本当は、ストーリー的に考えれば、この後のチャプターはほとんどおまけのようなものなのですが、とにかくおふざけシーンの連続で、X-Files ファンとしては、それがShipper(モルダー/スカリー派)であっても、Slasher(モルダー/スキナー派)であっても、ニヤニヤしすぎて顔が痛くなるほど。
そんな訳で、このエピソードを語る以上、この先も省略することはできません。
なのでまだまだ続きます。
***
4週間の停職をくらった二人。
せっかく暇なんだからと、スキナー副長官の友達であり、ああ見えてハリウッドのお偉いさんでもあるウェインの誘いに応じて、カリフォルニアへとやってきました。
でも、なぜか二人ともいつもと同じ仕事用のスーツを着ています。
二人を出迎えるウェイン。
なぜかモルダーの頬にキスをして、スカリーとは握手しています。
(一々ファンを笑わせる細かい演出をしてきます!)
そして、スクリーンの中で二人を演じることになる、GARRY SHANDLING と TEA LEONI に紹介されるのですが、私が参照している Transcript では、その4人の自己紹介模様をこんな風に楽しく表現しています。
とにかく面白いのでそのまま引用してしまいます:
MULDER: Nice to meet you.
SCULLY: Hi.
GARRY SHANDLING: Nice to meet you.
TEA LEONI: It's a pleasure.
MULDER: Big fan. Fox Mulder.
(MULDER is shy in front of TEA LEONI. Both women notice. Very cute.)
この辺りのコメントが Fan Girlっぽいですよね(笑)
TEA LEONI: No kidding. Huh.
(Pause. MULDER looks over at GARRY SHANDLING who jerks his eyes up from MULDER's crotch area. TEA LEONI turns to SCULLY.)
TEA LEONI: Well, you know, while I've got you here maybe, uh, maybe you could show me how to run in these things.
(She indicates the 2 inch heels she is wearing that SCULLY could easily wear in an aerobics class.)
背の高い男性出演者達(モルダー:6’、クライチェック:6’1”、スキナーさん:6’2”)となんとか一緒に画面に映りこまなければならないため、小さなスカリーはいつも、とんでもない高いヒールを履いていて、しかもそのまま走り回っているのです!
TEA LEONI: Right over here, I was thinking 'cause, I tell you, I'm having a hell of a time with these heels. What, are they government issue or something?
(TEA LEONI walks a few steps away. SCULLY, not knowing what else to do, follows. MULDER is left with GARRY SHANDLING. While the two men talk, we see SCULLY, several feet away running her heart out back and forth in her own higher heels. TEA LEONI is barely watching her, much more interested in the conversation she is having on her cell phone. Hysterical. The scene must be watched twice - once for the guys and once for the girls.)
[TD Note: Arlene Pileggi, Gillian Anderson's stand-in and Mitch Pileggi's wife, is doing the running. She nearly tripped during filming but ended up receiving a huge round of applause. Very funny scene which I missed the first time 'round as I was too busy watching DD and Garry Shandling.]
そして私、今回このTranscriptをじっくり読むまで気付いていなかったのですが、このティアにスカリーが延々走らされるシーンでは、実際には、スカリーのDoubleである、スキナーさんことミッチ・ピレッジの実生活での奥さんが走っているのだということ!
私ももう一度見てみましたが、スカリーよりも気持ちほっそりしてるかな?
彼女、とにかく頑張って、何往復も全速力で走ってます。
そして、Shandlingと二人きりで残されたモルダーが、彼から、いつもモノはズボンのどっち側に?なんていう(またもやシモの)質問をされている後ろを歩き回っているワンコは、モルダーことDDの愛犬なのだそう。もう家族総動員ですね。
撮影所での見学を終え、ウェインが取ってくれた高級ホテルの部屋に戻った二人。
豪華な Bubble bath に入って赤ワインを飲みつつスカリーがモルダーに電話します。
私よ。今、何してる?なんていうと、モルダーは、コンピュータでちょっと仕事してる、君は何してるの?との返事。あたしは…、荷造りよ。ほら、明日ワシントンに帰るでしょ。だから準備してるの、なんてごまかし始めるスカリーですが、ここで現在のモルダーの姿がフレームインしてくると、なんとモルダーもBubble bath に入っています!こちらはビールを飲みながら。
二人の画面が真ん中でくっついて、二人が一緒にハート型のバスタブに入っているように見える。というのは、全 Fan Girls の共通認識。
この設定でスカリーをスキナーさんにすげ替えた Slash が何本も書かれたことについては、もう言うまでもないことです。
二人の電話中、モルダーの電話にキャッチが入り、モルダーが応えるとスキナーさんの声が!
