Supernaturalの第18話については、既に海の向こうのFan Girlsが様々なトリビアを散りばめたレビューを色々公開していますね。
中でもこの人↓のレビューは、かなり細かく面白いことが書いてあります。
http://raloria.livejournal.com/49172.html
ということで、SPNの第18話について、私の浅はかな知識でお茶を濁すのではなく、今回は番外編ということにして、Supernatural slasher の見たX-Files と題して日記を書いてみたいと思います。
最近、寝ても覚めてもスーパーナチュラルという感じで、完全に自分のルーツを忘れかけていた私。
今回は…、既にどう否定しようとしてもできないレベルに達してしまった Supernatural slasher としての立場から、本当の初心に戻って、X-Filesのエピソードを一つご紹介してみたいと思います。
しかも前後編…。
かなり、かい摘んだつもりなのですけど、一回の日記の分量にはおさまりませんでした。
この時点で、今回の日記、かなり読んでくれる人が減ったような気も…。
でも、くじけず書きたいことを書いていきます。(それがこの日記の真の目的ですから!)
SPN S2第18話のタイトル「Hollywood Babylon」。
このタイトルと、本編放映前に公開される予告編およびディレクターズカットのなんだか楽しそうな映像を見た瞬間、X-Filesファンの私の脳裏に浮かんだのは、X-Files 7thシーズンの奇しくも同じ(偶然?)第18話「Hollywood A.D.」でした。
今回の兄弟は、撮影所内で起きたSupernaturalな殺人事件の調査のため、撮影所内に入り込んでいました。
オープニング明け、観光客用のトラムに乗っている二人の姿だけでも笑えるのに、
「And now we come to the set of the TV show GILMORE GIRLS, and if we're lucky, we might even catch sight of one of the show's stars!
(こちらはGilmore Girlsのセットです、もし運がよければ皆さん、出演者の誰かに会えるかもしれませんよ!)」
なんていう案内のお姉さんのコメントにビクッと反応してトラムから降りてしまうサム(ジャレッド)の姿に更に笑い声がもれて、これから楽しい話になっていきそうな予感にわくわくしましたね。
そして今回ご紹介する X-Files の 「Hollywood A.D.」 も、タイトルからも分かるとおり、ストーリーにはハリウッドが大いに絡んできます。
***
オープニング(注:もう一度確認しておきますが、X-Files「Hollywood A.D.」です)
明らかにモルダーではないおじさんがモルダーとして、怪しいスナイパーゾンビと銃撃戦を繰り広げています。(ここでモルダーを演じているのは Garry Shandlingという俳優さんです)ゾンビの親玉らしい Cigarette-smoking Pontiff(肺がん法王、とでもいうか…) の腕には明らかに赤毛のカツラを被った女性が捕らえられており、彼女はスカリーだと…。
彼女の顔がアップになった時、見ていたファンは皆「あっ」と声を上げたはずです。
7シーズンを最後にX-Filesのレギュラー出演者としての立場を降板してしまったモルダーことデイビッド・ドゥカブニー。第18話(でも第1話が前後編の2話に分かれていたので、実質19話ともいえます)ともなると、次のシーズンにレギュラー出演しないことは、ほぼ決定していたのかもしれません。今回のエピソードは、まるでモルダーのお別れパーティーみたいに、最初から最後まで、本当に楽しい仕掛けが盛りだくさんなのですが、このスカリー役の女優さん Tea Leoni。「ジュラシック・パークⅢ」への出演などでもよく知られている彼女は、DDの奥さんです。
(シーズンの初期の頃からその時々の彼女をエピソードにゲスト出演させてきたDD、最後はついに奥さんを出演させた!ということなのですね)
戦いの鍵になっているらしい「Lazarus bowl」を破壊して、抱き合ったまま墓穴へと転げ落ち、棺おけに閉じ込められた偽モルダーと偽スカリー。
この後は、X-FilesのTranscripts Archive から引用させてもらいます。
(X-Filesは、様々なファンサイトが全エピソードの詳細な Transcript を公開していて、こんな作業をするのにはとっても便利です。SPN の妄想日記で、いつもコツコツと自分でタイプしている労力を考えると…)
TEA LEONI AS SCULLY: “Is that your flashlight, Mulder, or... you just happy to be lying on top of me?”
(それって、あなたの懐中電灯なの、モルダー、それとも…私の上に横になって嬉しい気持ちが現れてるってこと?)と、すごく際どい台詞をいうティア・スカリー。
(このティア・スカリーの台詞だけはエンディングのシーンにも響いてくるので、日本語をつけます)
(We see the screen flicker. We realize that we are in a movie theatre watching this. The audience chuckles.)
