の兄ちゃんをなんとか救うため、兄ちゃんに内緒でRubyの知恵まで借りて色々活動していたサムなので、打ち明けるタイミングもなかっただろうと思うのですが)
また、完全に「夫に隠し事をされていたことに衝撃を受ける妻」に戻ってしまったディーンがへそを曲げ、サムももうこれ以上ふくれっ面の兄ちゃんの機嫌をとることに疲れて黙り込んでしまいます。
この辺りのサムの顔が!大人っぽくて!
サムのおかれた状況は、とにかく可哀想なのですが、なんともたまりません。
その後、ごく平凡なただの男に見える「Jack Montgomery」の家の前でそれぞれ手に双眼鏡を持ち張り込みをする兄弟。
先日のEyeConで、Jaredが最近スタッフに仕掛けられたいたずら、として語っていたのはきっとこのシーンですね!(笑)
双眼鏡を覗いた後、目の周りがパンダのようになってしまったお互いの顔を見て仰天する二人の様子、ぜひとも見たいものです!
(ちゃんとシーズン4のGag Reelに入れてくれるでしょうか…)
生のひき肉をむさぼり食べているJackの姿を確認し、モーテルの部屋に戻った兄弟は、勝手に部屋に入り込んでビールを飲んでいるTravisおじさんを発見。
電話などでの連絡はとっていたらしいものの、実際に顔を合わせるのは10年ぶりということで、兄弟をがっしりとハグした後、「大きくなったなー!」「サム、お前はまだ、あーなんていったっけ、mathleteか?(サムは学校対抗の数学オリンピックとかに出る選手だったってことなんでしょうか?)」なんて、いかにも兄弟のことを子供の頃から知っているおじさんらしいこというTravis。
兄弟の調査結果を聞いて、Jackが完全にRoogarooの兆候を示していることを確信したTravisは、早速Jackを狩る準備を始めますが、サムは、独自に調査を進め、Roogarooの遺伝子を持つ人間も「Long Pig」を口にさえしなければ生涯人間のままで暮らせるという事実を掴んだことをTravisと兄ちゃんに伝えます。
このシーンで、独自の調査をしたといい始めたサムに「俺の三十年のキャリアじゃ不足ってことか?」と返したTravisを宥めるため、ディーンが言った台詞が!
【今週の卑猥な台詞】
Dean: Sam loves research. He does. He keeps it under his mattress right next to his k-y. It's a sickness. It is.
サムはとにかく調査が大好きなんだ。そういうやつなんだよ。コイツは、『調査』をベッドのマットレスの下のKYの隣に隠しとくほどなんだ。病気だよ。でもそうなんだ。
この台詞の注釈については一応文字を伏せます、個人の判断において文字を反転させてください。
昨今の日本で『KY』と言えば『空気読めない』の略語になるようですが、私のようなSのつくお話を長年読んできた人間にとって『KY』と言えば、潤滑ゼリーの代名詞のようなもの、(私も詳しくは知りませんが)男の子の中には、人に言えない内緒の『一人遊び』をする際、モノを掴んだ手のすべりを良くするため、潤滑ゼリーを準備する子もいるのだそうで、ディーンはここで、サムは「調査」というものをマス掻きのおかずにするくらい大好きなんだ、とからかうことで、場を和ませているのですね。
とはいえ、サムのせっかくの調査もむなしく、TravisはRoogarooの遺伝子を持った人間が一生「Long Pig」の誘惑に打ち勝ち続けることなど不可能だと言って譲りません。
ただ単純に『狩る』前に、Jackに事情を打ち明け「人肉」の誘惑に抵抗するよう説得したいと言い張るサムとディーンのImpalaの中の会話にはまた胸が痛みます。
Jackは今はただの善良な男だけどその血の中には邪悪なものが潜んでるってとこに、お前は共感みたいなものを持ってるじゃないか?というディーンに、車を停めろ。停めろ!停めないなら俺が止めるぞ。
(俺が止めるって…、サム、兄ちゃんには悪魔祓いが出来るだけだって言ってたけど実は別のサイキック能力も使えるのだったりして…)
完全に停車するのも待たずに車を降りたサムは、このところずーーっと心に鬱屈していた感情をついに吐き出します。
Sam: You want to know why I've been lying to you, Dean? Because of crap like this!