SKINNER: (on phone, voice) Agent Mulder, it's Assistant Director Skinner. I hope I didn't catch you at a bad time.
MULDER: (on phone) No, sir, I'm just at the, uh, computer.
SKINNER: (on phone) Listen, I just wanted to apologize for coming down so hard on you during the Hoffman slash O'Fallon case.
MULDER: (on phone) Oh. I appreciate that, Skinman.
SKINNER: (on phone) Don't call me that.
モルダーってば!副長官が謝ってくれたからってすぐ調子にのって!でも可愛いやりとりです。
MULDER: (on phone) Yes, sir. Um... Uh, where are you now?
SKINNER: (on phone) I'm right underneath you. I'm in L.A., at the same hotel as you. Right below you and Agent Scully.
(The screen splits again at the bottom showing SKINNER also in a bubble bath with a bottle of champagne.)
ここでシャンパンを飲みながら(苺もつまんだりして) Bubble bathに入っているスキナーさんの姿が画面に現れます!
私のような horny female fans のおかげで、シリーズ全編を通して、何度も、何度も Shirtless シーンを作られてしまった副長官ですが、今回も期待通り、生肌を見せてくれました!なんと逞しい肩と胸元でしょう!!!(感涙)
スキナーさんとモルダーの会話の間だけでも、二人が並んで Bubble bath に入ってるように画面を並べてくれればいいのに…、と、心根の腐った Fan Girlsはつい思ってしまいますが、スキナーさんの姿は、二人の姿の下に現れます。
SKINNER: (on phone) Federman got me an Associate Producer credit on the movie.
MULDER: (on phone) A.P. Skinner, huh?
ディーンの肩書きは、サムが推測したとおりの撮影現場の末端、奴隷のような存在である P.A. (Production assistant) でしたが、さすがにプロデューサー(ウェイン)の親友であるスキナーさんは、A.P.(Associate Producer:共同製作者)という凄い肩書きをもらっています。
MULDER: (on phone) Uh... So what are you up to right now, sir?
SKINNER: (on phone, taking a sip of champagne) I'm taking a bubble bath.
MULDER: (on phone) Uh, hold on just one second, sir.
(MULDER clicks over on the receiver.)
MULDER: (on phone, grinning with delight) Hey, Scully, Skinman is calling me from a bubble bath.
SKINNER: (on phone) It's still me, Mulder.
電話が切り替わってない!ぶははははっ!モルダー、可愛い!!
(Indeed, SCULLY takes a sip of her wine, not hearing anything. MULDER is embarrassed.)
MULDER: (on phone) Uh, sir, well, hold on one second, sir.
(He clicks the receiver again.)
MULDER: (on phone) Scully?
SCULLY: (on phone) Yeah.
MULDER: (on phone) Yeah, Skinner is calling me from a bubble bath.
SCULLY: (on phone) Wow, he's really gone Hollywood.
MULDER: (on phone) Totally.
SCULLY: (on phone) You know, Mulder, speaking of Hollywood, I think that Tea Leoni has a little crush on you.
MULDER: (on phone) Oh, yeah, right. Like Tea Leoni's ever going to have a crush on me.
そりゃあ、奥さんですもんね?
SCULLY: (on phone) I think that Shandling likes you a bit, too.
MULDER: (on phone) Really?
ぷぷぷっ。最後のモルダーの真顔がなんともいえません。
ここで画面は暗転し、16ヵ月後に。
再び、場面は映画館にもどり偽モルダーと偽スカリーのキスシーン。
GARRY SHANDLING AS MULDER: I love you, Scully. No ifs, ands or...
TEA LEONI AS SCULLY: Bees.
(Passionate kissing goes on and on. MULDER and SCULLY are mortified. They glance at each other.)
TEA LEONI AS SCULLY: Wait, wait, Mulder... I can't.
(SKINNER is beaming.)
GARRY SHANDLING AS MULDER: I know this feels wrong because we're friends and we treat each other as equals, but...
TEA LEONI AS SCULLY: No, no, it's not that. It's not that.
GARRY SHANDLING AS MULDER: Well, what then?
(Moment of heavy breathing. In the foreground of the movie, we see MULDER turn as if to say something to SCULLY, then he drops his head.)
TEA LEONI AS SCULLY: I'm in love with Assistant Director Walter Skinner.
(私、A.D.ウォルター・スキナーに恋してるの)
(The AUDIENCE does not seem surprised to hear this. MULDER stands up from his seat.)
MULDER: (loudly) That's it, Scully, I can't take it anymore.
SCULLY: Shh, Mulder, sit down.