DARRYL ZANUCK THEATER
20TH CENTURY FOX
HOLLYWOOD, CALIFORNIA
(SPNでもお馴染み、現在地の場所の表示が画面に出ます)
GARRY SHANDLING AS MULDER: My flashlight.
(In the coffin, GARRY SHANDLING AS MULDER turns on his flashlight, illuminating their faces. TEA LEONI AS SCULLY smiles and shifts position and GARRY SHANDLING AS MULDER gasps.)
GARRY SHANDLING AS MULDER: (realizing) Oh, that.
ティア・スカリーに押し付けられていたのは、懐中電灯ではなかったことが分かります(笑)
SPNではキスシーンやSexシーンはあっても、こういうシモネタは…ないですよね?
やはり視聴者の年齢層の差、でしょうか。
(Audience laughs harder.)
GARRY SHANDLING AS MULDER: You know, seven long years I've been waiting for just the right moment, Scully.
TEA LEONI AS SCULLY: Oh, you're a sick man, Mulder. Go on.
(Audience shot of Chris Carter eating popcorn out of a plastic replica of the bowl that is in the movie. He is grinning and nodding happily. We pan across to see that David Alan Grier and Minnie Driver are also in the audience.)
[TD Note: You can barely see someone whispering in Carter's ear at the start of this shot. That's Bill Millar who also plays the director of the movie.]
(逐一こういう説明を入れてくれるので、私が調べる必要がありません。映画館の客席には、X-Filesの製作に関わるお偉いさんが勢ぞろいしているということですね)
GARRY SHANDLING AS MULDER: I love you, Scully. No ifs, ands or...
TEA LEONI AS SCULLY: Bees.
(They both moan as he kisses her deeply. Audience laughs. Kissing and moaning continues as the camera pans across the rapt faces of TEA LEONI, GARRY SHANDLING, and other audience members, finally reaching SCULLY and MULDER at the end of the row. Like the rest, they are dressed formally, SCULLY in a black dress, MULDER in a tux. SCULLY's shoulders are up around her ears as she stares at the screen in horror. MULDER is watching in shock. As the kissing continues, he groans and drops his head into his hands. He looks up and across the aisle at SKINNER who looks back at him and grins broadly as he eats his popcorn out of his "Lazarus Bowl." MULDER stares at SKINNER a moment, then back up at the screen where TEA LEONI AS SCULLY and GARRY SHANDLING AS MULDER are STILL kissing passionately inside the coffin. SCULLY hasn't moved. MULDER has a moment of extreme depression, and then drops his head despondently.)
(偽モルダーと偽スカリーの激しいキスシーンが繰り広げられている映画館の客席には、タキシードと黒いドレスで正装した本物のモルダーとスカリーが!さらにモルダーの斜め前には、やはりタキシード姿のスキナーさんがいて、ポップコーンを食べながらモルダーを振り返り、なんだか嬉しそうに可愛い(私だけ?)笑顔を見せたりしています。いったい、どういうことなのでしょう…)
オープニング明け。
18ヶ月前。
モルダーとスカリーは、スキナー副長官の部屋で、副長官から直々に、これから担当することになる事件についてのブリーフィングを受けています。
(副長官!本当に Your voice should be illegal!です)
が、なぜか二人の背後には、手のひらサイズのミニレコーダーを持った男が座っていて、二人のことを観察しつつ、レコーダーになにやらコメントを吹き込んだりしています。
事件の概要としては、アメリカ人として初の法王候補にあがってもおかしくないほどの有力者であるオファロン枢機卿(Cardinal O'Fallon's)の教会の地下の墓所で爆発事故があったのだということ。
宗教関係の知識にはまるで関心のないモルダーに対し、敬虔なカトリック教徒として育ったスカリーが的確に豆知識を与えていきます。
その間にも背後でぶつぶつとうるさい男に、ついに我慢の限界にたっしたモルダーが「あいつは何者なんです?」と副長官に尋ねると、彼(Wayne Federman)はスキナーさんの大学時代からの友達で、現在はハリウッドで脚本を書いていて、次回FBIをテーマにした映画を考えているのでスキナーさんのところにアドバイスを受けにきた、と。すると男は、a writer-slash-producer(プロデューサーも兼ねたライター)だと肩書きを訂正。
ウェインのポロッともらした言葉で、Skinnerさんのあだ名がSkinman であることもわかってしまいます。(副長官、大学時代にはもう髪が…?)
X-Fileにも全く関係なさそうな教会爆破事件なんかを押し付けられたのも Star Trekky(スタートレックっぽくて)でSilence of the Lambs meets Greatest Story Ever Told(「羊達の沈黙」と「偉大な生涯の物語」(キリストの生涯を描いた映画)が出合ったか)のような映画を作る計画だ、というウェインに危険が及ばないようテーマに則した取材をさせるためなのだ、ということに気付いたモルダー。
MULDER: Sir, have I pissed you off in a way that's more than normal?