どうして兄ちゃんにずっと嘘をつき続けてきたか、理由を知りたいか?こんな事態になるってわかってたからだ。
Dean: Like what?
どんな事態だよ。
Sam: The way you talk to me, the way you look at me like I'm a freak!
兄ちゃんがまるで俺のことを化け物みたいに話したり、俺を見たりするってことだよ。
Dean: I do not.
俺はそんな。
Sam: You know, or even worse, like I'm an idiot! Like I don't know the difference between right and wrong! What?
なあ、もっと悪いかもな、俺をマヌケだとでも思ってるんだ。俺には善悪の判断も付けられないと思ってるんだよ。
Dean: Do you know the difference, Sam? I mean, you've been kind of strolling a dark road lately.
サム、お前本当に判断つくのか?つまり、お前はこのところ大分薄暗い道をふらふらしてるぞ。
Sam: You have no idea what I'm going through. None.
兄ちゃんには俺がどんな思いをしてるかわからないんだ。何一つな。
Dean: Then enlighten me!
だったら教えてくれよ!
Sam: I've got demon blood in me, Dean! This disease pumping through my veins, and I can't ever rip it out or scrub it clean! I'm a whole new level of freak! And I'm just trying to take this -- this curse...And make something good out of it. Because I have to.
ディーン、俺の中には悪魔の血が入ってるんだ!この病気は俺の血管中を巡ってて、俺にはそれを引きちぎって取り出すことも擦り落としてきれいにすることもできない。俺は全く新しい段階に到達した化け物だよ!でも俺はこの事実を――この呪いをなんとか受け入れようとしてるんだ…で、そこから何かいいことが引き出せないかってさ。だって、俺にはそうするしかないんだから。
シーズン4が始まって以来ずっとディーンの怒りや爆発を受け止めて、静かに耐えてきたサムの血を吐くようなこの言葉には、涙が出そうです。
☆
そんなサムの切実な願いをもとに、兄弟二人がかりでおこなった説得も届かなかったように思えたJackでしたが、それでもなんとかぎりぎりのところで自分の身体の中から湧き上がる欲求に耐えていたところへ、
三十年前の仕事のやり残しを片付けるためTravisが単身乗り込んできてしまい、事態は最悪の方向へ。
(ストーリーの流れ上、そうなるしかないという予感はしていましたが、Travisおじさん、ボビーとはまた一味違うハードボイルドな荒削りな感じが素敵だったのに…残念です)
Travisから一足遅れでJackの家に乗り込んだ兄弟は、完全にRoogarooに変化したJackに襲われ…。
☆
クローゼットの中に閉じ込められた状態で意識を取り戻したサムは、まるで自分自身に言い聞かせるように、Jackに語りかけ説得しようとします。
このシーンはシーズン1で兄弟が初めてYEDのサイキックキッズの一人に出会った『Nightmare』を思い出します。
あの時のサムは「兄ちゃんが死んじゃう!」と思った瞬間サイキック能力を爆発させて、閉じ込められたクローゼットから飛び出していましたが、
今回のサムは、ひょっとしたら能力を使えば簡単にドアを開けられるとわかっているのに、あえて自分で力を封印したまま、ワイヤーハンガーなんかを使って鍵を開けていたのであるように思ったのは私だけでしょうか。
そんなサムが(視聴者の私達にも)隠しているかもしれない能力の他に、もう一つ疑問に思ったのは、Jackはどうしてサムをクローゼットに閉じ込めたのかということ。
先週、素敵なじいちゃんに憑り付いたYEDは、ディーンの首筋の匂いを嗅いで「お前は違う」なんて言ってましたが、YEDの血を飲んだサイキックキッズたちの血って実はあまり美味しくないのでしょうか…。
もしくはディーンが特別美味しい、ということなのか。
(で、とりあえず筋っぽくて大きいだけの子は後で食べるためにしまっとこうと思ったのか…)
なにしろこの子は、シーズン1のWendigo相手に「俺は美味しいぞ!」とオトリになり、
「Dead Mans Blood」でも、Impalaが壊れたフリをしつつ可愛いお尻を差し出してヴァンパイア釣りのオトリになり、
シーズン3の「Freshblood」でもヴァンパイアをおびき出すために「Free Lunch!」なんて言って腕を切ってみせたりしていて…。
そういえば…The Official Companion Season 1 で、サムから
「(化け物に生きたまま食べられるとしたら)Fortunately, Dean will go first, because apparently he tastes good.」
とも言われてましたっけ。
コーヒーテーブルの上に流れたディーンの血をとんでもなく甘くて美味しいシロップかなにかのようにJackが震える指ですくって舐め、恍惚に身体を震わせている様子をみると、ディーンの美味しさってかなりのレベルなのかもとも思えてきます。
そんなこんなで、ディーンのあまりに可愛い寝顔に思わず(Jackと一緒に私まで)生唾を飲みつつ、Jackがディーンの背中に手を乗せると、そのJackの手の感覚によってか、わずかに意識を取り戻して長い睫毛を震わせたとんでもなく美味しそうなディーンに、たまらず一口食べようとあーんと顔を近づけたところへ、
運悪くサムがクローゼットの鍵を開けて出てきてしまいます。
俺の可愛くて美味しい兄ちゃんを今一口食べようとしたよな?今、絶対、あーんって口あけたよな?