GARRY SHANDLING AS MULDER: What does he have that I don't have?
(副長官が持っていて、僕にないものってなんだい?)
TEA LEONI AS SCULLY: A bigger flashlight.
(あなたのよりも大きい懐中電灯よ)
耐え切れずに映画館を出て行くモルダーの姿をよそに、会場は大爆笑。
ちなみに、画面にはもちろん出てきませんが、スキナー副長官の役は、リチャード・ギアが演じていることになっています。
再び、場面は変わって、撮影現場の墓地のセットの丘に一人座って、「Lazarus Bowl」型のプラスチック容器からポップコーンを食べているモルダー。
そこにスカリーが現れ、二人が調査していたオファロン枢機卿の事件でとんでもないどんでん返しがあったと、ワシントンから連絡をもらったと告げます。
しばし二人でしんみりと話し込んだ後…。
映画のおかげでご機嫌のスキナー副長官が、今晩使っていいって、局のクレジットカードをくれたのよ、と、悪そうな笑顔を見せ、ひひひっと笑い出すスカリー。
行きましょう、とスカリーはモルダーの腕をとって立たせ、二人でセットを出て行きます。
SCULLY: Mulder, I have something to confess.
(モルダー、告白しなきゃならないことがあるの)
MULDER: What's that?
(なんだい?)
SCULLY: I'm in love with Associate Producer Walter Skinner.
(私、A.P. ウォルター・スキナーに恋してるのよ)
(They both laugh, and MULDER dumps the half-full bowl on top of a small statue's head.)
MULDER: Ah... Me, too.
(あー、…僕もさ)
きゃーっ!「Thank you, Chris!」 と画面の前で小さく叫んだ Fan Girls の数は、数万に上るでしょうね…。
でも、手をつないで、画面から消えていく、モルダーとスカリーの姿もとっても可愛いのです。
以上で、「Hollywood A.D.」 の妄想日記は終了です。
少しは楽しんでいただけたでしょうか?
次回は、何かしら Slash に関して、日記を書いてみたいと思っています。
2007年4月30日月曜日
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6 件のコメント:
藤葉様、こんにちは。
maxyです。
X-Fileのことはあまり知らないので、日記の深いところは良くわかりませんでしたが、そのあとYouTubeで、こんなのみつけてしましました!↓
The Supernatural Files
DeanとMulderの共通点をコレクションしたこの動画みてたら、何だか私も、Mulder、好きになってきました。可愛い!!!
藤葉様の、「校長室に呼ばれる問題児」という表現、ぴったりです。
するとさしずめDeanは、「呼びだされても出頭(?)すらしない不良少年」ってとこでしょうか。美人で頭良くて結構世間ズレしてるから、本質のナイーブさとストイックさを見抜けないと、Deanって、扱いにくそうですよね。(でも、そこがたまらんのですウ) そういえば、YouTubeに、
Supernatural - Dean - Problem Child
ってのもありました。こうして、どんどん深みにはまっていくのですね。
で、藤葉様、ノベライズ、読み始められたのですね!
実は私も一言一句に引っかかって、なかなか進みません。気に入ったフレーズは、何度も読み返したりするので。「泣きたいのに、泣かない」と決めた幼いDeanのシーン。ここですでに、立ち往生でした。
Deanに組み伏せられてるのに、その兄の目を、「美しい目」と思うSamのシーンも好きです。(Samって、やっぱ、兄のことをこれ以上好きになるのが怖くて、家出たんだと思います! 絶対に。)
会話の中には、言葉とかリズム感とか、いまひとつ違うかも、って思うところもありますが、ともかく、文字でスパナチュ読めるのが嬉しい。ありがたい。いっそ、次からは、藤葉様が翻訳してください。アマゾン覗いたら、英語版ペーパーバックも出るようなので。
私は、藤葉様と、スパナチュパロを作ってくださっているTOKO様の言語感覚が、大好きです。
パロといえば、YouTubeで、DeanとSamをウサギちゃんに変身させちゃった人もいます。
がはは…! 笑いが止まらない!
The Adventures of Winchester Wabbits
The Adventures of Winchester Wabbits Pt. 2
続き物なので、クセになりそうです。
また、来ます。藤葉様、お体大切に。
maxy494さん。
The Supernatural Files!!!
これ!最高ですね!!