(サー、僕、普段以上にあなたの気に触るようなこと、何かしましたか?)
モルダー、あんたも一応、副長官にいつも迷惑かけてるってことに自覚があるのね。
単なる爆破事件だと思っていた事件は、キリストがラザロを復活させる時に用いたという「ラザロの大杯」や復活後のキリストの男性としての生涯を描いた「マグダラのマリアの福音書」なんかにまつわる宗教的な陰謀の匂いがちらついてきて、思ったよりも大きな事件になりそうな様相を呈してきます。
(テーマとしては、ほとんど「ダヴィンチコード」と一緒です。キリスト教徒にとって、とにかくセンセーショナルなこのテーマは、宗教を題材にした脚本には使われやすいのですね)
そんな中、ハリウッドに毒されきっているウェインの描写がまた際立っています。
モルダーの調査にくっついて歩いているウェインが、骸骨が動き出して、大杯のかけらを集めたりしているのを目撃しても、「あれはCGだよ」なんて言い、さすがのモルダーも:
MULDER: (chuckling) Federman, that wasn't a movie. That was real life.
(これは映画じゃないんだ、現実の人生なんだよ)
WAYNE FEDERMAN: The difference being?
(そこに違いでもあるって?)
ウェインの業界人ぶり、どこまでも徹底しています。
SPN「Hollywood Babylon」でも、いけ好かない Suits(Slashでもネットワークのお偉いさんのことをこんな風に表現するシーンが良く出てきますが、スーツ姿で現場にふらっとやってきては、思いつきで無理難題を押し付けて帰る嫌な存在、というニュアンスが入ってる感じがします)が、目の前に現れた女性の幽霊を完全にメークをした俳優だと信じ込んで全く恐がらないシーンが出てきましたよね。
映画やテレビなんかの業界に長く身をおいていると、人間どうしてもこうなってしまうのでしょうか…。
サムとの会話も上の空で、覚えたての業界用語を使って、すっかりPA(production assistant)になりきってたディーンは妙に可愛かったですけどね(笑)
命を救ったDirector(でした?)からも、ファン冥利につきる美味しい思いをさせてもらったらしい女優のTaraからも、「You are one hell of a PA!」と賞賛されていましたが、褒められたのは全て、PA以外の仕事だったようです。
とはいえ、これはX-Filesファンの欲目も入っているかもしれませんが、Supernaturalの場合、監督さんレベルの人たち、そしてもちろんJensen&Jaredを筆頭に、スタッフは皆、業界に毒されていない、というか、まともな感じの人たちが集まっているような気がします。
そして、事件の真髄に達するのもいよいよこれからという時なのに、ウェインは「欲しいものは手に入ったから、もう帰る」と言い出し:
MULDER: Well, you know, sometimes truth can be stranger than fiction.
(ねえ、時には真実はフィクションよりも奇なりってことだってあるんですよ)
WAYNE FEDERMAN: Well, fiction is quicker than truth and cheaper. You want my advice? You're both crazy.
(フィクションは真実よりも手っ取り早いし、なにより安い。アドバイスをあげようか?君達はふたりともクレイジーだ)
MULDER: Well, why do you say that?
(ええっと、どうしてです?)
WAYNE FEDERMAN: (to MULDER) Well, you're crazy for believing what you believe. (to SCULLY) And you're crazy for not believing what he believes. I'll leave you with that. Thank you.
((モルダーに)君は、君が信じていると信じるもののためにクレイジーだ(スカリーに)そして君は、彼が信じるものを信じないということでクレイジーなんだ。サンキュー)
(He leaves.) (去っていくウェインを見送って)
MULDER: I miss him already.
((彼がいなくなるなんて)もう寂しいよ)
こんな、心にもない台詞を言わせたらモルダーはまさにピカイチです。
モルダーのGeeky friend(オタク友達)の一人である、Chuck Burks (モルダーには、Lone Gunmen以外にもこんな友達がいました)の協力を得て、相変わらず申請も許可も無しに強引に捜査を進めていくモルダーと、(今回は宗教がらみということで)スカリーもモルダーを引き止めることなく、どっぷりと一緒に捜査に嵌り込んで行き…。
米国キリスト教社会でも、最高の有力者であるオファロン枢機卿を殺人犯人という冤罪で逮捕してしまったことにより、モルダーとスカリーは、スキナー副長官から大目玉をくらった上、4週間の停職処分となってしまいます。
こういうお遊びエピソードでは、おかしな台詞を言わされることの多いスキナーさん。
捜査の過程で、事件と無関係の死体を許可なしに解剖してしまったことについて、この二人の問題児を叱責するシーンでも:
SCULLY: Sir, the dead man looked very much like Micah Hoffman. He had Hoffman's I.D. on him...