ということで、もちろん完全にRoogarooとなってしまったJackはサムの手で丸焼きに。
☆
Impalaに乗り込んでの帰り道、再び『Psychic thing』のことを持ち出してとことん話し合おうとするディーンでしたが、サムはこれ以上兄ちゃんにどんなに説明し続けてもなんにもならない、兄ちゃんには理解してもらえないと会話を打ち切ってしまいます。
そして、
Sam: These powers -- it's playing with fire. I'm done with them. I'm done with everything.
このサイキックパワーとかって――これって、火をおもちゃにしてるようなものだ。もう、使う気はないよ。もう何もかもうんざりした。
サムが力を封印する決心をしたことに感謝する兄ちゃんに、
Sam: Don't thank me. I'm not doing it for you. Or for the angels or for anybody. This is my choice.
俺に感謝する必要ないよ。俺は兄ちゃんのためにそうするんじゃない。天使とか、他のなんのためでもない。自分でそう決めたんだ。
ここであえて天使のことを持ち出したサムに、(ルビーとサムのことに焼きもちを焼くディーンとはまた別の意味で)Castielと兄ちゃんのことに、何か微妙な反発を感じている様子も伺えるような気もします。
兄ちゃんは、サムがそう決心してくれたんならもう安心!とすっかりすっきりした顔をしていますが…、
きっとそう簡単にはいかないのですよね?
2008年10月16日木曜日
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5 件のコメント:
藤葉様
おはようございます。お邪魔いたします、eiriです。
今回の感想も、最初から最後まで楽しく拝見させて頂きました~。まずは、シーズン4の冒頭3話の藤葉様の説明に、そうそうそうですよね…と頷いて読み進めると、翻訳の夫婦喧嘩バージョンが! 楽しすぎます~。
夫の不倫発覚…確かにそう見えますよね、サムの動揺具合が特に(笑)そして、Castielの説明のお仕事斡旋天使にも笑わせて頂きました!いやぁ、ぴったりです~。
藤葉様の訳の絶妙なところは、夫婦喧嘩バージョンであってもサムとディーンの場面がちゃんと思い浮かべられるところですね。本当に素晴らしいです!!