まさに私のツボをついてくれる映像です。
これにプラスして、副長官室でのモルダーがどんなに可愛いかをお伝えできれば最高なのですけど…。
私も今日はずっとYouTubeに入り浸っていたのですが、私は最近 RPS で Queer as folk の Dale(Brian役)/Jensen という、またとんでもないPairingを読んでしまい。どうしても動いている Dale が見たくなって YouTube に出かけ、ほとんど一日中、憑りつかれたように QAF のクリップを見ていました…。
QAF…、やっぱり本物(?)はすごいですね…。
これはもう…、しばらく抜けられない…、というか、本気でUS版のDVDを購入したくなってきました。ど、どうしよう…。
Supernaturalのノベライズ。
これはこれで面白いけど、いかにも男性の目線で書いてるっていう感じですよね。
腐女子向けバージョンを出してくれるなら、その仕事私が引き受けます!なんて立候補したいところですが…(笑)
Hello! 日本に住んでいるアメリカ人です。私もスパーナチュラル大ファンだから、このブログでコメントしていいと思う。
SEASON 2で、どんなエピソードのほうが好きですか?HEART?(笑)
Hi!
お名前がわからないのが残念ですが、コメントありがとう。
画像も映像もなく、日本人でも読むのが大変な文字ばっかりのこのブログにコメントするということは…、Slashを読んでるってこと?
HEARTはもちろん(笑)好きですが、TALL TALESなんかも好きです。
たつき
はじめてこの記事を読んだときはよく分からなかったのですが、いまはおもしろさがよく分かります。なにしろ「me too」ですからね。
やっぱりモルダーはスキナーに恋していたんだ、と萌えてしまいました。
アメリカの役者さんはホモネタは嫌いかと思っていたのですが、彼はとてもさらりと口にしてくれるので嬉しいです。
スキナー相手にわざと甘えかかるシーンとかよくあったように思います。私の気のせいかもしれませんが。
というか、モルダーの笑顔とジョークがこの話の暗さを救っています。モルダーがいてこそのXファイルでしょう。
でも、スカリーももちろん大好きです。男らしくて科学一辺倒のスカリーと、子供みたいに優しいモルダーというのは、私の理想のカップルです。よく非科学的なことを信じやすい役は女性にきますが、このドラマでは逆だったので、それがおもしろくて見始めたんです。
なのに、スカリーの妊娠あたりになってくると、彼女が女そのものになってしまい、かつてのような行動力も消えて、がっかりしました。
モルダーという光源がなくなったせいか、話そのものも暗くギスギスなりがちで、ヒットしたから無理に続けているような気がしてしかたがありませんでした。ウィリアムの存在も生かされていませんでしたしね。また、生き生きとしてかっこいいスカリーを見てみたいものです。
たつきさん
「me too」ですからね!(笑)
大きな陰謀や謎に満ちた普段のエピソードの中でも、男女の役割が逆転したような、またある意味では保護者(スカリー)と子供(モルダー)ような二人の関係がちょこっと挿入されるだけで、すごく和まされるのですよねー。
このエピソードのような楽しい回になると、まさにモルダーの本領発揮!という感じで、時々「そ、そこまで、サービスしてくれるの?」と、鑑賞しながらにやけた顔が戻らなくなってしまいます。
やっぱりモルダーあってこそのX-Filesなんですよね。
モルダーがお休みしている間のシーズンというのは、もっと大人な別のドラマを見ているような感じだった気がします。
モルダーの周囲にいる人間は、いつの間にかモルダーのペースに巻き込まれて、自分を犠牲にしてもモルダーを守ってあげたいという心境にさせられるようで、
そういったモルダーを巡るDynamicとでもいうものが、私たちFanをこのドラマに惹きつける大きな要素だったとも思うのですけど、
ドラマの中心からモルダーが姿を消してしまうと、(特に)スカリーは、本来の一人の女性という姿が前面に出てきてしまって、シリーズを長く追いかけてきたファンたちにとっては、微妙に裏切られたような印象を抱く結果になったような感じもします。
演じている俳優さんたちも人間ということで、10年もの歳月の間には、俳優さんたち自身も変わってしまうし、
長く続く人気ドラマであれば、それだけ主演スターたちの発言力も大きくなってしまうしで、
(「いつまでもモルダーのお守りみたいな役はいや!」とか)
ひょっとしたら、脚本家たちが望む展開へと続くレールをドラマが走れなくなってしまったり、なんていう事情もあるのかも…とも思ったりします。
(現在のSupernaturalがそうなりつつあります…)
スピルバーグが名のある有名俳優を起用しないのも、自分の思ったとおりの作品を作り上げるためには、俳優さんたちに発言力というものが足かせになったりすることをわかっているからなんでしょうね。
(もちろんネームバリューのある俳優を使わなくても作品がヒットする自信があってこそということもいえますけど)
そういう意味では、X-Filesは、私にとってドラマ制作の裏側というものを垣間見せられた最初の作品でもあったなーと思います。
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