SKINNER: Agent Scully... if I'm carrying Marilyn Monroe's purse do you assume that I slept with J.F.K.?
副長官、それはあまりに極端な例えです!
二人が調査した事実とは離れて、とりあえず解決してしまった形になっている今回の事件の謎がさらに深まるシーンを挟んで…。
停職中のモルダー、自宅のカウチに寝そべっています。
かの有名な Mulder’s insomnia(モルダーの不眠症)を代表するシーンですね。
本日の彼の眠れぬ夜のお供は、「Plan 9 From Outer Space」(白黒のSFホラー映画のようです)。
モルダー、テレビから流れてくる声に合わせ、画面も見ずに台詞を暗誦しています。
SPN「Hollywood Babylon」でも、ディーンのホラーマニア(というか、ディーンはホラーに限らず映画マニアなんでしょうか)としての知識が色々と事件の調査に役立っていましたが、手間のかかる父ちゃんとサムの二人を抱えて、忙しい狩りと主婦業の合間にモーテルのテレビで映画を見ていたのであろうディーンに比べ、孤独な少年時代以降何十年、何にも邪魔されずにどっぷりとホラーとSFに漬かって生きてきたモルダー。
マニア度では、モルダーの方がきっと断然上です。
そこへ、ノックの音がして、モルダーの 「It's open.」 の声に応えて姿を現したのはスカリー。
(きちんと戸締りしたところで、いっつも不法侵入されているモルダーの部屋だけど、ワシントンD.C.なんていう大都会で、モルダー、あなた、鍵もかけずに暮らしてるんですね)
「君も眠れないのかい?」なんていう言葉で、真夜中の自宅になんということもなく、異性の同僚を招きいれているモルダー。
この二人、時々こうして、家族のような気楽な仲の良さを見せてくれます。
今回の事件をちょっと蒸し返して、二人で話した後。
SCULLY: How...?
MULDER: (answering the question before she asks) 42.
SCULLY: You've seen this movie 42 times?
MULDER: Yes.
SCULLY: Doesn't that make you sad? It makes me sad.
(They sit quietly for a moment as the movie continues. Two men are looking at a map.)
ACTOR 1: You ever been to Hollywood?
ACTOR 2: Oh, a couple of times a few years ago.
ACTOR 1: You're going to be there in the morning. Just a few minutes from Hollywood in the town of San Fernando reports have come in of saucers flying so low...
MULDER: You know, Scully, we've got four weeks probation vacation and nothing to do and Wayne Federman's invited us out to L.A. to watch his movie being filmed and God knows I could use a little sunshine.
(She looks up at him. He smiles.)
MULDER: Scully...
(On the screen, a flying saucer wobbles by.)
SCULLY: (resigned) California, here we come.
“could use” が出てきたのに気付きましたか?
”need”とほぼ同意義のこの言い回し、会話の中で、本当に普通に使われてるんですよね。
会話の日本語訳もほとんど省略したにも関わらず、あまりに長くなってしまったので一旦ここで休憩です。
後半、いよいよ、モルダー&スカリーが Hollywood に乗り込みます!
2007年4月27日金曜日
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2 件のコメント:
藤葉様こんばんは。
どーしも知らせたくて、また来てしまいました。
Jensen、出てましたよー。26日発売のぴあ、MONTHLY PIA SELECTIONというページです。
DVDのページなので、全国どこのぴあにもあると思います。ちなみに東京版は、68ページ。
うっとり見とれてしまう美しい
Jensenをみつけ、私、あやうく本屋で踊りだしそうになりました。(危ない危ない…)
家に駆け込んで大慌てでここに来るあたり、
ホントにaddictionでしょ?
slashのことはあまり知らなかったのですが、これからハマリそうです。それにしても、SteveまでがSlashnに登場しているなんて…。驚きました。
藤葉様とJensenは、アリ地獄です。ハイ。
ま、スキ好んで入ってますけど。
次は、Jensen音楽情報再確認のためにサーフしてて、またもや拾ってしまったネタを持って来ます。
おやすみなさい。
maxy494さん。
ぴあ?その26日にまさに手に取ったのに!
疲れてふらふらして…、不覚でした!
DVDのページなら、きっと全国共通の記事ですよね。
つい先ほど、まさにSteve&Jensenの声を聞きながら、二人のSlash読んでました…。
そのWriterさんが言ってたとおり、一番左のCDに入っている「Wasted jamie」は、なんだかSteveの声がらしくない、というか(これは私の感想→)色っぽくない、と思ってしまいました。
またのご来訪楽しみにしてますね!
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