しかも! 同時にドラマが伝えんとするところの真意もきちんと把握できるのが大変有り難いです。
今回のEPの兄弟のやり取りは、会話が分からなくてもあまりに痛々しくて、繰り返し観るのは辛いかな…と正直思ってましたが、この訳を拝見した後だと、本編とは切り離して別バージョンでも観れそうな気がしてきました。1話で三度以上美味しい気分です。ありがとうございます♪
>恐怖を抑えきれないでいるように思えるのです。
藤葉様のこのお言葉に、私も同感です。ディーンの言葉は、得体の知れない力のせいで自分の理解を超える領域にサムが行ってしまうんじゃないかという不安や、サムにひどいことが起きるのではという恐怖からきていると私も思いました。
たとえ「Please」とお願いしても簡単には聞いてくれない、可愛いけれど頑固なサミーに対して、「お前は俺がこんな風に思うくらいひどいことをしているんだ、やめてくれ」という気持ちを込めた、懇願の裏返しの言葉なのかしら…と思わず考えてしましました。
それから、ディーンが特別美味しい説ですが、これも同感しちゃいました。寝顔も可愛くて、確かに美味しそうです!しかし、今シーズンはなんとなく、ディーンのヒロイン度が上がっているような気がしてなりません。女性キャラがあまり出てこないからでしょうか。しかも新ルビーさんは、美人だけど何となく地味ですしね…。(でも愛人位置にはピッタリの顔かも…)
格好良いディーンの他に、可愛い彼がたくさん観れるのは嬉しいので良いんですが、もの凄く製作陣に踊らされている気が(笑)
いつにも増して長いコメントになってしまって、すみません…(汗)
今回も素敵レビューをありがとうございました!コメント書きそびれましたが、もちろん第3話の最後のレビューも楽しく拝見させて頂いています。重ね重ねありがとうございます。次の更新も楽しみにしています。
eiriさん
早速のコメントありがとうございます。
シーズン4に入ってから、eiriさんご指摘のとおり、兄ちゃんに秘密を抱えた>サムの動揺具合が特に(笑)浮気がばれた旦那さんにみえてしかたがなくて、
さすがにやりすぎかな…、と思いつつも、お馬鹿な夫婦喧嘩バーションの訳をつけてしまいました。
人によっては拒否反応が出るかも…、と少々心配もしていたので、
>夫婦喧嘩バージョンであってもサムとディーンの場面がちゃんと思い浮かべられる
などと言っていただくとほっとします。
シーズン4も始まったばかりで、そう簡単にはAzazelの計画の全貌や、サムの能力の真実などについては明かせない、という制作側の企みもあるのでしょうが、
今の所、とかく視聴者と同じ目線であるディーンを中心に物語が展開している感じですよね。
そのためもあってか&Jensen人気の高さゆえか、必要以上にディーンの可愛さや美人さに焦点を当てた演出がなされているようにも思えます。私の目にだけそう映るのか…とも思っていましたが、eiriさんも同感でしたか(笑)
『ディーンが特別美味しい説』これも、明らかに制作側としてはそういう暗喩を提示してますよね?
シーズン4も大分軌道に乗ってきたところなので、私としては、もうそろそろ(せめて兄弟同等になるくらいには)サムに焦点を当てたエピソードがみたい…、という気分になってきています。
また次回が楽しみですね。
体調、良くなったみたいですね。「動けなくなるほどの痛み」とうかがって辛そう…と心配していたのですが、回復されたようで、ホンマよかった、よかった。
さてさて今回もコレって「ちょっと?」と思いながら楽しい感想文を読ませて頂きました。読む方としてはあっという間なんですが、書かれる方は本当に大変だと思います。お疲れ様でした。
前半の兄弟の会話を熟年夫婦の会話に変換。もう爆笑でした。藤葉さまから事前に情報を頂いてはいたものの、私もEP見ながら「どの角度から見ても夫婦喧嘩にしか見えない…」と思ってしまいました。私の中では「荷物をまとめて出て行こうとするDean(=実家に帰ろうとする妻)」と「それを止めようとする夫(Sam)」で確定。何とか「仲の良過ぎる兄弟だよね(汗々)」という目で無理やり見ていたけれど、それももう限界で無駄な足掻きは止めました(苦笑)
夫婦喧嘩に見えてしまう兄弟の口論ですが、内容は重いですね。(今回も藤葉さまの感想文に色々と助けられました。ありがとうございます。)
それぞれの立場や気持ちが何となく理解できるから切ない。
↑のコメントで藤葉さまが「もうそろそろ(せめて兄弟同等になるくらいには)サムに焦点を当てたエピソードがみたい…」と書かれていますが、私も同意見です。S1から兄の「弟(家族)を守る&助ける」という表現の方が強く、逆に弟の立場や心情などは割りとサラ~と描かれていて「ちょっとバランスが…」と前々から気になっていました。
家業が嫌で家を出たけれど実は自分自身が渦中の中心である何とも不憫な子Sam。そんな彼が抱える不安とか恐怖とか(いくらDeanという頼りになる存在がいたとしても)半端ないと思うのでが…。それこそDeanを助けれらず、Deanがいない世界で生きていかなければならないSamの絶望は計り知れず。何がキッカケでDeanの死から立ち直って、Rubyの悪魔祓い?のスパルタ教育(と私は勝手に思ってます)を受けて、その能力で人助けをしようという結構前向きなSamには驚きましたが、この数ヶ月Samにも色々あったんだろうなぁ~と気になっています。それにしても、今のRuby、出番も少ないせいか「大人しくって、本当にRuby?」と思ってしまいます。何だかKatieのRubyが恋しい(苦笑)
制作側の意図もあるんだろと思いつつも、そろそろSamの心情を深く描く場面が欲しいと(それこそJaredならとっても良い演技を見せてくれると思うし)、そういう願いを持って毎度EPを楽しみに見ているのですが、S4に入ってSamの場面が更に(苦笑)S4に入って面白さは増しているので、期待しながら追いかけないと!
気がつけば、新EP放送日ですね。1週間が早いです。
kyuさん
ほんの1日2日ですが、病気が一番重かった頃の痛みが蘇って、ど、どうなることかと思いました。ご心配をかけてしまいましたが、おかげさまで嘘のように痛みが引いて現在はすっかり元気です。
今回も「今週のモンスター」は置いといて、兄弟のシーンだけについてちょこっと感想文を…と思ったのですが、最近、どうも気付くと長々と書いています。
(疲労しつつも)私自身、楽しんで書いているものなので、こうして"楽しかった"と感想をいただくと報われる気がします。
第4話の兄弟、完全に熟年夫婦でしたよね?!(笑)
>そろそろSamの心情を深く描く場面が欲しい…
私もまさに同感です。
Azazelのendgameの計画が明らかにされていく中で、Samにクローズアップしたエピソードが出てくるはず…とは思いつつ、そうなった時、兄弟が対決しなければならなくなったりしたら…、という気持ちもあり、
これもいつまでも仲良しの兄弟を見ていたいというオバサン心なのかもしれません。
最近、本当に一週間が早いです!
私は、ほんの少し前に第5話を見終えたところですが…、今回は、とっても可愛くて楽しいエピソードでした。
この楽しい気持ちが消える前にまたなんとか(少しだけ)感想文が書ければと思います。
藤葉さま
すっかり元気になられてなによりです:D♪
早速「P.S. I Love You」見に行かれたんですね。私も土曜のレイトで鑑賞予定だったんですが、次週に延期になってしまいました。だから最新の日記は鑑賞後に読みたいと思います。楽しみ~。
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「今週のモンスター」
EPを重ねるごとにモンスターもDeepになってきているような気がして完全に付いていけてない…です。S404のRoogarooも耳馴染みのない名前(発音し難い&舌噛みそう)で、映像で人を食べちゃうモンスターぐらいにしか分かりませんでした(汗々)だから私としては感想文が色々と広がって下さると大変有り難かったりします。いつも甘えてばかりで恐縮なんですが…。(そうそうSのつくお話もまだまだ未熟者の私には「今週の卑猥な台詞」にはニヤっと反応しちゃいました。)
>Samにクローズアップしたエピソードが出てくる~兄弟が対決しなければならなくなったりしたら…
そういう展開になってしまいそうですね。私も「いつまでも仲良し兄弟を見ていたい」という思いもあるのですが、「兄弟対決などの大きな逆境を乗り越えて幸せになる兄弟(作品としては盛り上がりそう)」も見てみたい…という捻くれた性格も出てきたりして(苦笑)
S405、楽しいお話でしたね。(このEPはSamがDeanに向ける視線&嬉しそうな表情がとても印象的でした。ん?最近、SamSamSam…Samの事ばかり語っているような?)楽しい話と言いながら、相変わらずヒアリングがダメなので、たくさんの笑い所&小ネタを逃していると思います。(多分元ネタになっているだろう「ドラキュラ」も小さな頃に深夜映画でコッソリ見たぐらいの記憶しかなく…有名な話だけど単に私が知らないだけ?)だから、S405の(少しだけ?)感想楽しみに待っております。
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